Appleの折り畳みスマホ「iPhone Duo」登場;中国勢のランキング台頭
世界半導体販売高の引き続く異次元の伸びを前回見た中での今週の注目2点である。AI需要に押しやられて、使用するメモリの不足&価格高騰に見舞われるPCおよびスマホ業界の状況が目に入るなか、この時期恒例、Appleからの新製品発表が行われ、注目の折り畳み型スマホ「iPhone Duo」が登場している。時を合わせて、今週先行して中国のHuaweiおよびXiaomiからも折り畳み型が打ち上げられる一方、先んじたSamsungからは牽制&挑発のスタンスが見られて、折り畳み型に向けた業界模様が一気に露呈した形である。
このような中、従来型DRAMをつくる中国のCXMT、およびファウンドリー業界での中国・SMICが、ともにランキング評価が高まってきている。
≪AI熱気の中での市場の反応如何?≫
Appleの折り畳みスマホ登場を前にして、中国でHuaweiおよびXiaomiが同型を打ち上げ、先導する格好である。
◇China’s Xiaomi unveils folding phone with home-grown chip as it takes on Apple, Huawei (9月8日付け South China Morning Post)
→*この新製品発表は、Huaweiが最新の折りたたみ式スマートフォンを発売するのと同じ日に行われ、Appleも水曜9日に同市場への参入が見込まれている。
*Xiaomiは月曜7日、自社製チップを搭載したフラッグシップ級の折りたたみ式スマートフォンから、高級SUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)「Skynomad」の新モデルに至るまで、一連の新製品を発表した。これは、Tesla、AppleおよびHuaweiといった競合他社との競争を勝ち抜くべく、同社が攻勢を強めていることを浮き彫りにしている。北京に拠点を置くXiaomiの創業者兼CEOであるLei Jun氏は、北京で開催されたイベントにおいて、7.58インチの内部ディスプレイ、自社製SoC「Xring O3」、およびChangXin Memory Technologies(CXMT)製のLPDDR6メモリチップを搭載した折りたたみ式スマートフォン「18 Fold」を発表した。
◇ファーウェイや小米、スマホの進化を先導 形状もAIも中国発 (9月8日付け 日経 電子版 11:30)
→中国スマートフォン大手の華為技術と小米が7日、新商品を発表した。SNS動画を視聴しやすいよう画面を広げた。米アップルが日本時間の10日(米西部時間9日)に発表する新商品に対し先手を打った。AI機能を含め、中国勢がスマホの進化を先導している。
Appleの生産量の制約が、発表前に取り沙汰されている。
◇Apple、折り畳みiPhoneの生産は1日数百台どまり 発売時に品薄の恐れ (9月8日付け 日経 電子版 05:00)
→米アップルが満を持して投入する折り畳み式iPhoneの初期生産が、現時点で1日あたり数百台程度にとどまっていることが複数の関係者の話で分かった。同社の極めて厳格な品質管理基準が背景にあるという。
そして、Appleの「iPhone Duo」をはじめとする新製品発表を受けた記事が以下の通りである。半導体については、同社最上位のSoC「A20 Pro」に注目である。
◇Apple A20 Pro powers iPhone Duo, 18 Pro - the company's first 2-nanometer smartphone chip―Apple debuts 2nm A20 Pro chip in foldable iPhone Duo―CEO John Ternus takes the stage for the first time. (9月9日付け Tom's Hardware)
→1)Appleは、スマートフォン向けとなる同社最上位のSoC「A20 Pro」を発表した。この新しいプロセッサは、本日開催されたiPhone発表イベント(新たにCEOに就任したJohn Ternus氏が主導する初のイベント)において、自社製モデム「C2」と共に披露された。A20 Proは、iPhoneに搭載されるApple初の2ナノメートル(nm)チップとなる(同社初の2nmチップは8月に発表され、今月後半にMac miniでデビューする「M6」である)。M6と同様に、A20もデュアルNeural Engineや新しいCPUおよびGPUコアを搭載している。
2)Appleは、2nmプロセスのSoCであるA20 Proを、「iPhone Duo」、「iPhone 18 Pro」および「iPhone 18 Pro Max」に採用した。A20 Proは6コアCPU、7コアGPUおよびデュアルNeural Engineを搭載し、性能と効率の向上を実現している。また、Appleはモデム「C2」に加え、7.6インチ画面とTouch IDを搭載した折りたたみ式モデル「iPhone Duo」も発表した。
◇Apple CEO John Ternus says the best AI device is still the iPhone―Apple folds privacy into upcoming Siri AI (9月9日付け TechCrunch)
