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米中それぞれの半導体製造国内完結の現時点;インテル、CXMT、他関連

AI(人工知能)ブームによる半導体業界のいろいろな切り口へのインパクトが引き続くなか、半導体製造の国内での完結を目指している米国および中国それぞれの現時点に、逐次注目を要するところである。米国政府が大株主であるインテルは、「18A」プロセスの歩留まり向上、そしてTSMCへの依存を減らす製品製造の取り組みがあらわされている。AppleとBroadcomの提携で、顧客拡大の可能性も見えてきている。片や中国では、DRAMメーカー、ChangXin Memory Technologies(CXMT)の台頭に注目、Micron Technologyの生産能力に匹敵する規模の展望&取り組みがあらわされるに至っている。
一層の見直しを要する現況について、他の関連とともに以下示している。

≪異次元の伸びに迫られる進展≫

まずは、インテルについて、項目別に示していく。

[「18A」]

◇Intel Brings 18A Silicon To Orbit With Starfire, A Space-Grade SoC Rated For 125°C And Radiation―Intel unveils Starfire SoCs with space-grade durability (7月13日付け Wccftech)
→Intelは、18Aプロセス技術を採用した宇宙グレードのSoC「Starfire」を発表した。これらのSoCsは、8コア構成、高度なAI処理能力、およびマルチチップ構成の「Foveros」パッケージを特徴としている。また、耐放射線性を備え、極端な温度環境下でも動作可能である。

◇Intel Leverages ASML’s High NA EUV Technology To Produce 18A Panther Lake Chips―ASML's High NA EUV Enters High-Volume Logic Production With Intel's "18A" Panther Lake Chips (7月15日付け Wccftech)
→ASMLは、Intelが同社の最先端「18A」プロセスノードで「Panther Lake」チップを製造するにあたり、ASMLのHigh NA EUV技術を活用していることを確認した。
 ASMLは本日、同社初のHigh NA EUV露光装置「EXE」がIntel Foundryに導入され、Panther Lake(18Aプロセス)製品の初期製造に使用されていることを発表した。このHigh NA EUV露光装置の第1号機は、2024年にオレゴン州ヒルズボロの研究開発拠点に導入された。これによりIntelは、第2世代機である「TWINSCAN EXE:5200B」を導入し、受入試験を完了させた最初の企業となった。

◇[News] Intel Might Build Up to 90% of Nova Lake Compute Tiles on 18A, Scaling Back TSMC’s Planned Role (7月15日付け TrendForce)
→Intelは「18A」プロセスの歩留まり向上に伴い、「Nova Lake」のコンピュート・タイル生産の80〜から90%をIntel Foundry(自社ファウンドリ部門)へ移管し、TSMCへの依存度を低減させる方針であると報じられている。顧客の獲得やEMIBパッケージング技術への需要拡大も伝えられており、この動きはIntelのファウンドリ事業強化に向けた取り組みを後押しする可能性がある。

◇Intel qualifies High-NA EUV for Panther Lake; ASML preps TSMC and Samsung for next wave―Intel first to use ASML high-NA EUV in Panther Lake chips (7月15日付け DigiTimes)
→1)ASMLは7月15日、Intel Foundryが業界で初めて、High-NA EUV(高開口数極端紫外線)リソグラフィを用いて製造されたロジック製品を量産出荷したことを確認した。これは、同社の装置が商用利用の段階に達したことを示す重要な節目となる。
 2)Intelは、ASMLのHigh-NA EUVリソグラフィ技術を量産に採用した初の企業となり、同技術を活用して「18A」プロセスノードで「Panther Lake」チップを製造している。この成果は両社の緊密な連携を裏付けるものであり、半導体製造におけるHigh-NA EUVのさらなる普及に向けた道を開くものである。

◇Intel may shift Nova Lake compute tile production to Intel Foundry―Intel could boost Nova Lake production at own foundry (7月16日付け New Electronics (UK))
→Intelは、同社の「Nova Lake」プロセッサ向けコンピュートタイルの大半を自社で製造することを検討していると報じられている。これは、当初計画していたTSMCへの依存からの方針転換を意味する。この動きは、歩留まりが改善した同社の「18A」プロセス技術に対する自信の表れと言える。移行には課題も伴うが、実現すれば、Intelの業績回復戦略および製造分野における主導権の確立に向けた重要な節目となるであろう。

[顧客]

◇Apple’s $30B Broadcom Deal Signals Expansions in AI, U.S. Supply Chain (7月10日付け EE Times)
→1)*AppleによるBroadcomへの$30B規模の投資は、AIデータセンターや米国の半導体製造を自社の事業圏に引き込む動きであり、Intelに起死回生のチャンスをもたらす可能性もある。
  *EE Timesの取材に応じたアナリストらによると、今週発表されたBroadcomとの$30 billion規模の契約は、Appleがデータセンター事業へと領域を拡大していることを示すとともに、米国のサプライチェーン強化やIntelにとっての新たなビジネスチャンスにつながるものだという。Appleは7月8日、Broadcomとの間で、Apple製品向けのカスタムシリコン(独自設計チップ)の製造および無線接続技術の供給に関する複数年契約を締結したと発表した。
 2)Appleは、カスタムチップや無線コンポーネントを確保するため、Broadcomと$30B規模の契約を締結し、米国での製造強化をさらに進める。この提携により、BroadcomのFort Collins拠点が強化され、雇用の創出や数十億個規模のチップ生産が実現するとともに、米国のサプライチェーンが強固なものとなる。

◇Apple Expands Broadcom Partnership with $30B Commitment for US-made Wireless Chips (7月13日付け EE Times India)
→*Appleは、独自のワイヤレス・シリコン技術の米国での生産を拡大するため、Broadcomに対して$30 billion以上を投資する。
 *Appleは、同社製品向けのカスタム・シリコン・コンポーネントおよび高度なワイヤレス接続技術を開発・製造するため、Broadcomと$30 billionを超える新たな複数年契約を締結したと発表した。

[アイルランド拡張]

◇Intel puts $5.7bn into Leixlip―Intel invests $5.7B to expand Irish production (7月14日付け Electronics Weekly (UK))
→インテルは本日、アイルランドのレイクスリップにあるファブ34に$5.7 billionの設備投資を行い、インテル3プロセスに対応できるよう工場を改修すると発表した。

