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業界経験者、海外ビジネス熟知者などと起業家との出会いの場を提供するSSW

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Simon Bond氏、英Silicon South West社 CEO

英国のシリコンバレーと呼ばれる南西イングランド地方、特にブリストルとバース地域を中心に50社、5000人の社員からなるファブレスのベンチャー企業が多数集まっている。この地域を代表する業界団体Silicon South WestのCEOであるSimon Bond氏とニューズレター編集長のNick Flahery氏が来日、最近の動きを聞いた。

英シリコンサウスウェストのSimon Bond氏(左)とNick Flahery氏

英シリコンサウスウェストのSimon Bond氏(左)とNick Flahery氏


Q1(セミコンポータル 津田編集長): まず、Silicon South West(SSW) の役割を教えてください。
A1(シリコンサウスウェスト ボンドCEO): 私たちはバースにあるイノベーションセンターにオフィスを置いています。ここはバース大学が出資しています。イノベーションセンターには多くのベンチャー企業が入居しています。私の仕事は、世界で成功できるくらいの革新的な新技術をもつベンチャー企業を見つけ、同定することです。この英国南西地区はシリコンLSI設計やマイクロエレクトロニクスが盛んな地域なので、ベンチャー企業を見つけるのに適した場所です。
大学発の起業家から話を聞くと、実業界とのコミュニケーションをとることが難しいと言います。大学発の起業家と実際のビジネスパートナーとを結びつけるのが、SSWです。SSWの目的は大学と産業界とのネットワークを作りコミュニケーションをとることです。大学は学生を産業界に送りこんでいますが、ブリストル大学には東芝リサーチヨーロッパの社長でもあるジョー・マギーハン教授やXMOS社を設立したデビッド・メイ教授がいて、彼らは商業化するためのノウハウと持っています。SSWは複雑なビジネス界と、付加価値の高い研究を行う大学との出会いの場を作り出します。
かつて産業界に君臨したインモスやプレッシーも大学から生まれました。SSWは私のいるイノベーションセンターのベンチャー企業を育てることもしています。
ニューズレターを通して情報を提供したり、セミナーを開催してキーパーソンを紹介したりして、ベンチャーをサポートしています。運営資金は、企業のスポンサーシップ、セミナーやニューズレターの広告などで賄っています。この地域は政治色が弱く政治組織はありません。SSWは大学に追従することもなく、政治に左右されることもない準独立系の工業会組織です。(編集室注:スポンサーとして、弁理士事務所のElementOne、英国最大の法律事務所Beachcroft、リクルーティングのicgroup、ベンチャーキャピタルのCre8Ventures、さらに計測機メーカーのAgilent、Rohde & Schwarz、計測機リースのMicrolease、EDAツールベンダーのMentor Graphicsがいる)
SSWは革新的な技術力を持つ企業を支援し、お互いにネットワークを組むことをお手伝いしています。SSWの会員には会費はありませんので、たくさんのベンチャー企業が参加できます。

Q2:  会員になるための資格はありますか。
A2:  会員になれる企業は、世界市場を目指して何らかの知的財産を持ちマイクロエレクトロニクス産業に従事していること、だけです。
  
Q3: 会員のメリットは何ですか。
A3: EDAツールのスポンサーのメンターグラフィックスは起業家にツールを貸し出したり、アジレントは測定器を貸したりします。このインキュベーションセンターでツールや測定機を使うことができます。また、出資者を紹介してもらうこともあります。
また会員企業の中には、以前STマイクロエレクトロニクスやダイアローグセミコンダクタにいたというような人もいるので、新しい起業家がSSWに来ると、Nickが最適な人を紹介し会わせてくれます。世界的な企業にいた人たちは、グローバルビジネスをよく知っていますので、とても役に立つと思います。

Q4: 今、英国南西地域で最大の関心ごとは何でしょうか。
A4: (家庭に設置する小さな携帯電話基地局である)フェムトセルです。このテーマは南西地区だけではなく、ケンブリッジや全土にまたがるKTN(Knowledge Transfer Network)などの人たちと話しても同じです。フェムトセルはRF回路などの単なる部品だけではなく、アプリケーションやサービスについても半導体メーカーが強い関心を寄せています。例えば、スウィンドンにある日本のソフトバンクがフェムトセルの最初の顧客になりました。
ただし、英国におけるマイクロエレクトロニクスにおける最大の問題は、KTNや大学を介してネットワークを形成するのですが、そのネットワークの同期をどうやってとるかという問題です。

Q5: スマートグリッドなどの将来技術は、関心がありますか。
A5: 半導体ビジネスにとって次の重要な技術はスマートグリッドだと見ています。これまでの30年は電話ビジネスが大きく変わりました。かつての固定電話から携帯電話やスマートフォンへと通信ビジネスががらりと変わりました。インターネットの普及も通信ビジネスを変えました。音声からデータ通信、ビデオなどネットワークが大きく変わりました。
次の30年は電力網の変革となるでしょう。これまでは巨大な発電所があり、電力を需要家へ一方的に送るだけでしたが、スマートグリッド時代には電力を小売りするようになります。ソーラーを利用したローカルな発電所が可能になります。
現状では、レギュレーションを変えたり、フィードインタリフ制度などより補助金を導入するといった初期段階ですが、これからはこれまでの需要家が電力を売るようになります。ソーラーだけではなく風力発電、さらにはネットワーク周辺の通信なども変えていく必要があります。バースにはスマートグリッド向けの通信ネットワーク用ソフトウエアを開発しているSidonesというベンチャー企業があります。今、この企業とスマートグリッドの話をしています。

(2010/06/24)

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