25ヶ月連続の前年比販売高増の一方、本年販売高予測の下方修正
米国Semiconductor Industry Association(SIA)より月次世界半導体販売高発表があり、今回はこの5月についてであり、総額が$28.2 billionで前月比2.1%増、前年同月比5.1%増と高水準を維持している。前年比ではこれで25ヶ月連続の増加とのことであるが、Americas、Chinaが大きく引っ張ってJapanおよびEuropeのマイナスをカバーする地域別内訳も定着している状況がある。スマートフォンの伸び、そして大きくは中国経済の一層の鈍化と、通年パターンでは後半に盛り返す年間半導体販売高であるが、その予測の下方修正が見え始めてきている。
≪5月の世界半導体販売高≫
米SIAからの発表は、次の通りである。
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○5月のグローバル半導体販売高が前年比5%増−5月のグローバル業界、25ヶ月連続の前年比販売高増加;Americas地域は前年比11.4%増、すべての地域をリード …7月6日付け SIAプレスリリース
半導体製造&設計の米国のleadershipを代表するSemiconductor Industry Association(SIA)が本日、2015年5月の世界半導体販売高が$28.2 billionで、2014年5月の総計$26.8 billionを5.1%上回り、前月、2015年4月の総計$27.6 billionを2.1%上回った、と発表した。地域別では、Americasが前年同月比11.4%増で、すべての地域別市場をリードしている。月次販売高の数値はすべてWorld Semiconductor Trade Statistics(WSTS) organizationのまとめであり、3ヶ月移動平均で表わされている。
「グローバル半導体業界は、長引くマクロ経済の不安定性に打ち勝って、この5月、堅調な前年比の伸びを示している。」とSemiconductor Industry Association(SIA)のpresident & CEO、John Neuffer氏は言う。「前年比販売高はこれで25ヶ月連続の増加となり、前月比販売高は6ヶ月ぶりに増加し、残る2015年そしてそれ以降控え目ながら伸びは続くと見ている。」
Americas市場に加えて、前年比販売高はChina(9.5%)およびAsia Pacific/All Other(8.0%)で増加したが、Europe(-7.8%)およびJapan(-11.8%)では減少した。前月比販売高では、China(4.0%), Asia Pacific/All Other(3.3%), およびAmericas(0.2%)では増加したが、Europe(-0.6%)は僅かに減少、Japanはフラットであった。
【3ヶ月移動平均ベース】
市場地域 | May 2014 | Apr 2015 | May 2015 | 前年同月比 | 前月比 |
======== | |||||
Americas | 5.05 | 5.61 | 5.62 | 11.4 | 0.2 |
Europe | 3.12 | 2.89 | 2.87 | -7.8 | -0.6 |
Japan | 2.88 | 2.54 | 2.54 | -11.8 | 0.0 |
China | 7.39 | 7.78 | 8.09 | 9.5 | 4.0 |
Asia Pacific/All Other | 8.40 | 8.78 | 9.07 | 8.0 | 3.3 |
計 | $26.83 B | $27.61 B | $28.20 B | 5.1 % | 2.1 % |
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市場地域 | 12- 2月平均 | 3- 5月平均 | change |
Americas | 6.23 | 5.62 | -9.7 |
Europe | 2.88 | 2.87 | -0.2 |
Japan | 2.55 | 2.54 | -0.6 |
China | 7.76 | 8.09 | 4.4 |
Asia Pacific/All Other | 8.32 | 9.07 | 9.0 |
$27.74 B | $28.20 B | 1.7 % |
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「米国の議会および大統領は最近、Trade Promotion Authority(TPA)を制定、米国半導体業界など貿易依存分野に大きな高まりを与えて、米国の自由貿易合意での取引をより容易にしている。」とNeuffer氏は言う。「TPAをもって米国は、Trans-Pacific Partnership(TPP)など重要な通商合意を一層ゴールラインにもっていく様相にあり、我々の業界そして米国経済全体において引き続く伸びと革新につながっていくものである。」