◇[News] Intel Pours 5B Euros Into Ireland Fab, Doubling Down on Intel 3 as Europe’s Most Advanced Chip Node (7月14日付け TrendForce)
→インテルは、アイルランドへの50億ユーロ規模の拡張投資により、ファウンドリ事業の復活を加速させている。この拡張により、現行および将来のXeon AIプロセッサ向けに、高度なIntel 3プロセスによる生産体制が構築される。この動きは、成熟したプロセスノードの製造に重点を置くTSMCの欧州戦略とは対照的だ。

◇After Magdeburg, Intel Builds on Ireland’s Existing Strength (7月15日付け EE Times)
→1)*レイクスリップはマクデブルクの代替にはなり得ないが、半導体工場、需要、そしてエコシステムが既に存在する場所で事業を拡大することの価値を示している。
  *インテルがドイツのマクデブルクに半導体メガファブを建設する計画を断念してから1年後、同社はアイルランドのレイクスリップ・キャンパスでの生産拡大に50億ユーロを投じることを表明した。この動きは、インテルが欧州での製造業から撤退した動きの逆転のように見えるかもしれない。しかし、レイクスリップはマクデブルクをアイルランドに移植したものではない。これは、半導体工場、労働力、インフラ、サプライヤー、そして製品需要が既に存在する場所で、高度な生産能力を増強するという、よりリスクの低い、異なるモデルを示している。
 2)インテルは、アイルランドのレイクスリップにある拠点を拡張するために50億ユーロを投資し、Xeonプロセッサーの生産、研究開発(R&D)、および製造能力を強化する。同社は、既存のインフラ、熟練した人材、そして成熟した半導体エコシステムを最大限に活用することで、成長の加速を目指す。

次に、中国。DRAMメーカー、CXMTの現状の動き&内容である。

◇Meet CXMT’s Zhu Yiming: the engineer building China’s answer to global memory-chip giants―CXMT founder Zhu Yiming's journey to memory chip success (7月13日付け South China Morning Post (Hong Kong))
→*シリコンバレーのガレージから中国最大のDRAMメーカー、そして$4.4 billionのIPOへ-CXMTが黒字化するまで、創業者である朱一明氏は報酬の受け取りを拒否していたと伝えられている。
 *世界の主要メモリーチップ・メーカーに対抗する中国の国産企業として設立されたCXMTが、2026年における中国で最も注目される新規株式公開(IPO)の一つを開始した際、その創業者である朱一明氏に大きな注目が集まった。
  木曜16日から申し込みが開始される上海での今回のIPOは、295億元($4.4 billion)の資金調達を目指している。一部のアナリストは、CXMTの時価総額が将来的には3兆元に達し、中国で最も価値のある上場テクノロジー企業の一つになる可能性があると予測している。

◇CXMT close to matching Micron's memory capacity in 2026, research claims - would put China on track to become world's second-largest DRAM producer―Report: CXMT to rival Micron in DRAM capacity by year-end (7月15日付け Tom's Guide)
→1)必要なのは、十分な数の液浸DUV露光装置だけである。
 2)Citrini Researchによると、CXMTは2026年末までに、Micron TechnologyのDRAM生産能力に匹敵する規模に達する見通しである。CXMTのウェハー投入量は月産35万枚に達すると予想されており、これはMicronの数値にあと2万5000枚と迫る水準である。中国政府は国内の供給不足を解消するため、CXMTに対し地元企業への技術共有を促しており、こうした動きにより、中国は2030年までに世界第2位のDRAM生産国となる可能性がある。

◇China’s Chip Champion to Raise Billions in Race for A.I. Control (7月15日付け New York Times)
 →1)中国が推進する国産AI技術開発の要であるCXMTは、上海市場でのIPOを通じて、最大で$10 billion近くを調達することを目指している。
  2)中国最大のメモリチップメーカーである同社は、技術の自立と世界的なAI開発競争での主導権確保という国家目標を推進するため、巨額の資金調達を行う大型IPOに踏み切る。CXMTは水曜15日に提出した資料の中で、投資家からの強い需要を受け、上海市場での公開価格を当初の想定から約2倍に引き上げたことを明らかにした。同社は最大で$9.8 billion相当の資金調達を目指している。

◇中国半導体のCXMT IPO、最大1.6兆円調達 (7月17日付け 日経)
→中国の半導体メモリー最大手、CXMTの親会社が、上海証券取引所のハイテク新興企業向け市場「科創板」への新規株式公開に伴い最大で666億元(約1兆6000億円)を調達する。

他関連する米国および中国それぞれの半導体国内製造完結に向けた動き&内容を以下取り出している。

[自立化]

◇Chinese chip start-up aims to build 5-nanometre equivalent chips without using EUV by 2029 (7月11日付け South China Morning Post)
→1)同社は、この生産ラインの稼働が、中国が推進する技術の自給自足に向けた重要な一歩であると述べている。
 2)中国の半導体スタートアップであるYuanjiweiは、2次元半導体向けの8インチ生産ラインを立ち上げた。これにより、シリコンチップに代わる技術の確立や、米国による製造装置の輸出規制の回避に向けた取り組みを前進させている。同社は、EUV露光装置を使用せずに、2029年までに5nm相当のチップを実現することを目指している。

◇Nvidia’s future challenger? Chinese start-up reveals aggressive AI chip road map―Chinese startup challenges Nvidia with AI chip strategy (7月14日付け South China Morning Post (Hong Kong))
→1)米国の制裁措置により先端リソグラフィーへのアクセスが阻害される中、上海に拠点を置くある企業は、チップの再設計と3Dメモリ積層技術によってボトルネックを打破しようと目論んでいる。
 2)中国の半導体スタートアップ企業である東方酸新(Dongfang Suanxin)は、ソフトウェア定義コンピューティングと3D積層型near-memoryアーキテクチャを用いて米国の輸出規制を回避することで、NVIDIAに対抗する計画を発表した。「我々は独自の道を切り開かなければならない」と創業者である魏少軍氏は語る。
 3)中国の新興企業である東方酸新は、ソフトウェア定義コンピューティングと3D積層メモリを用いて米国の輸出規制を回避するAIチップのロードマップを発表した。同社は今年中の量産開始を目指し、2027年までにNVIDIAのH200およびB300チップを凌駕する性能を実現することを目標としている。

