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鳴り止まないInternet of Things(IoT)の熱気、取り組み

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技術面、経済面いろいろまだ固めを要する段階ながら、Internet of Things(IoT)の熱気、取り組みが鳴り止まないということで、前回の続編と相成っている。インテルのファッションブランドとの連携が見られたかと思うと、今回はセンサ, power management(PWM) IC, MEMSデバイスおよびMCUsなど多彩なデバイス対応が求められるということで、ファウンドリー各社はじめ8-インチfabsのcapacity追加を図る動きが見られている。Next Big Thingの期待を受けて当面、IoTに纏わる地固めの動きが業界を駆け巡っていく。

≪大きな期待の一方で要する固め≫

Googleからは、IoT革新を推進するプロジェクト活動が行われている。

◇Google wants to advance the Internet of things, offers grants for ‘open innovation’ research proposals-Google project aims to promote Internet of Things innovation (12月12日付け VentureBeat)
→Googleによる新プログラムは、Internet of Things(IoT)を進めるためのリサーチおよび革新に重点化、同社は、一層のconnected worldに向けて

標準、セキュリティなど要請を進める助成金提案を行っている旨。

インターネットにつながる中でのIoT市場規模が見積られている。

◇IoT Will Give 'Embedded' a Shot in the Arm-Connected cities to be largest IoT market (12月13日付け EE Times)
→IC Insightsの予測。2020年までにweb-connected thingsが、29.5 billionのInternet connectionsの85%を占めると見る旨。

connectivityおよびセンサsubsystemsによる販売高が、2014年に$48.3 billionに上り、2015年には19%増の$57.7 billionになる旨。2018年までに、機器およびInternet-connected thingsのIoT subsystems市場valueが世界中で$103.6 billionに達する見込み、2013年の$39.8 billionから21.0%のcompound annual growth rate(CAGR)となる旨。

◇Connected cities drive IoT market's growth (12月15日付け EE Times India)

IoTに向けてのアプローチのやり方如何についての提言も、以下の通り見られている。

◇Apps Layer: '800lb Gorilla' in IoT Nobody Talks About-'Things' Are the Thing in Internet of Things-Si Labs: Internet of Things will need standard apps layers in 2015 (12月16日付け EE Times)
→Silicon Labsのソフトウェアvice president、Skip Ashton氏。Internet of Things(IoT)標準化活動について、IP stacksが2015年に着地しようとしている旨。

◇Silicon Labs: Apps layer translation to appear in 2015 (12月17日付け EE Times India)
→"Internet"に専らでInternet of Things(IoT)アプローチを行いがちなたくさんのメーカーおよび個人であるが、そうではなく"Things?"で始めたらどうか?これが、Silicon Labsのソフトウェアvice president、Skip Ashton氏が置く前提であり、広範な業界レベルのIoTの課題および2015年に向けてのSilicon LabsのIoT戦略に言及の旨。

標準化の活動も各陣営それぞれに以下の通り活発化、枠組み作りあるいは規格製品化の動きが見られている。

◇Thread Group IoT Consortium Grows to 50-Plus Members -Thread Group has more than 50 members (12月16日付け eWeek)
→IoT機器の間のinteroperabilityスペックを推進している1つである業界コンソーシアム、Thread Groupが、今やメンバーが50以上になり、最初のThread-enabled製品を2015年に見込んでいる旨。該グループは、ULとThread製品認証でコラボ、来年前半に導入予定の線表の旨。

◇Industrial IoT Framework Near-Industrial Internet Group Plans Testbeds-Consortium plans to have Internet of Things framework ready in early 2015 (12月18日付け EE Times)
→Industrial Internet Consortium(IIC)が来年始め、Internet of Things(IoT)に向けての広範なreferenceアーキテクチャーについての作業を終え、3つのテストbedsを立ち上げ、そして新しい標準類が必要とされるgapsの同定を始める計画の旨。3月にAT&T, Cisco, GE, IBM, およびIntelが結成した該グループは、今ではおよそ115のメンバー、商用IoTシステムを作り易くする狙いの旨。