→Appleの新たなトップであるJohn Ternus氏は、水曜9日に開催されたイベント「Surprise and Shine」の冒頭で、同社のAI戦略を明確に示した。その内容は、iPhoneはすでに市場で最高のAIデバイスであり、Appleは競合他社以上にデータのプライバシーを重視しているというものである。
この発言は、ティム・クック氏(現在は会長に就任)からターナス氏へとAppleの指揮権が引き継がれる中でなされたものであり、AI時代において同社がどのような競争を展開していくかという方針を鮮明にしている。AppleはAI専用の新たなハードウェアを開発するのではなく、消費者がこの新しい技術と関わる際の中心的な手段としてiPhoneを位置づけようとしている。
◇Apple、初の折りたたみ「iPhone Duo」36.4万円 全機種で再値上げ (9月10日付け 日経 電子版 05:31)
→米アップルは9日、スマートフォン「iPhone」で初の折り畳み型となる「Duo」を発表した。日本の価格は36万4800円から。同時に発表した上位機種「Pro」や2025年発売の既存機種など全機種で、国内向けでは7月に続いて値上げした。
Duoは10月16日から予約を始め、23日に発売する。米国向けは税抜き1999ドル(約30万7000円)。
◇折りたたみ「iPhone Duo」アプリ2つ同時操作 大きさパスポート並み―重さは254グラム、手のひらに収まるサイズ感 (9月10日付け 日経 電子版 11:44)
→米アップルは9日、米カリフォルニア州の本社で新製品の発表会を開いた。目玉は同社で初めてとなる折りたたみ型スマートフォン「iPhone Duo」だ。普段は通常のiPhoneを使っている記者が、発表会場でさっそく触ってみた。・・・・・
メモリ高騰を受けて、iPhone全機種値上げである。
◇iPhone全機種値上げ、強まる「固定客」頼み AI台頭で供給網支配に陰り―ビジネスTODAY (9月10日付け 日経 電子版 17:24)
→米アップルは9日、日本向けでは36万円台の折り畳み型のiPhoneを発表し、全機種で前モデルより値上げした。半導体メモリーなどのコストが膨らむ中での高価格シフトは、固定客頼みの部分が大きい。サプライチェーン支配には陰りが見える。
◇iPhone固定客頼み 全機種で値上げ、供給網支配に陰り (9月11日付け 日経)
→米アップルは9日、日本向けでは36万円台の折りたたみ型のiPhoneを発表し、全機種で前モデルより値上げした。半導体メモリーなどのコストが膨らむ中での高価格シフトは、固定客頼みの部分が大きい。サプライチェーン支配には陰りが見える。
「考え抜かれたデザインと画期的なエンジニアリングを、アップルにしかできない方法で融合させた」。1日のCEO就任後初めて登壇したジョン・ターナス氏は折りたたみスマホ「Duo」に自信を示した。
◇折りたたみiPhoneを体験――新CEO初プレゼンを読み解く AI機能の強化前面に/操作性・デザインに自信 (9月11日付け 日経)
→米アップルは日本時間10日(米国時間9日)、折りたたみ型スマートフォン「iPhone Duo」の発表会を開いた。1日就任したばかりのジョン・ターナス氏がCEOとして初めてプレゼンした。主要な発言を読み解く。
「AIは全く新しい体験を可能にする。その有用性が一段と高まるのは、AIが人々の生活とアプリ、製品をしっかりとつなぐ時だ。インテリジェントなパーソナルハブに世界で最も適している製品はiPhoneだ」・・・・・
◇iPhone Duoで広がる折りたたみ式、元祖「軽薄短小」の日本部材商機 (9月11日付け 日経 電子版 05:00)
→米アップルの折りたたみスマートフォンへの参入を機に、関連する部品や素材の商機が広がっている。日本のメーカーは「ガラケー」の時代から軽薄短小の技術を磨いてきた。高品質の部品の需要が拡大するとみて各社は開発や増産を急ぐ。
折りたたみスマホは薄い本体をつなぎ合わせ、折り曲げられるディスプレーを貼り付けて組み上げる。部品の実装スペースが限られるほか、一部では折り曲げへの耐性も求められる。
先んじるSamsungからの反応があらわされている。
◇Samsung braces for Apple's new foldable iPhone (9月11日付け Taipei Times)
→*攻勢を強めるサムスン:Appleの新製品発表会中、X(旧Twitter)上で「我々の残り物を温め直しただけ」「相変わらずの代わり映えのなさ」といった皮肉交じりの投稿を行い、同社を挑発した。
*サムスン電子は、Appleからの激しい攻勢を迎え撃つべく、折りたたみ式スマートフォンにおけるハードウェアの優位性と市場への早期参入をアピールするキャンペーンを展開している。
AI需要が圧倒する現在の市況の中での中国勢のランキング台頭が、CXMTおよびSMICについて次の通りである。
[CXMT]
◇Apple is reportedly exploring a Chinese memory supplier, and it's politically loaded―CXMT is targeting 300,000 DRAM wafers per month by year's end as it courts global customers (9月8日付け TechSpot)
