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2019年Q2におけるSiウェーハの出荷面積がメモリバブルの2017年並みに

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2019年第2四半期(4〜6月)におけるシリコンウェーハの出荷面積が前四半期比2.2%減の29億8300万平方インチになった、とSEMIが発表した(参考資料1)。これは前年同期比では5.6%減となる。半導体製品(特にメモリ)の単価は半額と大きく下がっているが、半導体チップの出荷数量はそれほど下がっていない。

図1 Siウェーハ出荷面積の推移 出典:SEMIの発表数字をセミコンポータルがグラフ化

図1 Siウェーハ出荷面積の推移 出典:SEMIの発表数字をセミコンポータルがグラフ化


半導体市場の回復時期は気になるところであるが、第2四半期の前四半期比2.2%減は第1四半期の同5.7%減よりは緩まっているという事実から、落ち込み割合は緩まってきていると言える。すなわち、今すでに底か、間もなく底を迎える、といった状況のように見える(図1)。

一方で、出荷されたウェーハ面積の絶対値で見ると、直近の29億8300万平方インチは、メモリバブルの真っ最中の2017年第4四半期の29億7700万平方インチよりもまだ少し多い。この事実は、直近の半導体製品の数がメモリバブルの時よりも多いということを表している。すなわち、半導体チップの数量がそれほど減っていないともいえる。

もっとも、メモリバブルではメモリの生産量はそれほど増やさず単価の値上がりで市場(販売額)が伸びたため、ウェーハ面積はそれほど大きくは伸びていなかった。実際、2016年後半から始まった半導体のプラス成長は、2017年いっぱい続き、さらに2018年の第3四半期まで続いた。2017年のウェーハ出荷面積は、第2四半期に29億7800万平方インチ、第3四半期に29億9700万平方インチ、第4四半期に29億7700万平方インチ、とほとんど変わっていなかった。つまり生産数量が増えず(あるいは増やさず)、販売額が増えていった。つまりメモリ単価の値上がりが続いてきたのである。

この2019年第2四半期の29億8300万平方インチという数量は、メモリバブルの頃の数量と同じという訳だ。だからこそ、今が底なのか、次の四半期あたりが底なのか、という議論が成り立つ。第2四半期にはデスクトップやノートブックパソコンが前年同期比4.7%増という指標が出てきたこと(参考資料2)を考慮すると、少なくともこれ以上急速に落ちることはなさそうだ。

参考資料
1. Second Quarter 2019 Silicon Wafer Area Shipments Fall 2.2 Percent from First Quarter Levels (2019/07/23)
2. デスクトップやノートなどのレガシーPC市場が2019年2Qに4.7%成長 (2019/07/24)
3. シリコン面積は第3四半期も過去最高に (2018/11/08)

(2019/07/24)

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