IoT有望ベスト50社の指名も行われている。

◇Daintree Networks named to “50 Most Promising IoT Companies of 2014” (12月17日付け ELECTROIQ)
→CIO Review Magazineが、Daintree Networksを’50 Most Promising Internet of Things (IoT) Companies 2014’の1つに挙げた旨。該listは、IoT関連の技術&サービスを供する最善のベンダーおよびconsultantsを示している旨。

冒頭にも述べた多彩なものづくりを必要とするIoTに向けて、8-インチウェーハfabsのcapacity拡張の動きが以下の通り一気に高まっている。旧型ラインが如何に多品種に活用されていくか、製品仕様の標準化と相まって今後の展開に注目である。

◇IC foundries gearing up for 8-inch fab expansions (12月17日付け DIGITIMES)
→中国のICファウンドリー、SMICが、深セン(Shenzhen)の同社8-インチウェーハfabでの生産capacity拡大を図っている一方、TSMCおよびUMCの両社が、中国にある8-インチfabsでの追加capacity構築を計画している旨。
Internet of Things(IOT)が次の半導体成長opportunityと見なされており、中国および台湾の主要ICファウンドリーがこぞって、IoTが引っ張る半導体の伸びから利益を得ようと、8-インチfab拡大に備えている旨。

◇SMIC Shenzhen 8-inch fab goes into operation (12月17日付け DIGITIMES)
→SMICが、同社深セン(Shenzhen)200-mm(8-インチ)ウェーハfabでの操業を開始、現状の8-インチfab capacityではモバイル通信機器およびInternet of Things(IoT)応用で用いられる半導体需要に適合できない旨。SMICのShenzhen fabは、主にイメージセンサ、ロジック回路、power management ICsなどconsumerおよび通信機器用の半導体生産に重点化の旨。

◇Demand for 8-inch fab equipment rises (12月19日付け DIGITIMES)
→業界筋発。IoTの増大するビジネス機会をとらえようとファウンドリーが8-インチfab拡張の備え、8-インチfab tools、特に中古装置の需要が大きく上がっている旨。8-インチウェーハcapacity需要は、IoT応用に向けたLCD driver ICs, 指紋identification(ID)センサ, power management(PWM) IC, MEMSデバイスおよびMCUsの需要が支えて、2014年に力強くなっている旨。

ソニーからは、新年早々のInternational CESでの公開に先立って"スマート眼鏡"モジュール開発が発表されている。

◇ソニー、40グラムの片眼用ディスプレイモジュールを2015 CESで公開へ (12月17日付け ITmedia)
→ソニーが17日、有機ELを利用した片眼用ディスプレイモジュールの開発を発表、このモジュールとコンセプトモデル「SmartEyeglass Attach!」を2015年1月6日から米国で開催する2015 International CESで公開することも明らかにした旨。新開発パネルの採用で開口率96%を実現、制御用基板では、ARM A7と無線LAN、Bluetoothモジュールも実装してスマートフォン相当の性能と機能を有する旨。

◇Sony's Debuts Smartglasses Module (12月18日付け EE Times)
→今年始めのprototype披露を経て、ソニーが、attachable smartglassモジュールを発表、普通の眼鏡をaugmented reality機器に変えられる旨。

以下にも述べる半導体デバイス・プロセスの国際会議、IEDMにおいても、IoTに向けた技術開発をimecが発表している。

◇Imec presents ultralow power RFID transponder chip in thin-film transistor technology on plastic at IEDM 2014 (12月17日付け ELECTROIQ)
→nanoelectronicsリサーチセンター、imecが、超低電力RFID transponder半導体を披露、sub 1V電圧動作でplastic膜上のthin-film transistor(TFTs)技術で実現される該半導体は、長期の遠隔autonomyおよび究極の薄さ、柔軟性および丈夫さを必要とするitem level RFID tagging, body area networks(BAN)および環境monitoringなど一般的なsensing応用に道を開く旨。Internet of Things(IoT)に向けて、imecは、薄膜electronics、超低電力パワーelectronicsおよびsensingにテコ入れ、一般的なsensing応用の前に立ちはだかる技術障壁に立ち向かっている旨。