→今後の展望:中国のDRAMメーカーであるCXMTは、生産規模を拡大し、より新しいモバイル向けおよび高帯域幅メモリ技術への進出を進める中で、Appleの新たなメモリサプライヤー候補としての地位を確立しつつある。高度なメモリ技術と大規模製造への投資により、CXMTは世界の電子機器メーカーにとってより信頼できる選択肢となっている。ただし、既存の業界リーダーに比べると規模ははるかに小さく、実績もまだ浅い。
◇中国メモリーCXMT、利益率82%で首位 売上高10倍 4〜6月、汎用品急騰で恩恵 投資余力伸び増産 (9月11日付け 日経)
→AI向けに需要が急増する半導体メモリーで中国勢がライバルを猛追している。7月に上場したCXMTは4〜6月期の営業利益率が82%に達し、大手の中で最も高かった。韓米日の企業が世界シェアの大半を占めてきたメモリー市場の構図を変えつつある。
韓国サムスン電子、同SKハイニックス、米マイクロン・テクノロジー(3〜5月期)、キオクシアホールディングス、米サンディスク、CXMTの4〜6月期決算を比較した。QUICK・ファクトセットや会社資料のデータを基に営業利益に相当するEBIT(利払い・税引き前損益)を用いた。
◇中国メモリーの利益率首位に 4〜6月期、CXMTは82%で韓国SK抜く (9月11日付け 日経 電子版 02:00)
→AI向けに需要が急増する半導体メモリーで中国勢がライバルを猛追している。7月に上場したCXMTは4〜6月期の営業利益率が82%に達し、大手の中で最も高かった。韓米日の企業が世界シェアの大半を占めてきたメモリー市場の構図を変えつつある。
◇CXMT is world’s most profitable memory company―CXMT reports record profitability in Q2 (9月11日付け Electronics Weekly (UK))
→*Quick FactSetのデータによると、CXMTの第2四半期におけるEBIT(利払い・税引き前利益)率は82%に達し、同社は世界で最も収益性の高いメモリ企業となった。
*HynixやSamsungがHBM(広帯域メモリ)への注力を強め、需要が急増する中でDDR5の生産を抑制した結果、DDR5の価格が急騰した。これに対し、CXMTはDDR5の生産を行っている。
また、HBMは主にハイパースケーラーとの年間契約で販売されるため市場変動の影響をほとんど受けないが、より広範な用途を持つDDR5は、その価格に市場の現状が直接反映される。
[SMIC]
◇SMIC Outgrows TSMC and Samsung With 20% Surge, Overtaking GlobalFoundries as World’s Third-Largest Foundry―SMIC surged 20% in Q2, becoming third-largest foundry ―Consumer Electronics Helped SMIC To Grow Revenue 20% In Q2, Shows Data (9月9日付け Wccftech)
→市場調査会社TrendForceの最新データによると、中国のSMICは第2四半期において最も急成長したファウンドリ(半導体受託製造企業)の一つとなった。同四半期に売上高を20%伸ばしたSMICは、GlobalFoundriesを大きく引き離し、売上高ベースで世界第3位のチップメーカーとなった。一方、台湾のTSMCは、その高度な製造プロセス技術と安定した収益を背景に、依然として首位の座を維持し、市場全体の72.5%のシェアを占めた。
そして、Huaweiは、中国が進める半導体製造装置の国産化において、重要な役割を担う存在として台頭しており、次の通りである。
◇[News] Huawei Reportedly Backs China’s DUV Drive, with 12 Systems Targeted by End-2026; SMIC Testing Underway (9月8日付け TrendForce)
→Huaweiは、中国が進める半導体製造装置の国産化において、重要な役割を担う存在として台頭している。フィナンシャル・タイムズ紙によると、中国政府が海外技術への依存低減を目指す中、同社は先端半導体製造装置向けの重要部品を開発する国内企業を支援している。その主要な取り組みの一つとして報じられているのが、上海を拠点とする装置メーカー「Yuliangsheng」との連携である。同社は中国初となる国産の先端DUV(深紫外線)露光装置を共同開発しており、関係者によれば、2026年末までに12台のDUV装置を生産する計画だという。
AI需要の熱気の中での市場の反応、今後の推移に、引き続き注目するところである。
激動の世界の概況について、以下日々の政治経済の動きの記事からの抽出であり、発信日で示している。
□9月8日(火)
中国の対米輸出黒字再拡大、米中の貿易摩擦の要因となる可能性である。
◇中国、8月対米輸出34%増 貿易黒字が再拡大で摩擦要因に (日経 電子版 15:56)
→中国税関総署が8日発表した貿易統計(ドル建て)によると、8月の米国向け輸出は前年同月比34%増の424億ドル(約6兆5700億円)だった。対米貿易黒字は再び拡大しており、米中の貿易摩擦の要因となりうる。
対米輸出は5カ月連続のプラスだった。貿易統計の速報段階で国・地域ごとの輸出品目の詳細は公表されないが、コンピューター関連などの電子機器や通信機器の出荷が堅調とみられる。
□9月9日(水)
月曜が休日で4日の取引、原油高で先週から4日連続で下げて、一服して上げて締める推移となった今週の米国株式市場である。
