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「中国製造2025」の目標達成は絶望的

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中国の新しいDRAMメーカーCXMT(Changxin Memory Technologies:旧イノトロンが社名を変更)が最初のDRAM製品を年末までに出荷すると発表した。元々モバイルDRAMを製造する予定であったが、中国における半導体製造は育つのか。米調査会社のIC Insightsは疑問を呈している。

China IC Market vs. China IC Production Trends

図1 中国製ICは、中国内で消費するICよりも依然として少ない 出典:IC Insights


IC Insightsの調査では、DRAMとNANDフラッシュを合わせたメモリ全体では、中国が2018年に消費した金額は、IC全体の金額1551億ドルの41%と多かった。このため中国は自国でメモリ製造を始めた。

しかし、2018年のICの中国国内生産比率は15.5%に留まっていた。この先はどうか。2023年まで中国の内製半導体の年平均成長率CAGRが13%で成長し、世界全体では8%成長だと仮定しても、2023年でさえ自給率は19.7%にしかならない。中国製造2025では2020年に40%、2025年には70%という目標を掲げていた。しかし、中国の成長率が世界よりも高いと仮定してもとても追いつけない。だから、IC Insightsは中国製造2025の目標達成は絶望的だと評した。

加えて、中国で生産している15.5%に相当する240億ドルのうち、中国で生産するSamsungやTSMC、SH Hynix、Intelなど外資工場の生産額の方が73%と圧倒的に大きい。中国に本社を置く企業の売り上げは、わずか65億ドル(27%)にすぎない。この数字は、世界の半導体IC生産の1551億ドルから見るとわずか4.2%に留まっている。その65億ドルを分解すると、IDMが10億ドル、SMICのようなファウンドリが55億ドルとみている。つまりメモリや古いアナログなどの汎用半導体はわずか10億ドルしかない。

もちろん現時点では、全く歯が立たない。DRAM市場はSamsung、SK Hynix、Micron Technologyの3社で市場シェア95%以上占められた寡占化状態にある。ここにCXMTが風穴を開けようとしているが、今のところ従業員数千名で毎年の投資額15億ドルしかない。これに対してSamsungは4万人、SK Hynixも3万人、投資額はMicronも加えた3社で合計462億ドルと桁違いに多い。

では、非メモリで中国は生きていけるか。アナリストには中国の半導体は間もなく世界に追いつけるだろうと見ている人たちは多いが、そう簡単ではない。IC Insightsは、アナログやミクストシグナル、サーバー用CPU、マイコン、ロジック製造も中国では難しいと言い切る。

では2023年のIC生産金額を見積もってみると、世界全体では5388億ドルとなり、中国メーカーが生産するICは2023年に452億ドル、としてもわずか8.4%にしかならない。IC Insightsは、今後5年でIC生産が大きく伸びるのは不可能で、10年後でさえもおそらく無理だろうと見ている。

中国は半導体製造よりもむしろ設計の方が世界に追いつくレベルに来ている。華為の半導体設計子会社であるHiSiliconは、7nmのチップを設計、TSMCがそれを製造して出荷している。つまり、中国で製造するのではなく、中国は設計、製造は他の国、と分担することがまともな経済発展の道ではないだろうか。アメリカファースト、中国ファーストと言い争う限り、どちらの国も発展は止まるであろう。

(2019/06/18)

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