このようなIoTを巡る熱気に対して警鐘含みの見方が以下の通りである。多彩、多品種、効率性などのキーワードが否応なく浮かんでくる新たな対応が、迎える新年の大きな軸の1つになってくる様相を受け止めている。

◇IoT's divergent needs will drive different types of technologies (12月19日付け ELECTROIQ)
→Internet of Things(IoT)を巡る話題が飛び交うなか、経済的および技術的両方の課題を見失いがち、経済面はデータを集めるのに用いるtrillions of sensorsをコスト効率良く製造するニーズであり、技術面はインフラ構築に関係する旨。このような分岐するニーズにより、半導体装置業界はIoTをサポートするために非常に異なる型の製造ソリューションの供給に引っ張られる旨。


≪市場実態PickUp≫

【IEDM 2014】

恒例のInternational Electron Devices Meeting(IEDM)が60回を迎えて開催されている(2014年12月15-17日:San Francisco)。最先端の微細化にやはり最も注目が集まるところ、14-nm FinFETを巡るIBM, IntelおよびTSMCのアプローチをいずこもトップに取り上げている以下の内容である。

◇IBM, Intel And TSMC Roll Out finFETs (12月14日付け Semiconductor Engineering)
→今週のIEDMにて、IBM, IntelおよびTSMCが、それぞれの16-nm/14-nm finFET技術の最新状況をプレゼン予定、予想通り、IntelおよびTSMCは引き続きbulk CMOSを用い、IBMはライバルとなるsilicon-on-insulator(SOI)技術でいく旨。IntelがfinFETレースを市場でリード、一時はGlobalFoundries/Samsung duoが2番手、TSMCがそれに続くと見られたが、TSMCが差を詰めている様相の旨。今やIBMが、GlobalFoundriesに半導体部門が買収されようとしているとは言え、finFETレースに入っている旨。

◇IEDM: Thanks for MEMS-ories-IEDM features papers on MEMS technology (12月16日付け ELECTROIQ)
→今回の場、IBMおよびIntelがプレゼンしている14-nm FinFET論文が大いに騒がれているが、これらは2ヶ月前のpress releaseに従うもの。注目が少ない方が、センサ、microelectromechanical systems(MEMS)デバイスおよびbio-MEMSについての論文、この技術はスマートフォン、fitness trackersなど多くのelectronic製品にあるものの、headlinesは減っている旨。

◇11 Views of IEDM-CMOS continues "at least another 10 years" (12月17日付け EET/Slideshow)
→Moore's Lawには依然たくさんの活力、多くの人々が良い利用に向けて前進させている、それが今回の場から最も覚えたことである旨。以下の注目内容:
 Intel's runs a 14 nm victory lap
 Intel's taller, skinnier fins
 Intel squeezes its SRAMs
 IBM puts on fins at 14 nm
 TSMC sketchy on its 16 nm+ process
 Avago, Renesas test TSMC 16 nm
 DNA tweezers and carbon nanotube arrays
 Novel 3D and plastic transistors
 Cree powers up silicon carbide
 A veteran sounds a skeptical note

◇IEDM - Monday was FinFET Day (12月18日付け ELECTROIQ/BLOG)
→月曜15日の午後はホットなセッション、Grand Ballroomは満員、TSMC, Intel, およびIBMによるfinFET論文プレゼン。

【A9プロセッサ製造を巡って】

Appleの次世代iPhoneモデルに使われるA9プロセッサの製造を巡って、Samsungが先行して米国拠点での生産が進んでいるという以下の内容である。TSMCは補充的な供給を行うという見方になっている。

◇Samsung Electronics began production of Apple A9 in 14nm FinFET. (12月12日付け ETNews.co.kr (South Korea))

◇Apple and Samsung already working on the A9 processor-For two companies that hate each other, they sure do work well together. (12月14日付け ITWorld.com)