◇[News] China’s Dongfang Suanxin Unveils HBM-Free 14nm AI Chip, Claims Higher Memory Bandwidth Than NVIDIA H200 (7月14日付け TrendForce)
→上海のスタートアップ企業である東方算芯(Dongfang Suanxin)は、14nmプロセスのAIチップ「DF1000」を発表した。同チップは、最先端の製造プロセスやHBM(広帯域メモリ)への依存を低減するため、ソフトウェア定義型のnear-memoryアーキテクチャ(データ移動に起因する消費電力の削減とメモリ帯域の活用を目的に、メインメモリの近くで演算を行う)を採用している。2026年後半の量産開始を目指すとともに、将来的にはNVIDIAに対抗するチップの開発も計画している。

◇[News] China’s Yuanjiwei Eyes 5nm-Equivalent Chips Without EUV by 2029, Debuts 2D Semiconductor Pilot Line (7月14日付け TrendForce)
→中国のスタートアップ、Yuanjiweiは、2次元半導体向け世界初の8インチ試作生産ラインを稼働させ、500nmプロセス開発キット(PDK)とファウンドリサービスを発表した。同社は2026年までに90nm相当の生産、2029年までにEUVを用いない国内5nmクラスのプロセス開発を目指している。

◇China startup claims world’s first 2D semiconductor pilot line―China startup Yuanjiwei touts 2D semiconductor pilot line (7月16日付け Electronics Weekly (UK))
→サウス・チャイナ・モーニング・ポスト紙の報道によると、上海を拠点とするYuanjiweiは、2次元半導体向けとして世界初を謳うパイロット生産ラインを構築した。
 同社は、500nm・8インチライン向けのPDK(プロセス設計キット)のバージョン0.1を公開し、ファウンドリ・テープアウト・サービスの提供を開始した。

[評論]

◇Taiwan, US not chip competitors, US researcher says (7月13日付け Taipei Times)
→米国の学者Michael Cunningham(マイケル・カニンガム)氏は、ドナルド・トランプ氏が主張する「台湾が米国の半導体産業を奪った」という見解に異議を唱え、両国は半導体分野における重要なパートナーであると論じている。同氏によれば、米国の設計技術と台湾の製造力は、競合関係にあるのではなく、互いに補完し合う関係にあるという。

[米国上場]

◇SK Hynix is a golden goose that has to lay more eggs (7月15日付け Taipei Times)
→1)SKハイニックスによる米国での過去最大規模(265億ドル)の上場が同社のAI向けメモリ分野における主導的地位を浮き彫りにする中、韓国の「Kパワー」が世界的な注目を集めている。同社が今後も利益を維持していくためには、政府の目標、米国事業の拡大、投資家の要求、そして業界特有のリスクといった諸要素のバランスを適切に図る必要がある。
 2)SKハイニックスによる米国での記録的な上場は、韓国の半導体産業の強さを浮き彫りにした。しかし、競争や市場サイクルの変動が激しさを増す中、AI向けメモリのリーダーである同社は今後、株主還元、政府の優先事項、グローバル展開、そして高まる個人投資家の期待のバランスをとりながら舵取りを行う必要がある。

[米国への投資]

◇TSMC Q2 revenue up 34% YoY; plans another $100bn investment in Arizona―TSMC to invest $100B more in US, bringing total to $265B (7月16日付け Electronics Weekly (UK))
→TSMCは、米国への追加投資として$100 billionを投じる計画を発表し、同国への投資総額は$265 billionに達することになる。この投資は、AI向け半導体の需要拡大に対応するため、アリゾナ州に新たに4つの半導体製造工場を建設する資金に充てられる。同社が発表した第2四半期の業績は、売上高が前年同期比33.7%増の$40.2 billion、利益が同77%増の$22 billionであった。

◇TSMC Stacks its US Pledge to $265 Billion Amidst AI Chip Demand to Build Four New Arizona Plants (7月16日付け Wccftech)
→*TSMC、米国への投資額を増額へ-資金投入は「市場動向」次第
 *TSMCは、米国に$100 billionを追加投資する計画であることを、本日の決算説明会で明らかにした。世界最大の半導体受託製造企業である同社は、今回の発表以前にも米国での半導体製造に$165 billionを投資すると表明していまた(内訳はバイデン政権下で$65 billion、トランプ政権下で$100 billion)。

◇TSMC Announces Additional $100 Billion Investment In Arizona (7月16日付け City of Phoenix)
→TSMCはアリゾナ州に$100 billionを追加投資し、計10カ所の工場、先端パッケージング施設、およびR&Dセンターを対象とする同社の総投資額を$265 billionに引き上げる。この事業拡大は、米国の半導体製造能力を強化し、数千人の雇用を創出するとともに、サプライチェーンの強靭性を高めるものである。

◇TSMC to invest additional $100 billion in Arizona after second-quarter profit soars 77% (7月16日付け CNBC)
→1)*TSMCの利益は前年同期比で77%以上、前四半期比でも23%以上増加した。
  *同社は第3四半期の売上高を$44.6 billionから$45.8 billionの範囲と予想している。
  *四半期の売上高と利益はいずれも市場予想を上回った。
 2)TSMCが発表した第2四半期の利益は77.4%の大幅増となり、AI向けチップの需要急増が記録的な業績を牽引したことで市場予想を上回った。同社は年間設備投資予算の引き上げやアリゾナ州での計画拡大に加え、第3四半期の好調な売上高見通しを発表し、AI主導の持続的な成長に対する自信を改めて示した。

◇半導体の巨人TSMC、対米投資43兆円に膨張 計画額6年で20倍超 (7月17日付け 日経 電子版 11:00)
→半導体大手、TSMCの米国製造拠点の拡大が続く。16日には1000億ドル(約16兆円)の追加投資を発表。公表済み対米投資は計2650億ドル、日本円換算で約43兆円となった。2020年の第1工場発表から6年余りで22倍に膨張した。

以下にも、AIの先陣を切る米中の凌ぎ合い関連が出てくるが、日進月歩の半導体関連の進展が一層煽られる雰囲気を感じるところである。引き続き注目である。


激動の世界の概況について、以下日々の政治経済の動きの記事からの抽出であり、発信日で示している。

□7月14日(火)

利上げ観測が後退して上げる一方、AIおよび半導体関連の先々懸念の弱気から下げる動きとなっている今週の米国株式市場である。

◇NYダウは反落し138ドル安 原油高や金利上昇嫌気、半導体関連が急落 (日経 電子版 05:29)
→13日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、終値は前週末比138ドル37セント(0.26%)安の5万2498ドル64セントだった。ホルムズ海峡の通航を巡る不透明感から米原油先物が上昇し、株式相場の重荷となった。半導体関連に売りが膨らみ、投資家心理の悪化につながった。