◇NYダウは続落し628ドル安 中東不安で原油高、一時94ドルを嫌気 (日経 電子版 05:49)
→8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、終値は3連休前の4日に比べ628ドル18セント(1.17%)安の5万2786ドル07セント(速報値)だった。中東情勢の悪化を受け米原油先物が上昇し、株式相場の重荷となった。半面、半導体などAI関連の一角は高かった。
米国とカナダの間の関税を巡る応酬である。
◇カナダ報復関税、米中間選挙の「激戦州」に影 共和の支持層狙い撃ち―中西部オハイオ州、最も影響大きく (日経 電子版 05:50)
→カナダが8日、米国の対カナダ関税に対抗する最大50%の報復関税を発動した。米経済への影響は限定的とみられるものの、製造業が集積し、共和党の支持層が多い中西部などでは影響が小さくない。カナダは11月の米中間選挙に向け「激戦州」を狙って揺さぶりをかけたとの見方もある。
◇トランプ政権、カナダの関税に対抗 酒類など禁輸・政府調達締め出し (日経 電子版 14:22)
→トランプ米政権は8日、カナダによる最大50%の対米報復関税に対抗措置を取ると発表した。カナダ産の酒類と乳製品、大型二輪車の輸入を禁止する。圧力を強めつつ、自動車関税引き上げのような過激な措置は避けて貿易交渉の進展を図る。
米国は8月、1930年関税法(スムート・ホーリー法)338条に基づき50%の対カナダ関税を発動した。
□9月10日(木)
◇NYダウ続落405ドル安 原油高や米長期金利の上昇が重荷 (日経 電子版 05:41)
→9日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比405ドル41セント(0.76%)安の5万2380ドル66セントで取引を終えた。米国とイランの戦闘激化を受けて原油先物価格が上昇し、投資家心理を冷やした。米長期金利の上昇も相場の重荷となった。
□9月11日(金)
◇NYダウ、続落し316ドル安 中東緊迫による原油高が重荷 (日経 電子版 05:47)
→10日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落し、終値は前日比316ドル56セント(0.60%)安の5万2064ドル10セントだった。中東の緊張が一段と高まったことで原油先物相場が上昇し、株式相場の重荷となった。ダウ平均は一時400ドルあまり下落した。
□9月12日(土)
◇NYダウ反発509ドル高、原油高が一服 ナスダックも上昇 (日経 電子版 05:36)
→11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反発し、終値は前日比509ドル19セント(0.97%)高の5万2573ドル29セントだった。原油価格の上昇が一服し、株式に買いが優勢となった。ダウ平均は前日に7月下旬以来の安値を付けていたため、自律反発を見込んだ買いも入りやすかった。
≪市場実態PickUp≫
【High-NA EUV関連】
最先端微細化を引っ張るインテル、TSMCおよびSamsung、そして欠かせないHigh-NA EUV露光装置を供給するASMLを巡る動き&内容が以下の通りである。TSMCも、2030年の量産開始に向けた導入をロードマップであらわしている。
◇Intel surpasses one million High-NA EUV wafers processed, outpaces the rest of the industry combined - company also trailblazing giant 6×12 photomasks to speed production and lower costs―Intel marks milestone with High-NA EUV wafer processing―Stitching to be used in the near term future with High-NA tools, but larger 6×12 photomasks envisioned. (9月8日付け Tom's Hardware)
→1)Intelは月曜7日、High-NA EUV露光装置を用いて300mmウェハを100万枚以上処理したと発表した。これは、最初の装置が組み立てられてから2年半足らずでの達成となる。当面は業界標準の6インチ・フォトマスクを使用する方針であるが、これらは26×16.5mmのハーフフィールド(露光領域の半分)しか露光できないため、より大きなチップを製造するには「フィールド・スティッチング(領域のつなぎ合わせ)」が必要となる。しかしIntelは、スティッチングなしで26×33mmのフルフィールドを露光可能にする、より大型の6×12インチ・フォトマスクの開発にも取り組んでいる。
2)Intelは、High-NA EUV(高開口数・極端紫外線)露光装置を使用し、2年半足らずで100万枚以上のウェハを処理した。同社はまた、スティッチングを不要にする6×12インチ・フォトマスクの開発も進めており、これによりスループットの向上と欠陥の低減を目指している。
◇ASML and TSMC to lead transition to 12-inch photomasks for High-NA EUV―ASML, TSMC to team up on shift to 12-inch photomasks (9月8日付け Electronics Weekly (UK))