※5月の世界半導体販売高 地域別内訳および前年比伸び率推移の図、以下参照。
⇒http://www.semiconductors.org/clientuploads/GSR/May%202015%20GSR%20table%20and%20graph%20for%20press%20release.pdf
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これを受けた業界各紙の反応である。
◇Global semiconductor sales increase five percent in May 2015 (7月6日付け ELECTROIQ)
◇Global chip sales rise 5% in May, says SIA-SIA: May sees a 5% increase in global chip sales (7月7日付け DIGITIMES)
地域間の開きについての見方である。
◇Weak Currencies Zap Europe, Japan in Global Chip Market (7月8日付け EE Times)
→Semiconductor Industry Association(SIA)がリリースした5月の半導体販売高データ。欧州および日本の市場で進行する減少および中国、AmericasおよびAsia-Pacific地域での増大の間での開きが、さらに著しくなっている旨。
PCsの停滞、そして牽引役のスマートフォンの伸びの鈍化が方々伝えられるなか、Gartnerは本年のこれら機器の世界出荷について予測を下方修正している。
◇Gartner cuts worldwide device shipment growth forecast for 2015 (7月7日付け Reuters)
→Gartner社発。PCs、タブレットおよびスマートフォンなど機器の世界出荷が今年は1.5%増の2.5 billion台の見込み、前回予測の2.8%増より鈍化する旨。強いドルが価格を押し上げ、西欧、ロシアおよび日本でのPC購入の低迷が主に効いている旨。
そしてGartnerは、本年の半導体販売高の伸長予測について以下の通り3回目の下方修正を発表している。
◇Gartner cuts market growth forecast as demand for semiconductors slows-Gartner lowers 2015 forecast for chip sales to $348B (7月8日付け New Electronics)
→Gartnerが、今年の半導体販売高伸長予測を2.2%に下方修正、総額$348 billionの見通しの旨。「PCs, スマートフォンおよびタブレットなど半導体市場を引っ張る主要な応用についての概況は、すべて下方修正されている」(Gartnerのresearch director、Jon Erensen氏)旨。
◇Gartner cuts 2015 chip market growth forecast again (7月10日付け DIGITIMES)
→Gartner発。2015年の世界半導体売上げが、2014年から2.2%増の$348 billionと予測、これはGartnerの前回予測、4%増を下回る旨。2015年の半導体市場伸長予測をGartnerが下方修正するのはこれで3回目、当初は5.8%増としていたが、2015年1月に5.4%、そして4月に4%に下げた経緯の旨。
以下の≪市場実態PickUp≫の中で、現下の台湾市場での暗雲模様に触れているが、後半に入った本年の市場の動き、反応に刻々注意、注目を要するところとなっている。
≪市場実態PickUp≫
【IBMの最先端インテル越え】
microelectronics製造事業のGlobalFoundriesへの売却について政府の承認が下りたばかりのIBMであるが、意表を突かれる受け止めが少なからずと思われるなか、業界に先んじる7-nmテスト半導体の発表を研究部門が行っている。以下の記事のそれぞれにストレートな興奮が表わされている感じ方である。
◇After 10 breakthroughs and $3B in research, IBM announces tiny 7-nanometer chips (7月8日付け VentureBeat)
→半導体リサーチにおいてIBMは何10年もの間ブレイクスルーをあげてきているが、こんどは最初の7-nm半導体の創出に成功している旨。これで半導体上のトランジスタが長さが1mの7 billion分の1に過ぎないほどに小さなminiaturized electronicsが得られ、人間の髪の毛の1,400分の1の旨。
◇IBM Leapfrogs Intel to 7nm-EUV FinFETs Use Germanium Channel(7月9日付け EE Times)