◇Samsung Begins Production of A9 Chip for Apple iPhone 7-Report: Samsung starts making Apple's A9 chip with 14nm process (12月15日付け Tech Times)
→Samsung Electronicsが、同社Austin, Texas拠点にて14-nm FinFETプロセスを用いたAppleのA9 applicationプロセッサの生産を開始、該A9半導体はAppleの次世代iPhoneモデルで使われる旨。

◇TSMC and Samsung Keep Competing in the Advanced Process (12月15日付け CTimes)
→TSMCおよびSamsungの間の先端プロセスでの競合が継続、韓国のET News(via The Verge)によると、AppleのA9プロセッサ製造がSamsungのAustin, Texas工場で進んでいる旨。Samsungが同社14-nmプロセスを用いてA9受注の大部分を扱っている一方、TSMCは補充的な供給を行うとされている旨。

【InfineonとUMCの連携】

ドイツのInfineon Technologiesと台湾のUMCが、車載用パワー半導体についての連携拡大を発表している。InfineonのSmart Power TechnologyをUMCの300-mmウェーハ製造に移転する形である。

◇Infineon and UMC Announce Manufacturing Agreement for Automotive Applications-Companies will jointly bring Infineon's Smart Power Technology to UMC's 300mm manufacturing (12月15日付け CNN Money)

◇Infineon and UMC announce manufacturing agreement for automotive applications (12月15日付け DIGITIMES)
→Infineon TechnologiesとUMCが、車載応用向けパワー半導体についての製造連携拡大を発表、UMCは15年以上Infineonのロジック半導体を作っている旨。最近調印された該合意に基づいて、両社は共同で、Infineonの車載認定Smart Power Technology(SPT9)をUMCに移転、その生産を300-mmウェーハに拡げる旨。UMCの台湾300-mm FabでのSPT9製品生産開始は、2018年始めの計画の旨。

◇Infineon & UMC Extend Manufacturing Pact Into Auto ICs-Infineon, UMC agree to auto power chips partnership (12月17日付け EE Times)

【Qualcommを巡る通商問題】

Qualcommの市場における独占的慣行を中国が告発して記録的な罰金を科す事態に及んでいるが、Qualcommは中国のベンチャーファンドに出資をして緩和を図る動きが見られている。

◇Qualcomm to invest $40M in four Chinese companies-Qualcomm eyes Chinese startups with $40M investment (12月11日付け VentureBeat)
→Qualcommが、7Invensun, Chukong Technologies, inPlugおよびUnisoundなど中国の4社とともにChina Walden Venture Investments fundに$40 millionの資金注入、該fundへの投資は半導体関連技術の開発に向けられる旨。

◇Will Qualcomm's China Investment Gambit Pay Off?-Including Walden in the mix viewed favorably (12月15日付け EE Times)
→Qualcomm(San Diego, Calif.)の中国のモバイルecosystemに出資する$150 millionのPR切り出しが、如何に同社が中国で告発されている独占的振る舞いを和らげる助けになるかどうか、分からない旨。$1 billion以上の記録的な罰金も然りだが、ロイヤリティの切り下げを受けざるを得ない可能性がQualcommおよび同社投資家にとってさらに悪い事態となる旨。

予断を許さない現状であるが、米国Obama大統領はこのQualcommのケースについて中国を批判する立場となっている。

◇As Qualcomm decision looms, U.S. presses China on antitrust policy-Obama criticizes China in Qualcomm case  (12月15日付け Reuters)
→Barack Obama大統領が、Qualcommなどのメーカーを相手取った中国のantitrust政策行使を疑問視している旨。

【TSMCの意気込み】

モバイル機器活況に乗って最高の業績を記録している今年のTSMCであるが、総帥のMorris Chang氏から来年にも今の勢いをと、強い意気込みが伝わってくる以下の内容である。