→1)ASMLとTSMCは、半導体業界における、より大型のEUVリソグラフィ用フォトマスクへの移行を主導するための共同の取り組みを発表した。
2)ASMLとTSMCは、High NAEUVリソグラフィ向けに12インチのフォトマスクを導入し、業界をその規格へと移行させるための取り組みを発表した。この提携により、半導体工場の生産性向上とチップ製造コストの低減が期待されている。ASMLの社長兼CEOであるChristophe Fouquet氏は次のように述べている。「デバイスの微細化ロードマップに沿ってHigh NA EUVの採用が段階的に進むと見込んでいる。当初は現行の6インチマスクを使用するが、その後、より高いスキャナー生産性を実現し、より小型・高速かつ省電力なチップへの需要に応えることを可能にする12インチマスクが導入され、さらなる支援が行われることになる。」
◇ASML and TSMC Announce Initiative to Pioneer Industry Transition to Large-Format Photomasks for High NA EUV (9月8日付け SEMICONDUCTOR DIGEST)
→TSMCとASMLホールディングは、半導体業界における、より大型のEUVリソグラフィ用フォトマスクへの移行を主導する共同の取り組みを発表した。
現行の6インチマスクを用いた生産にもHigh NA EUV技術は採用されるが、より大型の12インチマスクへ移行することで、ファブ(製造工場)の生産性向上、チップ製造コストの低減、そして「スティッチング」に伴う制約の解消が期待され、半導体業界全体に利益をもたらすことになる。これにより、先端チップメーカーはHigh NA EUVの利点を最大限に活用できるようになり、次世代の最先端チップのコスト効率向上が実現する。
◇[News] ASML Expands High-NA EUV Push with TSMC, Samsung and Intel; 12-inch Photomask Pilot Line Set for 2031 (9月8日付け TrendForce)
→TSMCは、先端ノードの商用化に向けたHigh-NA EUVの導入をまだ開始していないが、同社のプレスリリースによると、2030年の量産開始を目標とする同技術の明確なロードマップを本日提示した。
特筆すべきは、この動きが、12インチ・フォトマスクへの移行を加速させるべくASMLがTSMC、サムスンおよびインテルとの連携を拡大している中で進められているという点である。TSMCによると、このロードマップの下で各社は2031年までに12インチ・マスクのパイロットラインを構築することを目指しており、これにより2033年までに12インチ対応のHigh-NA露光装置を先端ノードの生産に導入するための道筋を整えるとしている。
◇[News] The Race to 2028: Samsung, SK hynix Set High-NA EUV Timelines for DRAM as Micron Stays Tight-Lipped−High-NA EUV to Boost DRAM Efficiency, HBM Edge (9月9日付け TrendForce)
→ASMLがTSMC、Intel、およびSamsungといった主要半導体メーカーと相次いで提携を発表し、現在の6インチ・フォトマスクからHigh-NA EUVシステム向けのより大型な12インチ・マスクへの移行を推進する中、主要半導体各社における採用ロードマップも明らかになりつつある。
特に、韓国メディア「M Today」の報道によれば、SamsungとSK hynixの双方が2028年までのDRAM生産への同技術導入を目指しており、同年はメモリメーカーにとって重要な転換点となる可能性がある。
◇ASML wins over TSMC, Samsung for EUV machines as AI demand surges (9月9日付け Taipei Times)
→ASMLホールディングスは、最新の半導体製造装置を大手半導体メーカー各社から採用する確約を獲得するとともに、より高性能なAI技術への需要急増に対応するための包括的な契約締結に着手した。
TSMCとサムスン電子は、それぞれ2030年と2028年までに、ASMLのHigh-NA EUVリソグラフィ装置を大量生産に導入する計画だ。これにより、1台$400 millionにも上る同装置を既に導入しているインテルに続くことになる。
【Nvidia関連】
大幅増加の株式投資額、そしてAIスターアップ、HuggingFaceの買収について、以下の通りである。
◇Nvidia's investments grow to $99 billion as chip giant becomes major backer of AI companies (9月4日付け CNBC)
→*NVIDIAの株式投資額は7月26日時点で$99 billionに達し、AI分野全体で資金提供を拡大していることから、前年比で大幅に増加した。
*投資先は、OpenAI、CoreWeaveおよびNebiusなど、最先端AIを開発する研究所、クラウドプロバイダーおよびインフラ企業に及んでいる。
