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半導体商社コアスタッフに聞く、昨今の半導体不足

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日本製の半導体・電子部品をオンライン販売で出荷するという強みを生かした半導体商社のコアスタッフがコロナ禍で業績を伸ばしている。接触できないゆえのオンラインの強みを生かし、半導体不足と余剰在庫のまだら模様に立ち向かう。最近の半導体不足をどう見るか、半導体商社コアスタッフの考えを聞いた。

図1 コアスタッフ代表取締役社長の戸澤正紀氏 出典:コアスタッフ

図1 コアスタッフ代表取締役社長の戸澤正紀氏 出典:コアスタッフ


コアスタッフの創業者であり代表取締役社長でもある戸澤正紀氏は、同業の半導体商社丸文で勤務した後、2000年12月にコアスタッフを設立した。オンラインストアを中心として、半導体や電子部品を販売する。
日本における半導体商社としてチップワンストップがあるが、数年前にArrow Electronicsの傘下に入った。コアスタッフは完全独立系の半導体商社であることをウリにしている。このため、顧客要望に対応して自由に仕入れることが可能であるという。

コアスタッフの販売はDigi-KeyやMouserと同様、ウェブベースだ。2019年度には6,000社に販売し、6万4000名のユーザーを持つ。扱っているメーカーは日本を中心に40社、自社在庫数は5万点だが、足りない部品は、パートナーであるウェブベースのMouserとRochester Electronicsから購入する。また、部品を1個からでも購入できることも特長である。

半年以上も半導体不足が叫ばれてきたが、コアスタッフはロングテールの製品を扱っているせいか、一般の半導体商社とは違った需給状況だとしている。例えば2020年の1~3月は世界各地でロックダウンが行われ、サプライチェーンが寸断され部品が出荷できない状況が発生した。しかし、同社は需要に対処でき、特に4月は出荷のピークだったと戸澤社長は言う。夏には減速したものの、10月以降は半導体不足が顕在化し、現在に至っている。

現在、全ての電子部品、半導体が不足している訳ではなく、1000アイテムの内、400アイテムが不足していると述べる。残りの600アイテムはむしろ余っている。特にEOL(End of Life)品すなわち生産中止品が余っているとする。不足しているのは生産継続している製品。

一方、半導体メーカーはIDM(設計から製造まで一貫して提供する半導体メーカー)もファウンドリも稼働率は100%近い状態で作っているが、半導体供給不足は、さらに次のような要因も加わると見ている。まず、半導体を入手できないことに対しては、半導体を使うユーザーが増えており、需要が上向いている。半導体メーカー側はM&Aが進み大きくなりすぎて動きが遅くなったこともある。加えて、米テキサス州での大寒波により、半導体工場だけではなく樹脂を製造するデュポンの工場も長期停電の影響を受けた。コネクタ樹脂も手に入らないという。また、バイヤーが退社するというリソース不足もあるとしている。

半導体ユーザーの中でもEMS(電子機器の請負専門メーカー)は、在庫を多数持っており、ERPシステムを駆使してリードタイムを考えながら、半導体メーカーに発注しているという。コアスタッフはEMSの在庫状況を捉え、余剰在庫のある会社から不足している会社へ再分配しているといえそうだ。自社の在庫5万点を通常持っているが、不足分はRochesterやMouserとは同じ価格で購入できるという。ウェブで表示される在庫量も両社とも同じだとしている。

コアスタッフは、半導体や電子部品をサプライヤーから仕入れて管理するという業務になる。ウェブに掲載している情報はいわゆる1次市場(半導体メーカーや部品メーカー)からの調達情報であり、同社は半導体や部品が仕入れできなくなると致命的になるため、1次市場になければ、ブローカーから購入することになる。海外のEMSは余剰在庫を放出してくれるスキームが整っているため、ブローカーを通じて購入する。

ただし、ブローカーは本当に信用できるとは限らない。特に中国系ブローカーには偽物や規格外れ品を扱う悪質な業者もいるため、それを見破る手段を揃えている。コアスタッフが解析センターを持ち、半導体のモールドをはがしチップを解析できる能力を持つのはそのためだ。同社単体での社員数167名の内、外回りの開拓営業22名や内勤営業49名、その他に加えて、解析スタッフを5名揃えている。パッケージ材料の解析や、2000個の半導体製品を搭載したテープリールを全自動で検査するX線装置もある。X線装置で偽装品かどうかを内部でチェックする。解析センターにはカーブトレーサも備えており、電気的特性も把握できる。

解析技術を活かして、偽物か本物かを見分ける真贋サービスもサブスクリプションベースで4月から開始した。

今後の成長戦略として、電子部品、半導体だけではなく、これらをコアとしてその周辺を広げていくという「Cross the Border」戦略を採っていく。工具や保守に必要な製品を扱う商社のトラスコ中山と契約したのはそのためだという。加えて、文字通り国境を超えた販売にも力を入れていく。特に、日本企業が多いタイ、中国、ドイツ、米国を対象としている。米国はMouserやDigi-Keyが扱っていない日本の製品を扱っていきたいとしている。

(2021/06/11)

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