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Arm、IoT時代のデータ管理を抑えるIoTプラットフォームを開発

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ArmがIPベンダーのビジネスモデルから脱却しつつある。IoTシステムの価値が、ハードでもない、ソフトでもない、データに移ることをとらえるためだ。Armは進むべき道がデータ中心であることを認識しており、IoT端末を作るための開発キットARM Mbedを昨年、提供、このほどデータを収集・管理するIoTプラットフォームの国内提供を始めた。


IoT端末は、センサやアナログ、マイコン、送信機などからなるが、端末からは常にセンサデータをゲートウェイやクラウドに送らなければならない。その場合に、データを正しい宛先に送るためのコネクティビティ、デバイスを管理する機能、さらに送られたデータを収集・管理する機能、データを解析する機能などを用意しておく必要がある。

ArmはIoT端末に搭載するマイコンやSoCに使うCPUコアを半導体メーカーに提供するIPベンダーであるが、Armのコアを使ったチップを普及させるためには、IoT端末のデザインキット(ソフトウエアとハードウエア)も必要なため、Arm Mbedと呼ぶ開発キットを提供してきた。そして今回は、IaaS(Infrastructure as a Service)ともいうべき、ゲートウェイあるいはクラウド上でのソフトウエアプラットフォームを発表した。


図1 Arm社IoTサービスグループのプレジデントDipesh Patel氏

図1 Arm社IoTサービスグループのプレジデントDipesh Patel氏


ただし、「Arm Pelion IoT Platform」と呼ばれるこのIoTプラットフォームの役割は3つある、とArmのIoTサービスグループのプレジデントであるDipesh Patel氏(図1)は述べる。ここではIoTからのデータをクラウドへつなげるためのコネクティビティ、IoT端末を管理する機能、そしてデータを収集・管理する機能を設ける(図2)。コネクティビティはデバイスをエンドツーエンドにつなげるSIMカードのような機能であり、デバイス管理はデバイスのアップデートやセキュリティを保護する機能、そしてIoT端末からのデータを集め、データを解析できるような形にするための機能や、信頼のあるデータセットを用意する機能、である。データ解析は他のパートナーに任せる。


Introducing the Pelion IoT Platform

図2 ArmのIoTプラットフォームの主な機能は3つ 出典:Arm


このPelionプラットフォームの開発を行うために、CRM(Customer Relationship Management)ソフトウエア開発を進めてきて、米国で創業した日本人が経営するベンチャー企業Treasure Data(トレジャーデータ)社を8月買収した。トレジャーデータはCRM用のプラットフォームであるCDP(Customer Data Platform)によるサービスを継続しながらPelionをArmと共同で開発する。トレジャーデータのCEOであった芳川裕誠氏(図3)は、これまで顧客の人に関するデータと、商品に関するデータは完全に分かれていたが、IoTシステムでは重複する部分が出てくると考え、Armと組むことは事業を広げる機会になると考え、買収に応じたと述べている。


図3 旧トレジャーデータCEO(現Arm IoTサービスグループデータビジネス担当VP兼ジェネラルマネージャー)の芳川裕誠氏

図3 旧トレジャーデータCEO(現Arm IoTサービスグループデータビジネス担当VP兼ジェネラルマネージャー)の芳川裕誠氏


Pelionは、データ解析を除くIoTプラットフォームであるため、データ解析はどこかと組むことになる。また解析したデータを可視化するアプリケーションソフトの開発も他のパートナーに依頼する必要がある。これらのソフトウエアパートナーについては、触れていないが、顧客に任せるという選択肢もありうる。


Data management unlocks value

図4 データを管理する仕組み 出典:Arm


上図の中央から左側の青い部分はPelionが受け持つ機能で、右側の灰色部分が他のパートナーあるいは顧客にゆだねる部分となる。

(2018/08/24)

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