*同社は、これらの投資がエコシステムの拡大、成長機会の創出、そして競争力の強化を目的としていると説明している。
◇Nvidia to buy AI start-up Hugging Face for US$13bn (9月5日付け Taipei Times)
→Nvidiaは、AIスタートアップのHugging Faceを約$13 billionで買収することで合意した。これにより、同社のAI帝国に人気の高いソフトウェアプラットフォームが加わることになる。
木曜3日に発表された声明によると、買収額には、Nvidiaに加わるHugging Faceの従業員を対象とした、最大$1 billion規模の株式ベースの定着支援プログラム(リテンション・プログラム)が含まれている。
◇Nvidia Acquires HuggingFace for $12.9B (9月7日付け EE Times)
→*オープンソースのモデルハブが、世界最大のコンピューティング・プロバイダーに買収されることになった。
*NvidiaはHuggingFaceを$12.9 billionで買収した。絵文字に由来する名前を持つこのスタートアップは、2016年に3人のフランス人起業家によって設立された。同社は現在、オープンソースのAIモデル、データセット、および関連ソフトウェアライブラリの主要なrepository(物や情報をまとめて保管しておく場所[貯蔵庫・保管庫])としての地位を確立している。
この買収を発表する記者会見の席で、NvidiaのAIソフトウェア担当バイスプレジデントであるJustin Boitano氏は、HuggingFaceが提供するサービスの「中立性」に関する数多くの質問を受けることとなった。
【TSMC関連】
8月の売上高が4カ月連続で過去最高を更新、1.4-nmプロセスの生産が来年、2027年4月に開始の可能性、など最先端を主導する動き&内容が、以下続いている。
◇No shortcut to excellence in chips: TSMC executive (9月8日付け Taipei Times)
→TSMCの幹部である秦永沛氏は昨日、台湾で最も権威ある産業技術関連の賞の一つを授与された際、半導体製造において卓越性を追求する道に「近道はない」と述べた。
TSMCの執行副総経理兼共同COOを務める同氏は、新竹県竹東鎮で開催された授与式において、工業技術研究院(ITRI)の栄誉ある受賞者として選出・表彰された。
◇TSMC's market share edges higher (9月10日付け Taipei Times)
→*ファウンドリ関連データ:TrendForceの調査によると、需要拡大によりTSMCの一部生産ラインはフル稼働状態となった一方、サムスンの市場シェアは5.9%に低下した。
*市場調査会社TrendForceが昨日発表したデータによると、TSMCのファウンドリ市場シェアは、AIおよびスマートフォン向けチップの好調な売上に牽引され、第2四半期には前四半期の72.3%から72.5%へとわずかに上昇した。
◇TSMC August 2026 revenue jumps 53.3% as AI chip demand drives record growth―TSMC sees record revenue growth driven by AI chip demand (9月10日付け DigiTimes)
→TSMCが8月に好調な売上高の伸びを報告し、AI関連の半導体需要が引き続き勢いづいていることを浮き彫りにした。同社の連結売上高は5,148億1,000万台湾ドルに達した。
◇TSMC売上高53%増 8月最高、新型iPhoneに採用 (9月10日付け 日経)
→半導体大手のTSMCが10日発表した2026年8月の売上高(速報値)は前年同月比53.3%増の5148億600万台湾ドル(約2兆5000億円)だった。単月として過去最高を更新した。AI需要に加え、先端半導体を搭載するスマートフォン「iPhone」の新型の販売をひかえ、高い伸び率が続いている。
◇World’s largest contract chipmaker TSMC sees August revenue surge over 53% to record high (9月10日付け CNBC)
→*売上高は前年同月比で53%超、7月比でも10%超増加した。
*世界最大の半導体受託製造企業は、AI向け半導体の旺盛な需要による恩恵を継続的に受けている。
◇[News] TSMC August Revenue Tops NT$500B for First Time, Sets Record for Fourth Straight Month (9月10日付け TrendForece)
→TSMCの2nmプロセスで製造された「A20 Pro」チップを搭載する「iPhone Duo」および「iPhone 18 Pro/Pro Max」の投入は、同社のファウンドリ・パートナーであるTSMCに大きな追い風となっている。
TSMCの発表によると、同社の8月の売上高は5,148億台湾ドルに達し、前月比10.1%増、前年同月比53.3%増という過去最高を記録した。
『経済日報』の報道によれば、TSMCの8月の売上高は4カ月連続で過去最高を更新したほか、月間売上高が初めて5,000億台湾ドルを突破した。