□7月15日(水)

◇NYダウ反発9ドル高、米利上げ観測が後退 金融株高支え (日経 電子版 05:44)
→14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、終値は前日比9ドル63セント(0.01%)高の5万2508ドル27セントだった。6月の米消費者物価指数(CPI)の発表後に早期の利上げ観測が後退し、株式に買いが入った。四半期決算を発表した金融株の一角が上昇したことも相場の支えとなった。

中国の4〜6月GDPが減速している。

◇中国、4〜6月実質GDP4.3%増 中東発の素材価格高騰で減速 (日経 電子版 11:20)
→中国国家統計局が15日発表した4〜6月の国内総生産(GDP)は、物価の変動を調整した実質で前年同期比4.3%増えた。1〜3月の5.0%増から減速した。中東情勢の悪化による資源や素材価格の高騰が直撃した。

□7月16日(木)

◇NYダウ、続伸し150ドル高 PPI低下で利上げ観測が一段と後退 (日経 電子版 05:35)
→15日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、終値は前日比150ドル37セント(0.28%)高の5万2658ドル64セントだった。同日発表の6月の米卸売物価指数(PPI)は市場予想を下回った。米連邦準備理事会(FRB)による早期の利上げ観測が一段と後退し、株式の買いにつながった。

□7月17日(金)

AI投資の国別現況を見ても同様の感じ方があるが、株式市場でも米国に一層向かう様相の反映か。

◇米国株23時間取引、12月6日開始へ 世界のマネー集中で「大リーグ化」 (日経 電子版 05:31)
→米国市場に上場する株式の23時間取引が12月6日に始まる。最大のハードルとみられていた証券取引所間をつなぐ情報インフラの稼働延長に米当局の承認が出た。日本時間の日中に米国株を売買しやすくなる。世界中の才能を集める米大リーグのように、マネーや優良企業が母国市場を素通りして米国に向かう動きが加速する可能性がある。

◇NYダウ、反落105ドル安 半導体・AI銘柄に売りでナスダック1.4%安 (日経 電子版 05:41)
→16日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落し、終値は前日比105ドル67セント(0.20%)安の5万2552ドル97セントだった。半導体関連やAI銘柄の一部に売りが広がった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も3日ぶりに反落し、1.4%安だった。
 半導体受託生産のTSMCの米預託証券(ADR)が下落した。

□7月18日(土)

◇NYダウ平均、AI関連など売られ2日連続の値下がり…終値は406ドル安の5万2146ドル (讀賣新聞オンライン 05:32)
→17日のニューヨーク株式市場で、ダウ平均株価(30種)の終値は前日比406・55ドル安の5万2146・42ドルだった。2日連続の値下がり。
 中国とのAI開発競争が激化するとの見方から、半導体大手エヌビディアやIT大手アルファベットなどのAI関連銘柄が売られた。中東情勢の悪化で原油先物価格が上昇したことも相場の重荷となった。


≪市場実態PickUp≫

【WAIC 2026】

World Artificial Intelligence Conference (WAIC) 2026(7月17-20日:上海)には習近平国家主席も出席、米中の神経質な最前線がうかがえる内容である。

◇Xi pitches China as AI partner to developing world, warns against risks and security overreach―Xi positions China as AI partner for developing nations (7月17日付け CNBC)
→1)*中国の習近平国家主席は、今後5年間で発展途上国に対し、AIに関する研修やセミナーの機会を5,000件提供すると表明した。
  *また中国は、ASEAN(東南アジア諸国連合)、アフリカ連合(AU)およびBRICSなどの地域・国際的な枠組みとのAI分野における協力関係も拡大していく方針である。
  *習氏はAIガバナンスにおいて「人間中心」のアプローチを求め、AIは「安全かつ制御可能」であるべきだと強調する一方で、自国の安全保障を他国に優先させることへの懸念も示した。
 2)習近平国家主席は、発展途上国にとってのAI分野における重要なパートナーとしての中国の立場を打ち出し、今後5年間で5,000件のAI研修機会を提供することや、ASEANやアフリカ連合といった枠組みとの協力を拡大することを発表した。上海で開催された世界AI大会で演説した習氏は、AIガバナンスにおける「人間中心」のアプローチを強調し、安全保障を過度に優先することに対して警鐘を鳴らした。

◇From humanoids to Huawei: what to watch as Xi attends China’s WAIC amid US AI rivalry (7月17日付け South China Morning Post)
→1)この会議では、モデルやチップからロボット、民生用デバイスに至るまで、AI技術のあらゆる階層で競争力を高めようとする中国の取り組みが披露される予定である。
 2)中国は「世界AI会議(WAIC)」の場を活用し、AIモデル、自律型エージェント、人型ロボットおよび国産チップなどを公開する。これにより、米国による半導体規制が続く中でも、技術の自立、産業用AI分野での主導権確保、そして世界的な影響力拡大を目指す同国の姿勢を強調する狙いがある。

◇中国AIショックで米ナスダック総合1.4%安 半導体株が弱気相場入り (7月18日付け 日経 電子版 05:28)
→17日の米国株式市場で幅広い主要テクノロジー銘柄が急落した。ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は続落して前日比1.4%安となった。下落率は2%を超える場面もあった。半導体株の「弱気相場入り」サインも点灯した。
 中国発のAIショックが市場を揺らした。米国の最先端AIモデルに性能面で肉薄するうえ利用料金も安い新モデルを中国企業が発表した。

◇中国AI・Kimiの衝撃、米専門家「アンソロピック最新型と僅差」―ディープシーク・ショック再来に警戒 (7月18日付け 日経 電子版 06:09)
→中国のAI新興、月之暗面(ムーンショットAI)の新型モデル「Kimi K3」の性能に米国の専門家の間で驚きが広がった。米アンソロピックの最新AI「フェイブル」を上回る性能には達しないものの、僅差に迫っていると受け止められた。


【半導体市場の激動】

メモリ半導体事業に従事した間、折に触れ耳にした「メモリは麻薬」というフレーズである。AIインパクトを受けて異次元の伸び、メモリはじめ尋常でない価格高騰、以前より増幅された響きのフレーズとなっている。以下、関連する動き&内容から。