→IBM Research(Albany, N.Y.)が、extreme ultra-violet(EUV) lithographyを完全にし、finned field-effect transistors(FinFETs)に向けてsilicon-germanium(SiGe) channelsを用いることにより、Intelを飛び越えて7-nmノードに至っている旨。このブレイクスルーdemonstrationによりIBMは、GlobalFoundriesによる製造で次世代Power 8+を来年、そしてPower-9プロセッサをその翌年に供給する軌道上にもあることになる旨。アライアンス開発パートナー、Samsungにしても、最初の生産レベル7-nm半導体が出てくると予想される2018年までにIntelに追いつく競争で有利な立場になる旨。該7-nmテスト半導体はアライアンスの300- fabで作られ、State University of New York(SUNY) Polytechnic InstituteのColleges of Nanoscale Science and Engineering(CNSE, Albany, New York)にある旨。
◇IBM Research alliance produces industry's first 7nm node test chips (7月9日付け ELECTROIQ)
◇IBM announces functioning 7-nanometer chip breakthrough-IBM, partners develop working 7nm test chips (7月9日付け Mashable)
→IBM Researchが、silicon germanium(SiGe) channelトランジスタおよびextreme-ultraviolet(EUV) lithography技術を用いて7-nm寸法のfunctionalテスト半導体を製造、IBMは、該7-nm半導体到達においてSamsung Electronics, GlobalFoundriesおよびSUNY Polytechnic InstituteのColleges of Nanoscale Science and Engineeringとコラボの旨。
◇IBM Discloses Working Version of a Much Higher-Capacity Chip (7月9日付け The New York Times)
◇IBM's tiniest transistor casts big shadow on Intel (7月10日付け San Jose Mercury News)
【インテル関係】
半導体業界最大手、インテルの動きから、まずは、Internet of things(IoT)ビジネスについて中国のsupply chainパートナーとの関係を強化するイベント開催である。
◇Intel to push IoT business partnerships with China supply chain-Sources: Intel to emphasize IoT with Chinese suppliers (7月6日付け DIGITIMES)
→上流supply chain筋発。Intelが中国のsupply chainとの提携を緊密にする動き、来月のIntel Developer Forum(IDF) San Franciscoに先立ってサミットを開催、中国で同社サプライヤと会合する計画、Internet of things(IoT)業界supply chainに関わる同社最新戦略を披露する旨。技術および製品を両方備えて、Intelは現在supply chainパートナーを統合、完全なecosystem構築を図っている旨。中国のsupply chainは、低コスト化および高効率を提示している旨。Intelは、2020年までに50 billion台の機器がお互いにつながり、現時点は約15 billion台と見ている旨。
もう1つ、SoFIA 4G applicationプロセッサの遅れが伝えられたばかりであるが、今度は次世代Kaby Lakeプロセッサの後倒しがあり、市場への波紋、影響に注目である。
◇Intel said to postpone Kaby Lake processor launch to late 2016 (7月7日付け DIGITIMES)
→Skylakeプロセッサの遅れに続いて、当初は2016年始めに予定されていたIntelの次世代Kaby Lakeプロセッサが、consumer版は2016年9月以降、enterprise版については2017年1月以降に後倒しされる旨。Intelの度重なるプロセッサロードマップにおける調整があって、notebook ODMsにはIntelのrequest for quotation(RFQ)プロセスが3-6ヶ月ずれ込んでいる旨。
