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単価の高騰で市場が伸びなくなってきたDRAM

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メモリバブルはいつまで続くのか。NANDフラッシュは単価が下がってきており、生産量も増えてきたため、市場が広がり成長へ向かっている。しかしDRAMはむしろビット成長が単価高騰のために抑えられてきた。生産量さえ上がれば成長路線に乗るが、その見込みはどうか。米市場調査会社IC Insightsがビット成長について分析している。

DRAMのビット単価は、1978年から2012年までの34年間、年率平均33%の割合で下がってきた。この結果、市場が広がり、メインフレームのコンピュータからパソコンさらにはスマートフォンへと広がってきた。ところが、2012年から2017年はビット単価がわずか年平均3%しか下がってこなかった。しかも2017年にビット単価はなんと47%も値上がりした。毎年下がるべき製品の価格が下がらなくなると、その製品は売れなくなり市場は小さくなる。これ以上の単価の値上がりは半導体産業にとっても好ましいことではないだろう。

DRAMのビット容量の成長率を見ると、2017年はわずか20%しか増えなかった。2016年のビット容量は40%増えたから、その半分しかない。IC Insightsは、DRAMのビット容量の伸び率とGビット当たりの価格をこの1年にわたり図1にまとめている。


グラフ DRAM Price-per-Gb vs. Year/Year Bit Volume Growth (Jan. 2017- Jan. 2018)

図1 DRAMのGビット価格とビット生産量の伸びとの関係 出典:IC Insights


ビット容量は図1に示すように、2017年1月から3月くらいまでは40%前後の割合で伸びていた。つまりDRAMの容量をもっと増やしたいという要求に対応していた。ところが、2017年5月から2018年1月までの毎月のビット容量の伸び率はわずか13%程度にとどまっており、DRAM容量をもっと増やしてほしいという要求が少なくなっていた。

一方でGビット当たりの価格を見ると、1〜3月は0.7ドル前後だったが、4月、5月に0.76ドルになり、さらに2018年1月の0.97ドルまで上がった。こうなると、ビット容量の伸びがもう抑えられ、2017年10月にはわずか8%増、11月には6%増という結果に終わった。DRAMメモリを使うシステムメーカーは、メモリ価格の高騰で頭を悩ませているのに違いない。

もともとDRAMはコモディティ製品であり、需給関係がはっきりしている。価格が下がると大量に使い、価格が上がれば少ししか使わない。図1でみられるように、単価が低いうちはDRAMの使用量は増え、単価が上がると使用量は伸びなくなる。IC Insightsが算出した、Gビット当たりの価格と出荷量の伸び率との相関係数は、-0.88と、完全な相関を示す-1.0に近い。次世代の新機種スマホでは、DRAM容量を5GBの予定を4GBにするという噂もあるという。

こういったコモディティ製品の需給の固定した関係を打ち破るのが新勢力だ。日本で新たなDRAMメーカーの出現は期待できないが、2〜3年後には中国の福建普華集積回路などのDRAMベンチャーが競争力を高めてくる可能性はある。DRAM価格の高騰は長い目で見ると半導体産業にとっては需要が増えないことから、好ましいことではない。DRAM容量をもっと増やしたスマホやモバイルPCは魅力的であり、そうなるためにもっと競争者が出てくる方が半導体産業にとっても健全な市場を形成できるのではないだろうか。

(2018/03/14)

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