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マイコンがIoTと共に着実な成長へ

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マイコンがIoTデバイスの成長と共にCAGR(年平均成長率)5.5%で着実に成長していく、という予測を米市場調査会社のIC Insightsが発表した。マイコンの出荷数量は、2015年に前年比15%増の221億個を出荷したが、売り上げは159億ドルと前年と同じだった。なぜ、今後は成長していくか。

図1 マイコンがIoT時代に着実に成長 出典:IC Insights

図1 マイコンがIoT時代に着実に成長 出典:IC Insights


IC Insightsの分析では、この3年間マイコン(マイクロコントローラ)は過剰供給で平均単価(ASP)が-13%で下落してきた。2013年に0.94ドルの平均単価が2014年の0.83ドル、2015年は0.72ドルだった。出荷数量は2013年に161億個、2014年に191億個、2015年221億個と増えてきたものの、売り上げは2013年の152億ドルからほとんど増えていなかった。これまでは在庫が多く、積みあがってきたためだ。しかし、2015年の0.72ドルという平均単価は底値だという。スマートカード用マイコンはやや飽和気味だが、今後、IoT向けのマイコンはこれから伸び、在庫が減少するため、平均単価は少しずつ上昇していくと見ている。

2016年は平均単価が0.74ドルとわずかながら上昇し、出荷数量は224億個とほぼ横ばいであるため、売り上げは4.4%増の166億ドルになると見込んでいる。IoTがこれから伸び続けることによって、2015年から2020年までのマイコンの売り上げのCAGRは5.5%で着実に伸びて行き、2020年には209億ドルに成長すると予想する。この時の出荷数量は267億個としている。出荷数量のCAGRは2020年までに3.9%増で推移すると予想している。

スイカやパスモのような乗車券などに使われてきたICカード向けのマイコンは、これまでマイコン出荷数量の約半分を占め、その金額はマイコン全体の15〜16%だった。しかし、ICカード市場が飽和気味になってきたため、2020年にはカード向けのマイコン出荷数量は、全体の38%に減り、その売上額は12%に減ると見ている。

(2016/09/08)

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