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日本の電機メーカーのデザインをサポートしたい

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Nikhil Joshi氏、インドDelta Embedded Solutions社Executive Director


5月8日〜10日、東京ビッグサイトで開かれた2013 Japan IT week春にインドの組み込み開発企業が出展した。インドのエレクトロニクスとIT関係の2300の企業をメンバーとするESC(Electronics and Computer Software Export Promotion Council)が10数社を代表として送り込んだもの。ソフトウエア開発企業が多い中、エレクトロニクスの設計会社として参加したDelta Embedded Solutions社にその狙いを聞いた。

インドDelta Embedded社Executive DirectorのNikhil Joshi氏(左)とSales担当Senior ManagerのAnil Chavan氏(右)

インドDelta Embedded社Executive DirectorのNikhil Joshi氏(左)とSales担当Senior ManagerのAnil Chavan氏(右)


Q1(セミコンポータル編集長):エレクトロニクス分野におけるデザイン(設計)と言ってもLSI設計やPCBボード設計、機械設計などさまざまあります。Deltaが手掛ける設計はどれですか。
A1(Delta社Executive Director Nikhil Joshi氏):当社はプリント回路基板(PCB)にICチップを搭載して電機メーカーが望む機能を実現する設計を手掛けます。半導体ICはマイコンやSoCなどを使うようになり、ハードウエアだけではなくソフトウエアも開発する必要があります。当社は、アナログからデジタル回路、ソフトウエア開発・検証まで行います。ただし、RF技術の設計開発はしません。

Q2:どのような分野を開発していますか。
A2:スマートメーターの管理システムやインテリジェントな交通管理システムをはじめ、洗濯機や冷蔵庫、エアコンなどの白物家電のコントローラを開発してきました。顧客との関係で具体的な名前は言えませんが、GPSトラッキングや、医療機器、防災セキュリティ、高圧送電、エネルギー変換、VoIPなど向けのシステムも手掛けています。

Q3:どのようにして設計のスキルを磨いてきたのですか。
A3:元々オランダのフィリップスのインド法人でエンジニアとして働いていました。1995年に会社を設立し、しばらくは電子回路設計のコンサルティングをしていましたが、2005年から設計そのものを手掛けるようになりました。この年から人も採用し始めました。現在、50名が働いており、そのうち90%がエンジニアです。
CTOはフィリップスの研究所に長い間勤務していたシニアエンジニアです。彼は世界の品質レベルを熟知しており、さらにさまざまな分野での経験も持っています。電子回路の設計では、独自設計と標準化を導入してコストバランスの良い製品を作り出す必要があります。このため長い業界経験が役に立ちます。

Q4:何か設計された事例を紹介していただけますか。
A4:洗濯機や冷蔵庫の設計にルネサスエレクトロニクスのマイコン(マイクロコントローラ)を使いました。ルネサスのマイコンを選んだのは、限られたコストで必要なI/Oやメモリ容量を持ち、性能が高く、チップが小さかったからです。ルネサスと話をして、仕様、性能を確認し、ハードウエアのPCBボードとソフトウエアを開発しました。この時のOEMメーカー(電子機器メーカー)はインドで創立110年以上を経た老舗の大手電機Godrej社でした。
私たちは設計した試作品をOEMに納め、OEMはEMS(Electronics Manufacturing Service)に依頼して量産します。この量産段階でもし問題が出てきても当社は、責任を持って、その問題を特定し解決します。部品のせいか、設計そのものか、あるいは製造工程なのか、などを特定するため不良解析を行います。
量産段階では、ルネサスのマイコンの価格はGodrej社と交渉して決め、決定した価格でルネサスはEMSにマイコンを出荷し、EMSがボードに組み込み、そのボードを組み込んだ白物家電をGodrej社に納めます。

Q5:スマートメーターやインテリジェント交通システムでは何を設計されましたか。
A5:スマートメーターでは、各家庭に設置するスマートメーターそのものだけではなく、それらをまとめてM2Mでクラウドにアップロードするためのゲートウェイ、各家庭での電力量を可視化するための専用ディスプレイボード、さらに負荷スイッチなども設計しています。負荷スイッチは、各戸に1台取り付けるもので、電力使用量が多すぎる場合に電力を遮断するという役割を持っています。
スマートエネルギーのシステムでは、電力使用量の多い昼間は電力料金を上げ、夜間には電力料金を下げることで、需給バランスを図ります。このためスマートメーターは15分ごとに電力を測定し、それをZigBeeネットワークでゲートウェイに送り、ゲートウェイからM2Mでクラウドの向こうにあるサーバーに送り、そこで電力量を管理します。
もし昼間の電力量が増えてパンクしそうになったら、予め設定してある優先順位に応じて負荷スイッチが家電製品のスイッチを切るのです。現在、インドのチェンナイ近郊の都市で実験を始めています。
交通システムでは交通量を常にモニター測定し、朝夕のラッシュアワーのように交通量が多い時間帯での道路の交通量を調整します。例えば交差点で交通量の多い場合には、青信号の点灯時間を長くし、交通量が少ない時間には短くするという調整を自動的に行うシステムを設計しました。このシステムでは、通過するクルマの量を測定するセンサを道路に埋め込み、交通量を検出します。今後はGPSと接続し、都市全体を制御することを考えています。全体の交通量を把握し、混雑しそうな交差点を通過する前にその交通量を把握しておきます。

Q6:日本市場では何を求めていますか。
A6:ルネサスのような半導体メーカーからは設計とソフト開発を請け負いたいのです。パナソニックやニチコンのような受動部品メーカーからはすぐれた部品を入手することです。加えて、日本のOEMメーカーとはパートナーとして一緒に開発サポートしていきたいと思っています。設計には強い自信を持っていますし、設計するPCBボードに関しては、当社が企業としての社会的責任を負います。
ですから、自社のスキルを売り込むと同時に、我が社ができることとできないことをはっきりさせます。具体的にアナログ回路、デジタル回路、ソフトウエア開発は得意ですが、RF設計は得意ではありません。例えばスマートハウスのメータリングシステムでは、ZigBee部分は外部から調達して組み入れ、私たちはソリューションとしてPCBボードを提供します。日本では、信頼関係を築き、製品やサービスの安心を提供することが大事だからです。

(2013/05/15)

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