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アナログ半導体トップ10社ランキング、Infineonが3位に躍進

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2018年におけるアナログ半導体のランキングが発表された。Texas Instrumentsのトップは相変わらずで、2位Analog Devicesまでは変わらないが、3位にInfineon Technologiesが入った。これは米市場調査会社のIC Insightsが発表したもの。

表1 世界アナログ半導体メーカーの販売額ランキング 出典:IC Insights

Leading Analog IC Suppliers ($M)


アナログ半導体上位10社の年成長率は9.4%となり、堅実な伸びといえる。この内、2桁成長したのが5社。欧州の3社、Infneon TechnologiesとSTMicroelectronics、NXP Semiconductorが全て2桁成長を遂げている。また、ON SemiconductorとMicrochipは共に買収したことで売上額が2桁増えた。ところが、ルネサスエレクトロニクスは、Intersilを買収してアナログを強化したのにもかかわらず、2%減とマイナス成長に陥った。相乗効果が出ていないといえる。

アナログ半導体ランキングは順位が大きく変わることはあまりなくなっているが、2018年にはInfineonが4位から3位へと躍進した。同社の強みは自動車で、全社売上の43%を占め、次がパワーマネジメントの31%、工業用パワー制御が17%となっている。工業用途が圧倒的に多く、その他はチップカードとセキュリティで9%である。ITなどとは異なり急成長する分野ではなく、着実に成長する分野をモノにしている。

Infineonと同様、STもモータ制御や自動化、エネルギーマネジメントなど工業用途が多いのにもかかわらず、26%も成長し、32億ドルに達した。さらに、オランダのNXPは10%増の26億ドルで6位となった。NXPは2015年にFreescale Semiconductorを買収し、クルマに強い半導体メーカーとなった。LiDAR用部品や、車内ネットワーク、5Gなど成長分野で伸びてきた。

欧州勢以外では、企業買収で成長するところが増えている。11%増のON Semiconductorは、2016年9月にFairchild Semiconductorを買収、2017年に売り上げが35%増と大きく増加した。2018年も11%増、と順調に買収による相乗効果を上げている。クルマ市場では機能安全やパワートレイン、車両、照明などクルマ全般に渡る応用で伸ばしている。

2018年に22%増えたMicrochipは、同年5月に83.5億ドルでMicrosemiを買収、コンピュータと通信で伸ばした。

今回、3位から4位に落ちたSkyworks Solutionsは、スマートフォン用のRF部品でこれまで成長してきたが、スマートフォン市場、特に中国市場が後退したため、売り上げが1%減少した。Renesasは10位をキープしたものの2%減で、中国市場の減退で不調だったというが、その通りには受け取れない。同社の海外比率は半分以下と低く、いまだに中国売り上げもそれほど大きくないためだ。

(2019/05/14)

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