【タブレットとファブレット】
タブレット市場の飽和感が強まって、減少のデータが相並ぶ以下の今年の市場の読みである。
◇Tablet Shipments on the Wane (7月6日付け EE Times)
→以下の通り、2015年のタブレット出荷が減少する見込み、市場が飽和、推進力を失っている旨。
International Data Corp.(IDC)
…今年のタブレットおよび2-in-1機器の出荷が3.8%減の221.8 million台
IHS Technology
…タブレット市場は2015年減少、2016年フラット、2017年に増加に戻す
ABI Research
…2015年第一四半期のタブレット出荷が、前四半期比35%減、前年同期比16%減
これに対して、電話とタブレットを合わせた大画面スマートフォン、ファブレットについては以下の通り急拡大の読みとなっている。
◇Surging phablets to shoot past stalled tablet market in 2015 (7月8日付け ELECTROIQ)
→IC InsightsのUpdate to the 2015 IC Market Driversレポート発。しばしば“phablets”(phone/tablet hybrids)と呼ばれる5インチ以上の大画面スマートフォンが、今年タブレットcomputersの世界出荷を上回る軌道にある旨。extra-largeスマートフォンの人気が弾みを得て、今年252 million台に達する見込み、2014年に販売された152 million台から66%増の旨。タブレットはこのインパクトを受けて2015年は2%増止まり、238 million台と予測している旨。
【半導体fabs】
世界の半導体fabs数のデータが2件。まずは、1997年からの推移を辿り、2017年を見渡したfabs数である。
◇The big picture: More than 850 volume fabs in 2017 (7月6日付け ELECTROIQ)
→SEMI World Fab Forecastのデータから:
1997 | 2002 | 2007 | 2012 | 2017 | |
グローバルVolume Fab数 | 682 | 802 | 849 | 861 | 864 |
discreteおよびLEDを除くと | 472 | 508 | 499 | 440 | 440 |
内volume 200mm fabs数 | 111 | 170 | 173 | 152 | 149 |
内volume 300mm fabs数 | 0 | 13 | 62 | 81 | 109 |
次に、2009年から2014年までに閉鎖されたfabs数のウェーハサイズ別および世界の地域別データである。
◇Wafer Fab Closures Analyzed by Diameter, Region (7月10日付け EE Times)
→IC Insights発。2009年から2014年の間に半導体メーカーが83のウェーハfabsを閉鎖あるいは転用している旨。
・≪グラフ≫ ウェーハサイズ別fab閉鎖件数:2009-2014年
⇒http://img.deusm.com/eetimes/2015/07/1327121/icinsightsclosea440.jpg
・≪グラフ≫ 地域別fab閉鎖件数:2009-2014年
⇒http://img.deusm.com/eetimes/2015/07/1327121/icinsightsb440.jpg
【台湾市場での暗雲模様】
台湾のスマホ最大手、HTCの4〜6月期売上げが、以下の通り急落している。
◇台湾HTC、赤字転落、スマホ不振で、4〜6月売上高半減 (7月7日付け 日経)
→台湾のスマートフォン最大手、宏達国際電子(HTC)が6日発表した2015年4〜6月期の連結売上高が前年同期比49%減の330億台湾ドル(約1320億円)、同社が4月末に予想した460億〜510億台湾ドルを大きく割り込み、最終損益も赤字に転落の旨。切り札として3月に投入したスマホの高級機種「HTC One M9」が不振、市場ではHTCの身売り観測も飛び交っている旨。
台湾の輸出データにもこの上半期、はっきりとマイナスの影響が表れている。
◇台湾、スマホ鈍化で輸出減、1〜6月7.1%減で3年ぶりマイナス、中国企業との競争激化も (7月8日付け 日経)
→台湾の輸出に急ブレーキがかかった旨。財政部(財政省)が7日発表した2015年6月の輸出額は5カ月連続で前年を下回った旨。上半期(1〜6月期)は前年同期比で3年ぶりのマイナス、スマートフォンなどの需要鈍化や中国企業との競争激化が響いた旨。台湾の輸出は世界のIT景気の先行指標の一つとされ、IT業界全体の先行きに不透明感が漂ってきた旨。
