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Siウェーハ出荷面積は過去最高、でも販売額はまだ低い

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2018年における半導体シリコンウェーハの出荷面積が過去最高の127億3200万平方インチを記録した。これは前年比で8%増となった。また、シリコンウェーハの販売額は前年比31%増の114億ドルになった。これはSEMIが発表したもの。

2007年-2018年の半導体シリコンウェーハ出荷面積/額推移

図1 半導体シリコンウェーハの出荷面積推移 左軸の単位は百万平方インチ、右軸の単位は10億ドル 出典:SEMIの発表数字をグラフ化したもの


2018年は販売額の伸び31%は著しいように見えるが、単年度だけの数字を見ていてもこれは説明できない。実は2014年〜2016年の間、ウェーハ面積が増えても販売額が下がっていくという奇妙な現象が起きており(図1)、必要以上に値下げに応じてきたウェーハメーカーの姿勢に問題があった。需要が増えているのに供給側が値下げをするという、市場経済に反する行為は、お客様は神様で、神様の言うべきことはなんでも従うという日本的なビジネス習慣かもしれない。シリコンウェーハのトップメーカーは信越化学工業であり、SUMCOであるからだ。ウェーハに価値を提供するという欧米メーカーの姿勢とは異なる。

需要が増えれば供給を増やすが、単価を下げてまで供給を増やす必要はなかった。にも関わらず、下げてきたのである。日本の半導体IC産業もこれと似たような傾向がある。市場全体が見えなかったために、営業マンが顧客の言いなりになって下げてきた「つけ」が回ってきたともいえる。もっと市場全体を見るような営業に変えていくべきであろう。

幸い2017年、2018年はメモリの供給不足から単価の値上がりだけではなく、他の部品まで不足していた。明らかに供給不足がはっきりしていたために単価を上げ、販売額増加につながったといえよう。その2018年の販売額でさえも、まだ2007年レベルには達していない。

(2019/02/01)

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