◇Micron’s massive profits are a guarantee of trouble (7月12日付け Taipei Times)
→1)DRAMやHBMの価格が高騰する中、大手メモリメーカーが顧客を収益性の高い長期契約に縛り付けているため、スマートフォン、PCおよび自動車メーカーが圧迫されている。
 2)AI需要の拡大とメモリ不足による価格高騰を背景に、マイクロン、SKハイニックスおよびサムスンの各社は記録的な利益を上げている。これら半導体大手は、2028年まで続く急激な需要増に対応すべく生産能力を拡大する一方で、顧客からの反発、規制当局による監視、そして中国勢との競争といった課題にも直面している。

◇「半導体インフレ」消費冷やす メモリー6倍高騰、スマホ・PC年2億台減―ビジネスTODAY―型落ち品も値上がり (7月13日付け 日経 電子版 05:00)
→AI投資に端を発するメモリー半導体の高騰が、電子機器の値上げラッシュを招いている。スマートフォンは1年で平均94ドル(約1万5000円)上がり、世界出荷数は過去最大の減り幅だ。半導体価格の高騰は続く見通しで、AI投資によるインフレが消費を冷やす懸念が深まる。メモリー半導体のチップがインフレを引き起こす現象は、「チップフレーション」と呼ばれている。

◇キオクシア、株価4割安の現実味 迫りくる中国「YMTC」の脅威 (7月13日付け 日経 電子版 18:04)
→AIラリーの象徴、キオクシアホールディングスの株価が軟調だ。急騰の反動や韓国総合株価指数(KOSPI)の下落を背景に6月末比で2割強下がった。中長期では日本企業が何度も経験した「中国リスク」という新たな懸念材料も浮かぶ。13日の日経平均株価は3日ぶりに反落した。

◇半導体高騰、消費冷やす DRAM価格6倍に スマホ・PC出荷2億台減 (7月14日付け 日経)
→AI投資に端を発するメモリー半導体の高騰で、電子機器の値上げが相次ぐ。スマートフォンは1年で平均94ドル(約1万5000円)上がり、世界出荷数は過去最大の減少幅だ。半導体の高騰は続く見通しで、AI投資によるインフレが消費を冷やす懸念が深まる。
 「型落ち品のメモリーでもまだ値上がりするとは」。米西海岸に拠点があるスマホメーカーの担当者は、端末に使う安価なタイプのメモリーでも1年前より100ドル高くなったことに驚いた。生産委託先から発注のたびに値上げの通知を受けており、「まだ上がりそう」と警戒する。

◇メモリー株急落、米国市場に連鎖 高値から3割安に潜む3つの不安 (7月14日付け 日経 電子版 07:24)
→世界の株式相場をけん引してきたメモリー半導体株が調整局面にさしかかっている。13日、米国市場でも関連株が急落した。AI向け投資による価格高騰で、異例の好業績を享受するという株高シナリオに3つの不安材料が浮上している。
 世界のメモリー関連株を組み入れる米上場投資信託(ETF)「ラウンドヒル・メモリーETF」は13日、前週末比9%安と急落した。

◇Powerchip raising prices (7月15日付け Taipei Times)
→1)大幅な価格引き上げ:同社は、DRAM、電源管理ICおよびディスプレイ・ドライバーICの価格がいずれも上昇していると発表し、これによる利益拡大を見込んでいる。
 2)Powerchip(力晶積体電路製造)は、供給不足が続いていることを理由に、DRAM価格を45%引き上げるとともに、電源管理ICおよびディスプレイ・ドライバーICの価格を10〜15%引き上げた。同社は、利益率の向上、AI需要に牽引されたファウンドリ事業の成長、そして先端パッケージング能力の拡大が、今後の売上高の伸びを後押しすると見込んでいる。

◇シリコンサイクルは波形から階段状に メモリー市場、需給逆転で新段階―顧客側がキオクシア詣で―メモリー急騰の実相(上) (7月15日付け 日経 電子版 05:00)
→メモリー半導体の市場が転換期を迎えている。AI需要をけん引役として市場規模は1年でおよそ3倍に急拡大する。好不況の波を繰り返してきたシリコンサイクルから脱して成長を続ける新段階に移行するとの期待が高まっている。
 「ご希望の数量は出せません」。東京都港区のJR田町駅前のキオクシアホールディングス本社。同社の営業担当者は顧客の要求を断ることが増えている。

◇[News] China’s IC Export Value Nearly Doubles to US$177B in 1H26; Memory Price Boom Seen Behind the Surge (7月16日付け TrendForce)
→2026年上半期、中国のIC輸出額は前年同期比96%増の$177.3 billionに急増した。この伸びは、AI向けチップではなく、主にメモリ価格の高騰によるものである。DRAM価格の上昇が、成熟プロセス(レガシーノード)で製造されるメモリや汎用チップの輸出を押し上げ、輸出全体の拡大を牽引した。

◇サムスン半導体、驚異の営業益40兆円予想 巨額投資の裏に中国の猛追―新たな工場群、投資額は86兆円―メモリー急騰の実相(中) (7月16日付け 日経 電子版 05:00)
→AIで半導体需要が高まるなか、メモリー大手の業績が急拡大している。韓国サムスン電子の半導体部門の2026年営業利益は前期比15倍の40兆円規模と予想される。かつてない活況は続くのか。背後には中国勢の影が忍び寄る。
 6月29日、韓国大統領府(青瓦台)にメモリー半導体で世界首位を争う2社の経営トップが並び立った。

◇日経平均終値1915円安 メモリー関連株総崩れ、中国競合IPOが冷や水 (7月16日付け 日経 電子版 15:38)
→16日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に反落し、終値は前日比1915円(2.79%)安の6万6835円だった。下げ幅は一時2200円を超えた。前日の米国株式市場で半導体メモリー関連株が下落した流れを受け、主力のAIや半導体関連が総崩れとなった。

◇日本の半導体株、高値から2割安 TSMC好決算でも晴れぬ需給不安 (7月16日付け 日経 電子版 20:10)
→日本の株高をけん引してきた半導体関連株が失速している。代表的な指数は16日に前日比で8%下げ、高値からの下落率は2割を超えた。TSMCなどが相次ぎ好決算を発表するなかでも、相場の過熱感や値動きの荒さを嫌気した売りに押されている。

◇3 Reasons Why Micron Stock Keeps Falling―Micron stock faces pressure from ASML, ETF volatility (7月16日付け Barron's)
→マイクロン・テクノロジーの株価が木曜16日、再び下落した。同社は目覚ましい上昇を遂げた後、3つの異なる圧力に直面している。