◇TSMC Reportedly Accelerates 1.4nm Production to April 2027, Pulling its Most Advanced Chips a Full Year Ahead of Schedule―Reports: TSMC to begin 1.4nm chip production in April―TSMC Submits Application To Build Two Temporary Offices At Taichung 1.4-nanometer Facility, Says Report (9月10日付け Wccftech)
→1)台湾メディアの報道によると、TSMCの次世代1.4nmプロセスの生産が4月に開始される可能性がある。「14A」ノードとも呼ばれるこの1.4nmプロセス技術は、同社の2nm技術の後継となるものである。詳細によれば、台中にあるTSMCの1.4nmプロセス向け施設では、2027年4月に試作が開始され、同年下半期には量産が始まる見通しである。
2)報道によると、TSMCは1.4nmチップの生産スケジュールを前倒ししており、試作を4月に、量産を同年下半期に開始する予定である。これは当初の計画より1年前倒しとなる。現在、台中での施設建設が進められており、最初の2つの工場は2027年10月までに完成する見込みである。
◇[News] TSMC's Taichung 1.4nm P1, P2 Fabs Could Begin Mass Production in 2027, Ahead of 2028 Plan (9月10日付け TrendForece)
→TSMCは、台中にある中部科学園区拠点の第2期拡張計画を着実に進めている。『工商時報』によると、中部科学園区管理局のWang Chun-chieh(王永壮)局長は9月9日、同拡張エリアに1.4nmプロセス対応の工場を4棟建設する計画であることを明らかにした。現在、第1工場では床スラブの施工が進められており、2027年4月の完成・生産開始が見込まれている。
一方、第2工場では基礎工事が行われており、2027年10月の完成が予定されている。
【Kioxia関連】
フラッシュメモリを引っ張る一角のKioxiaについて、内外の動きである。
◇Kioxia’s Flash-for-DRAM Initiative Eyes AI Workloads―Kioxia offers CXL module to boost memory capacity in AI (9月7日付け EE Times)
→1)*CXL接続のメモリ拡張技術には、AI演算デバイスと組み合わせて高速処理を行うよう最適化されたNANDフラッシュが採用されている。
*キオクシアは、AIワークロード向けのメモリの一部をDRAMからフラッシュに置き換えるという野心的な目標の実現に向け、一歩前進した。同社は東京で開催された説明会において、処理速度を大幅に向上させた特殊なNANDチップ「XL-Flash」をベースとするCompute Express Link(CXL)モジュールを公開した。
2)キオクシアは、AIワークロードにおけるDRAMの一部を置き換えるため、特殊なNANDチップである「XL-Flash」を採用したCXLモジュールを投入した。このモジュールは、同等のコストでメモリ容量を倍増させ、性能を30%向上させることを目指している。
◇Kioxia Holdings says SK Hynix tie-up not happening (9月10日付け Taipei Times)
→キオクシアホールディングスのトップは、競合相手であり出資者でもあるSKハイニックスとの連携を深める可能性を否定する一方、急騰するメモリ価格を抑制し、AI関連の長期的な需要を損なわないようにすると明言した。
メモリチップメーカー各社は、AIサービス事業者からの注文急増に対応するため、巨額の費用を投じて生産能力の増強に乗り出している。こうした注文の急増は、価格を2桁、あるいは3桁もの上昇率で押し上げる要因となっている。SKハイニックスの親会社であるSK社の会長を含む投資家らは、製造面での提携が、必要とされる巨額の設備投資に伴うリスクを低減する助けになる可能性があると指摘している。
【OpenAI関連】
Samsungとの連携にはじまって、AIによる難問打開、AI懸念を巡る動き、と席が温まらない様相を感じる以下の内容である。
◇Samsung Boosts OpenAI Partnership With Next-Gen AI Chips―OpenAI, Samsung collaborate on next-gen chip development―OpenAI says Samsung is part of its AI chip effort (9月9日付け SammyGuru)
→OpenAIはサムスン電子と協力して次世代チップの開発に取り組んでおり、半導体や企業向けAIサービスの分野で同社との連携を拡大している。この取り組みは、今年同社初の独自AIチップ「Jalapeno」を発表したことに続く、AIインフラ強化に向けたOpenAIの広範な戦略の一環である。
◇OpenAI says working with Samsung on next-generation chips, deepening cooperation (9月9日付け Reuters)
→*OpenAI、チップ開発の共同研究を通じてサムスンとの連携を強化