直接の関連性如何はあるが、TSMCおよびUMCの6月売上げが前年同月比ともにマイナス、3年以上ぶりのことで気になるところではある。盛り上がって熱い商戦夏の陣にかけて目が離せないところがある。
◇Drop in Foundry Sales Sends a Warning Signal (7月10日付け EE Times)
→3年以上ぶりのこと、世界2大ファウンドリーの月次売上げfiguresが同時にダウンしている旨。TSMCの2015年6月売上げが前年同月比0.6%減、2012年1月以来の減少になる旨。TSMCのお隣、UMCの6月売上げは前年同月比2.8%減。
≪グローバル雑学王−366≫
世界各国・地域のパワーバランスあるいは衝突・摩擦というものを、地図を逆さにした新たな目で、
『「逆さ地図」で読み解く世界情勢の本質』
(松本 利秋 著:SB新書 301) …2015年5月25日 初版第1刷発行
より確認していくが、まずは東西陣営の冷戦の経緯そして見方について2回に分けて辿る前半である。今に始まったことではないウクライナ問題を巡る流れ、欧米とロシアの対立の最前線の実態を知らされている。
第一章 逆さ地図でわかる新たな東西冷戦の始まり=2分の1=
■ヨーロッパの地図から見えた新冷戦構造のルーツ
◇ヨーロッパを征服した者はロシアに向かう
・ナポレオン、ヒトラーの二人の例
→ヨーロッパを征服した権力者は東へと進み、ロシアを征服しようとする
・ロシアは、西方へと勢力を拡大し、自国の防衛圏をできるだけ西方に持っていこうとする
→第二次世界大戦後のソビエトが、東ドイツまでも勢力下に置いたのもそのため
◇脱ロシアか親EUかで葛藤するウクライナ
・地政学の第一命題
→世界の心臓部としてのハートランドを占領、ワールドアイランド全体を支配するような、強力な勢力が出現しないようにすること
(注)ワールドアイランド…世界島と訳され、ユーラシア大陸にアフリカ大陸を加えた近代以前の文明世界を意味する地政学固有の概念)
→世界平和実現のための大前提
・ウクライナやロシア西部
→ヨーロッパから見れば、世界征服のための最重要地帯
ロシアから見れば、国家が生き残るためには絶対に譲れない地域
→現在でも続く、ウクライナを巡るロシアと欧米の鋭い対立
・第二次世界大戦終了後のウクライナ国民
→スターリンによってシベリアなどに移動させられ、国内難民的な扱いを受けるように
→日本の北方領土の人口比率で、祖先がウクライナ人という人がロシア人に次ぐ多数
・1953年のスターリンの死後、ウクライナ出身のニキータ・フルシチョフがソ連邦のトップに
→権力の安定のために、強引にクリミアをウクライナ共和国に編入へ
・ソ連崩壊後、クリミアは、独立国となったウクライナの一部として残った
→何よりも問題であったのは、ウクライナの経済が悪化の一途をたどり、一向に浮上する気配がなかったこと
→2007年には、親EU派が、オレンジ革命といわれる運動を起こし、親ロシア政権を倒した
→アメリカの投資家、ジョージ・ソロス氏が、莫大な資金援助
・政権を握ったウクライナの新政府は、EUへの加盟を目指して交渉に
→EU加盟には「財政赤字がGDP比3%以下」という条件
→この当時、ウクライナの財政は、対GDP比4%台の赤字
・2010年のウクライナ大統領選
→ロシアの財政支援を得て、親ロシア派のヤヌコビッチが僅差で復活当選
・2014年の政変
→ヤヌコビッチ政権を打倒し、今日に至っている
■東に拡大するEU―――西側の経済攻勢でウクライナが混乱
◇公開されたアメリカの策略
・実を言うと、ウクライナの政変はアメリカ主導で施行されていたことが立証
→なぜアメリカはこのような対ロシア追い込み攻勢をかけているのか
→ヌーランド米国務次官補とジェフリー・パイエト駐ウクライナ大使、この2人が交わした4分少々の電話での会話
・2014年2月23日、盗聴されたシナリオ通り、トゥルチノフ氏が暫定の大統領に
→2月27日にはヤツェニュク氏が首相に任命
→欧米間で多少の意見の食い違いがあるにせよ、旧西側諸国がウクライナの反体制運動に深くコミット
・ヌーランド次官補はロバート・ケーガン氏の夫人
→ケーガン氏は、ブッシュ前政権の中心、対外強硬派であるネオコン(新保守派)の有力メンバー
◇欧米の勢力は反ロシアに動いている
・欧米のさまざまな産業の意を受けた民間団体が、水面下で活動していることも次々に表面化
→ロシアを追い込もうとする欧米の狙いはどこにあるのだろうか
・2014年5月、ウクライナでシェールガスの採掘権を持っている企業・BRISMAの取締役としてアメリカ副大統領、バイデン氏の次男が就任
→反ロシア勢力を基盤とした政権を樹立させ、その隙にロシア圏内の資源に触手
・革命で失脚したグルジア(現ジョージア)のシュワルナゼ元大統領
→2003年、アメリカの情報機関が革命に関与していたことを指摘
・ロシアの企業は、政権の意に沿わない場合は資金難に陥るという構造
→プーチンが欧米の経済攻勢に対抗したものとの認識