◇上位iPhone40万円迫る? AIが招くメモリー争奪戦、王者Appleも苦心―売り手優位の好条件ずらり―メモリー急騰の実相(下) (7月17日付け 日経 電子版 05:00)
→データセンターに巨額投資する米テック大手がメモリー半導体を買い占めている。スマートフォンやパソコンに行き渡っておらず、最大の買い手の米アップルでさえ調達に苦心する。次世代iPhoneは最高40万円の価格設定が視野に入る。
 米マイクロン・テクノロジーは6月にデータセンターや消費者向け端末などの顧客と220億ドル(約3兆5500億円)の供給契約(保証分を含む)を結んだと発表した。

◇日経平均下げ幅歴代5位 キオクシア半値割れ、AI成長に疑念の連鎖 (7月17日付け 日経 電子版 15:31)
→17日の東京株式市場で日経平均株価が大幅に続落し、前日比2694円(4%)安の6万4141円で終えた。下げ幅は歴代5位の大きさ。取引時間中には4130円安まで売られる場面もあった。世界的にAI産業の過度な成長期待が後退し、高値警戒感が売りを促す展開となった。


【Nvidia関連】

NvidiaのCEO、Jensen Huang氏が来日、我が国政府&各社との連携が打ち上げられている。

◇NVIDIAと三菱重工、AIデータセンターで提携 次世代冷却技術で (7月14日付け 日経 電子版 16:00)
→米エヌビディアと三菱重工業がAIデータセンター技術で提携する。エヌビディアが整備する次世代拠点に三菱重工の冷却システムやエネルギー管理技術の導入を検討する。両社の技術を掛け合わせ、データセンターの電力消費や発熱の抑制につなげる。
 エヌビディアはAI開発に特化した次世代データセンターを「AIファクトリー」と位置づけ、世界各地のパートナー企業と新設を進める考え。

◇NVIDIA「国産AI」で稼ぐ 世界20カ国超に関与、日本にも半導体供給―9カ月ぶりの公式訪問、ノエトラ(Noetra:ソフトバンク・NEC・ソニーグループ・ホンダなど44社が出資し、経産省・NEDOから最大1兆円規模の支援を受ける国産フィジカルAI企業)との提携に注目 (7月15日付け 日経 電子版 07:00)
→米エヌビディアのジェンスン・ファンCEOが15〜16日に日本のイベントに登壇する。ソフトバンクなどでつくるAI開発企業に半導体供給などをアピールするもようだ。同様の連携を世界の20カ国超で実施しており、各国の国産AIを次の収益源に見据える。

◇NVIDIAファンCEO、東京・神田の居酒屋で一杯 日本の取引先と懇親 (7月15日付け 日経 電子版 22:20)
→来日している米半導体大手エヌビディアのジェンスン・ファンCEOが15日夜、東京・神田の赤ちょうちんを掲げる居酒屋を訪れた。日本の取引先の幹部らと約2時間にわたり懇談したファン氏は「日本の半導体産業を盛り上げよう」と語った。
 ファン氏が訪れたのはJR神田駅近くのやきとんが売りの居酒屋だ。移動の車から降りたファン氏は、左右に居酒屋が立ち並ぶ20メートルほどの路地を歩いて店に入った。

◇エヌビディア「国産AI」照準 20カ国に関与、関連売上高3倍 日本にも半導体供給 (7月16日付け 日経)
→米エヌビディアのジェンスン・ファンCEOが15日、日本で開いた自社イベントに登壇した。16日にはAI開発企業に半導体供給などをアピールするもようだ。同様の連携を世界の20カ国超で実施しており、各国の国産AIを次の収益源に見据える。
 「国家の知能は国内で育成や強化しなければならない」。15日に開いた自社イベント後の報道陣の取材で、ファン氏は自国内でAIを開発・運用する「ソブリンAI」の重要性を強調した。AIがロボットなどを自律制御するフィジカルAIについて「日本にとっての好機だ」と述べた。

◇Fujitsu and leading Japanese robotics companies to use Nvidia technology in ‘physical AI’―Nvidia, Fujitsu partner on "physical AI" robots (7月16日付け The Associated Press)
→富士通はNVIDIAや日本の主要ロボット企業と連携し、人間と共存しながら自律的に動作する「フィジカルAI」ロボットの開発に取り組んでいる。この取り組みは、日本の人手不足への対応や高齢者介護の支援を目的としているが、技術の導入時期については現時点で未定である。

◇Nvidia and Japan unveil world's first national AI infrastructure - Noetra consortium to build a 140MW Rubin AI factory with 27,500 GPUs―Japan, Nvidia partner on national AI infrastructure―The state-backed buildout comprises 382 Vera Rubin NVL72 racks. (7月16日付け Tom's Hardware)
→日本とNVIDIAは、27,500基のGPUsと13,750基のCPUsを搭載した出力140メガワットの「AIファクトリー」を構築し、初の国家レベルのAIインフラを整備する提携を結んだ。ソフトバンク、ソニー、NECおよびホンダなどが参加するコンソーシアム「Noetra」の支援を受けるこの施設では、多岐にわたる用途に向けた大規模AIモデルの学習が行われる見込みである。Noetraの取り組みは、独自のAI(ソブリンAI)を開発し、信頼性の高い物理AI技術を世界へ輸出するという日本の目標において、中核的な役割を担っている。

◇Japan to Buy Nvidia Chips to Power Its AI Push―The announcement was made during Nvidia CEO Jensen Huang’s visit to Tokyo (7月16日付け The Wall Street Journal)
→日本政府は、国内でのAIエコシステム構築に向け、Nvidiaの次世代半導体を数千個規模で購入する計画を進めており、同社のチップが日本のAI推進の原動力となる見通しである。
 Nvidiaのジェンスン・フアンCEOの来日に合わせて発表されたところによると、巨額の政府資金を背景とした同社製AIチップ2万7500個の購入は、2028年に稼働予定のコンピューティング拠点の基盤となる。

◇経産省、「日本発AI」で勝ち筋 フロンティア戦略始動 (7月17日付け 日刊工業)
→経済産業省は16日、AIがロボットや機器を自律的に制御・駆動する日本発の「フィジカルAI」の実現に向け「フロンティアプロジェクト」を始動したと発表した。併せて、同プロジェクトでフィジカルAIの開発基盤「マルチモーダル基盤モデル」の開発を担うNoetraと産業技術総合研究所が、米エヌビディアとの提携を発表。同社の最新型GPUなどを導入し、開発に弾みを付ける。