*ChatGPT開発元、メモリチップ需要の継続的な拡大を見込む
*OpenAI、韓国のチップ供給網との連携を強化
◇[News] OpenAI Says It Is Working with Samsung on Next-Gen Chips; Ties Could Expand Beyond Memory (9月9日付け TrendForce)
→OpenAIは独自のAI向け半導体開発を加速させており、同社の半導体戦略においてサムスンが果たす役割が拡大する可能性がある。ロイター通信によると、OpenAIコリアのゼネラルマネージャーであるHarrison Kim氏は、OpenAIの次世代半導体の製造と研究に関する両社の連携が大きく進展したと述べたが、サムスンの具体的な役割については明らかにしなかった。
◇OpenAI、「ミレニアム懸賞問題」の数学難問をAIで解決と発表 (9月9日付け 日経 電子版 18:47)
→米オープンAIは8日、90年以上未解決だった数学の難問を解決したと発表した。自律的に動く約1万体のAIエージェントを使って解いた。オープンAIは「数学者とAI研究者による多大な努力の結晶だ」としている。
オープンAIによると、開発中で未公開のAIモデルを使って9月1日から約88時間かけて難問を解いた。約1万体のAIエージェントを稼働して連携させた。
◇‘Extinction’ warnings ramp up as more OpenAI, Anthropic researchers join calls for an AI slowdown (9月10日付け CNBC)
→*自己改善を行うAIとそのリスクをめぐる議論が高まる中、OpenAIやAnthropicの研究者らは、AI開発のペースを緩めるよう公に求めている。
*懸念の多くは、高度なモデルが自らの性能を向上させる能力を飛躍的に高めている点――いわゆる「再帰的自己改善」と呼ばれるプロセス――に向けられている。
*さらに、ここ数ヶ月の間に悪意あるAIモデルによるサイバー攻撃やセキュリティ侵害が相次いでいることも、懸念に拍車をかけている。
◇OpenAI、金融機関向けのChatGPT 市場調査やプレゼン資料作り代行 (9月11日付け 日経 電子版 04:43)
→米オープンAIは10日、投資銀行など金融機関の業務に特化したAIサービスを始めると発表した。金融系の調査会社とのデータ連携が組み込まれており、AIが財務分析や市場調査を代行する。プレゼン資料やリポートも作成する。
◇アンソロピックで抗議の退社、OpenAI社員も同調 AI開発加速を懸念 (9月11日付け 日経 電子版 06:19)
→米アンソロピックの研究者が高度なAI開発に突き進む自社の危険性に抗議して退社した。10日までに同社やオープンAIの社員に同調する声が広がり、ネット上で高度AI開発の是非について論争を巻き起こしている。
アンソロピックのAI研究者、ジェイコブ・コクソン氏は8日に辞職したと明かした。
【価格&数量動向関連】
メモリ半導体価格の高騰、それを受けた機器の値上げ&出荷数量と、現況が以下の通りである。
◇Q2 DRAM contract price up 59.5% QoQ―Report: DRAM contract prices surge, boosting Q2 revenue (9月8日付け Electronics Weekly (UK))
→TrendForceの報告によると、第2四半期のDRAM契約価格は前期比59.5%上昇し、DRAMの四半期売上高は$154.73 billion近くに達した。
◇Intel Expected To Raise Its CPU Prices By Up To 10% In Early October, Prioritizing Profitability―Intel likely to raise CPU prices up to 10% in Oct., reports say (9月8日付け Wccftech)
→*Intelは新たな事業戦略への移行を進めており、一部の「小規模」なコア製品の提供を終了しつつ、利益率の高いCPUsを優先する方針であると報じられている。
*Intelは今後、利益率の低いチップから、より高い利益をもたらすCPUsへと重点を移していく模様である。
◇HDDが最高値更新、7〜9月15%高 SSD代替と中国需要で (9月8日付け 日経 電子版 11:00)
→パソコンなどのデータを保存するハードディスクドライブ(HDD)の値上がりが続いている。7〜9月期の指標品の大口取引は6四半期連続で上昇し、過去最高値を更新した。高騰が続く記憶装置ソリッド・ステート・ドライブ(SSD)からの代替需要に加え、中国市場の底堅さもあって需給が逼迫している。
◇Global notebook shipments tipped to drop 8%, MIC says (9月10日付け Taipei Times)
→Market Intelligence and Consulting Institute(MIC:市場情報・コンサルティング研究所)は火曜8日、今年のノートパソコンの世界出荷台数が、需要の低迷、部品価格の高騰および供給制約を背景に、前年比8%減の1億6790万台になるとの見通しを示した。
MICの副所長であるEdward Lin氏は、台北での記者会見で、来年は小売価格の上昇が消費の重荷となり、出荷台数がさらに4.7%減少して1億6000万台になると予測した。