【TSMC関連】

4-6月四半期の業績発表が行われ、AIブームに乗る絶好調の内容である。先行きの指標として、注目するところである。

◇TSMC Q2 revenue up 36% YoY―TSMC's Q2 revenue was up 36% on strong June sales (7月13日付け Electronics Weekly (UK))
→*本日、TSMCは第2四半期の売上高が前年同期比36%増の$39.6 billionであったと発表した。
 *6月の売上高は、前年同月比67.9%増、前月比6.2%増の$13.8 billionとなった。
  2026年上半期の総売上高は$74.99 billionで、前年同期比35.6%の増加となった。

◇TSMC to build 3 new packaging fabs in Chiayi Science Park's Phase II (7月13日付け Taipei Times)
→1)【テック・コリドー】TSMCは製造を通じて未来を切り拓こうとしており、嘉義科学園区における新たな「フェーズII」の拠点は、地域や国内の他の施設と連携して機能することが期待されている。
 2)TSMCは嘉義科学園区のフェーズIIに3つの先端パッケージング施設を建設し、AI半導体クラスターを形成する。この拡張は、増大するコンピューティング需要への対応、台湾の半導体供給強靭性の強化、雇用の創出、そしてパッケージング分野における世界的なリーダーシップの強化を目的としている。

◇世界株高占うTSMC・ASML決算 半導体需要旺盛ならAIラリー再開も (7月13日付け 日経 電子版 05:00)
→世界の株式相場に大きな影響力のある半導体株が持ち直している。短期的な過熱感に押されていたが、AIの成長期待でマネーが回帰。
 今週は世界大手であるTSMCとオランダ・ASMLホールディングの決算を控える。好調ならAIラリーが再開し、日経平均株価は再び7万円を目指す可能性がある。

◇TSMC売上高36%増 4〜6月、AI需要堅調 (7月14日付け 日経)
→半導体世界大手のTSMCが13日発表した2026年4〜6月期売上高(速報値ベース)は前年同期比36%増の1兆2703億台湾ドル(約6兆4150億円)だった。四半期ベースとして過去最高を更新した。
 AI向けサーバーに搭載される先端半導体が好調だった。4月に示した業績予想(会社の想定為替レートで1兆2363億〜1兆2743億台湾ドル)の上限に近い水準となった。

◇TSMC sales hit record on AI demand (7月14日付け Taipei Times)
→1)勢い:第2四半期の売上高は1兆2,700億台湾ドルに達し、6月の売上高は急増した。TSMCは2nmプロセスへの投資と米国事業の拡大に引き続き注力している。
 2)TSMCは、AIチップ需要の急増と先端ノードの好調な販売に牽引され、第2四半期の売上高が過去最高の1兆2,700億台湾ドルを記録した。同社は今後も成長が続くと見込んでおり、2nm技術と先端パッケージングへの大規模投資を計画し、競合他社に対するリーダーシップの強化を目指している。

◇TSMCで税収2倍、熊本・菊陽は長寿の町へ 半導体「地産地消」で変身―新生シリコンアイランド 成長の方程式(4) (7月16日付け 日経 電子版 05:00)
→半導体世界大手のTSMCが工場を置く熊本県菊陽町。
 2026年度の税収は147億円と、TSMCが進出を表明する以前の2倍となる見込みだ。地方交付税の不交付団体にもなり、更なる脱皮を試みている。

◇TSMCの4〜6月期純利益77%増 最高益を更新 (7月16日付け 日経 電子版 14:50)
→半導体世界大手のTSMCが16日発表した2026年4〜6月期決算は売上高が前年同期比36%増の1兆2703億台湾ドル(約6兆4000億円)、純利益は77%増の7065億台湾ドルだった。AI向け先端半導体の好調が続いている。
 売上高・純利益ともに四半期として過去最高を更新した。

◇TSMC、26年投資1割積み増し CEO「30年までAI需要強固」 (7月16日付け 日経 電子版 17:58)
→TSMCが設備投資にアクセルを踏む。16日、2026年の投資額を600億〜640億ドル(約9兆7000億〜10兆3000億円)と従来比1割近く積み増すと発表した。AI需要は強いとの見方から今後も投資規模を引き上げる方針だ。
 米アリゾナ州への1000億ドルの追加投資も公表した。公表済みの1650億ドルと合わせて総投資額は2650億ドルになる。

◇TSMC Boosts 2026 Expansion Budget, Adds $100B to U.S. Investment (7月17日付け EE Times)
→TSMCは、AI関連顧客からの需要急増に対応するため、2026年の設備投資予算を最大$64 billionに引き上げるとともに、米国での既存の投資計画に$100 billionを追加する方針を固めた。
 NvidiaやAMDといったチップ設計企業からのこうした需要を受け、TSMCは7月16日、2026年の設備投資予算を今年に入って再び引き上げ、$60 billionから$64 billionの範囲とすることを決定した。

◇TSMC lifts capex above US$64bn as AI use rises (7月17日付け Taipei Times)
→1)「近道は存在しない」-TSMCのC.C. Wei会長は、競合技術が開発から生産能力の構築、そして本格的な量産体制の確立に至るまでには、最大で7年を要するとの見解を示した。
 2)AI需要の急増を背景に、TSMCは2025年の設備投資額を$64 billion超に引き上げるとともに、米国への投資額を$265 billionへと拡大した。同社はまた、売上高見通しの上方修正やグローバルな生産体制の拡大を発表したほか、四半期利益で過去最高を記録した。


【ASML関連】

TSMC同様、AIブームに乗るASMLについて、直近四半期とともに本年度の売上高見通しが発表され、2度目の上方修正が行われている。装置販売価格の値上げもほのめかされているが、TSMCは懸念の反応の模様である。

◇ASML raises 2026 sales outlook as AI-fueled logic and memory demand accelerates―ASML raises sales outlook amid AI chip demand (7月15日付け DigiTimes)
→オランダのリソグラフィ大手、ASMLが発表した2026年第2四半期の純売上高は93億ユーロとなり、同社の予想を上回った。これは、AI主導による先端ロジックおよびメモリチップへの需要が続く中、顧客企業が生産能力の増強計画を加速させたことによるものである。

◇ASML、通期売上高見通しを上方修正 4〜6月期純利益は27%増 (7月15日付け 日経 電子版 15:20)
→オランダの半導体製造装置大手ASMLホールディングは15日、2026年12月期の売上高見通しを上方修正した。上限を400億ユーロ(約7兆4000億円)から450億ユーロへ引き上げた。AI関連投資の勢いが続いており、好業績を見込む。
 4〜6月期決算は売上高が前年同期比21%増の93億ユーロ、純利益は27%増の29億ユーロだった。

◇ASML shares fall after hiking sales forecast for second time this year on strong AI chip demand (7月15日付け CNBC)
→1)*オランダの半導体製造装置メーカーであるASMLは、2026年の業績見通しを今年2度目となる上方修正を行った。
  *TSMCなどの半導体メーカーは、AIブームに伴う需要に対応するため、生産能力の拡大を急いでいる。
  *ASMLのChristophe Fouquet CEOは、顧客企業が生産能力拡大の計画を加速させたことを受け、上半期の受注は「極めて好調」だったと述べた。
 2)AI向け半導体の需要急増を背景に、四半期決算が予想を上回る結果となったことを受け、ASMLは通期の売上高および利益率の予想を引き上げた。輸出規制や市場の不透明感が残る中、半導体メーカーが投資を加速させていることを踏まえ、同社はEUVおよびDUV露光装置の生産能力を拡大する計画である。

◇ASML raises outlook, eyes capacity lift (7月16日付け Taipei Times)
→1)【リソグラフィ装置】同社によると、需要の高まりを受けて顧客の支出が増加しており、インテルも同社の最先端装置の導入を開始したとのこと。
 2)ASMLは、AI関連の需要拡大により半導体製造装置の受注が伸びたことを受け、今年2度目となる通期売上高予想の上方修正を行った。同社はEUV露光装置の生産能力を増強する計画であり、四半期決算は予想を上回る結果となったほか、通期の利益率見通しも引き上げた。

◇ASML「経験ないほどの需要シグナル」 AI向け投資の先行きに自信 (7月16日付け 日経 電子版 02:40)
→AI向けの半導体投資の勢いが止まらない。オランダの半導体製造装置大手、ASMLホールディングは15日、2026年の売上高見通しを上方修正した。需要を満たすため、先端装置の生産能力を2年後までに約7割増やす。
 ASMLは26年12月期の売上高予想を430億〜450億ユーロとした。今期2度目の上方修正で、前期比32〜38%増を見込む。

◇ASML Raises Outlook, Plans More EUV Capacity (7月17日付け EE Times)
→*ASMLは、AI需要を受けて少なくとも2028年までリソグラフィの生産能力を拡大する計画を打ち出し、通期の業績見通しを引き上げた。
 *半導体製造装置メーカーであるASMLが発表した第2四半期決算は、同社の予想を上回る結果となり、これに伴い通期の業績見通しも上方修正された。
  こうした好調な業績は、業界団体SEMIの最新の予測とも整合している。同団体は、世界の半導体製造装置の売上高が2026年に前年比23.2%増の$165.9 billionに達し、過去最高を記録すると予測している。

◇ASML looks to increase prices of its Low-NA EUV tools beyond existing productivity-based model - company wants to capture the value of all the advantages its tools offer, not just wafer throughput improvements―ASML eyes higher prices for low-NA EUV tools―But maintain its value-based pricing approach. (7月17日付け Tom's Hardware)
→ASMLは、同社のLow-NA EUV露光装置が持つ利点の価値を最大限に反映させるため、現在の生産性に基づく価格設定モデルを超えて価格を引き上げる計画である。この動きによる価格への影響は2028年後半まで及ばないと見込まれているが、ASMLの最大顧客であるTSMCは、自社の設備投資や製造コストに及ぼし得る影響について懸念を表明している。

◇ASML mulling price hike that might hit TSMC, report says (7月17日付け Taipei Times)
→ASMLは、AI需要の拡大に伴う売上増を背景に半導体製造装置の価格を引き上げる方針を示したが、これに対しTSMCから反発を招いている。同社はまた、通期の売上高予想を上方修正するとともに生産計画を拡大し、最先端露光装置に対する旺盛な需要を指摘した。


【インド関連】

半導体、スマホなどインド国内での製造、そして付加価値の向上促進に向けたインド政府をはじめとする取り組みの動きが、以下の通りである。

◇India approves $13.3 billion for fresh semiconductor push (7月15日付け Reuters)
→1)インドは、半導体の設計、製造、およびR&Dを加速させるため、半導体支援策を1兆2800億ルピー規模に拡大することを承認した。同時に、携帯電話の製造拡大、国内調達の強化、そして約6万人の直接雇用の創出に向けて6250億ルピーを割り当てた。
 2)インドのAshwini Vaishnaw情報相は水曜15日、同国の主要な半導体支援策を拡充し、新たに1兆2800億ルピー($13.30 billion)を投入することを閣議決定したと発表した。政府の声明によると、この資金は知的財産やチップ設計の開発、製造工場の増設、およびR&Dの強化に充てられる。

◇India Pledges $20 Billion to Advance Chip, Smartphone Push (7月15日付け Bloomberg)
→1)インド、半導体・スマホの生産拡大へ$19.7Bを投入
 2)インドは、半導体とスマートフォンの国内生産を拡大するため、新たに1兆9000億ルピー($19.7 billion)を拠出すると表明した。これにより、同国は世界の製造拠点となることを目指す野心的な取り組みをさらに推進する。

◇India Notifies Polymatech’s Semiconductor SEZ in Chhattisgarh (7月15日付け EE Times India)
→*インド政府は、輸出志向の電子機器製造を促進し、国内の産業基盤を強化するため、Polymatech社の半導体関連SEZ(経済特区)を認定しました。
 *インド政府は、チャッティースガル州アタル・ナガル(ナヴァ・ライプール)における、Polymatech Electronics Ltd.の半導体および電子部品製造を目的とした経済特区を正式に認定した。

◇India Adds Pieces to Strengthen Its Electronics Supply Chain Puzzle (7月16日付け EE Times)
→インドの電子機器製造業は近年急速に成長しているが、その生み出す付加価値の多くは、依然として輸入部品や原材料に依存している。国内での付加価値創出割合が約18〜20%にとどまる中、同国の次の課題は、電子機器のサプライチェーンにおける製造の裾野をさらに拡大することにある。

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