◇Taiwan's TSMC optimistic for 2015, could help China develop chip industry-TSMC looks to China for continued growth in 2015 (12月15日付け Reuters)
→TSMCのChairman、Morris Chang氏が台北でのconferenceにて、同社の2015年の展望には楽観的、特に中国での事業促進がある旨。最近の中国の半導体計画を支援する役割を担えると期待している旨。

◇Global business prospects are optimistic in 2015, says TSMC chairman (12月16日付け DIGITIMES)
→annual Cross-strait CEO Summit(12月15日:台北)にて、TSMCのchairman、Morris Chang氏。2015年の事業展望について楽観視しており、これは情報産業の力強い国々、あるいは先進諸国、特に米国における成長軌道に戻している経済に基づく旨。

対中国のスタンスも、ライバル心そして一方、配慮が伺えるやりとりとなっている。

◇TSMC chairman disagrees with Alibaba chairman on lack of entrepreneurs in Taiwan (12月17日付け DIGITIMES)
→中国のAlibaba Groupのexecutive chairman、Jack Ma氏が15日台北での講演にて、台湾ではここ15年新しいentrepreneursが出ていないと発言、これに対してTSMCのchairman、Morris Chang氏が16日、Ma氏には同意せず、台湾では多くの若い人々が中小enterprisesを起こしている旨。

◇TSMC to move some 28nm chip production to mainland (12月17日付け The China Post)
→台湾の政府傘下、Industrial Technology Research Institute(ITRI)が主催する火曜16日のpress conferenceにて、TSMCのChairman、Morris Chang(張忠謀)氏。TSMCが、熟した28-nm製造技術によるモバイル半導体のsmall volumeを中国で生産する計画、その中国での生産はTSMCが計画している28-nm capacity拡大の10%以下の予定の旨。もし自分たちが行かなければ、韓国の主要競合、Samsungが行くことになる旨。


≪グローバル雑学王−337≫

地理・地名・地図の謎解きから、世界史の展開を

 『知れば知るほど面白い 地理・地名・地図から読み解く世界史』
  (宮崎 正勝 著:じっぴコンパクト新書 198) …2014年7月7日 初版第1刷発行

より紐解いてきたが、今回で読み納めである。近現代史の締めとして、アジア・アフリカ諸国の建国、そして東西冷戦とその後に注目している。特に、インドネシア、マレーシア、そしてブルネイと3つの国に分かれる巨大な島、ボルネオ島の経緯を知らされている。あー、そうなんだ、と知らされることの多かった本書の読後の印象ではある。


第6章 帝国主義と二つの世界大戦、そして現代

39 なぜ、ボルネオ島はインドネシアとマレーシア、ブルネイの三つの国に分かれているのか?
……→アジア・アフリカ諸国の建国

◇地図の謎39:国境は欧米列強の話し合いで決められた?
・三つの国の領土に分かれている世界第3の巨大な島、ボルネオ島
 →日本の2倍近い面積
・一方では、たくさんの島々が合わさっているインドネシア
・かつて欧米列強の植民地だった時の境界が、現在の国境に影響を与えている
 →オランダ、イギリス両国は、1824年、英蘭条約を締結、南北に勢力範囲を分割
  →戦後、それぞれが別の国に
・ボルネオ島北部のブルネイ(正式名称:ブルネイ-ダルサラーム国)は、1984年に独立

◆世界史の展開39:

〓アフリカ諸国の独立
・アフリカの第一次世界大戦以前の独立国
 →南アフリカ連邦、エチオピア、エジプト、リベリアの僅か4か国
・戦後、一気に高まった独立の気運
 →1951年のリビアの独立を始め、多くの国が独立を果たす
 →植民地時代に部族・民族の分布を考慮に入れずに引かれた国境線
  →アフリカでは紛争が多く発生
・平和的、協調的な共存体制を築く取り組みが、全世界的に求められる

〓相次いで独立・建国するアジア各国
・国民党と共産党の国共内戦
 →1949年、中華人民共和国を建国、国民党は台湾で中華民国政府を継続
・1950年、朝鮮戦争が勃発、1953年、休戦が成立したまま、現在に
・南アジア、東南アジアの国々でも、独立の動き
 →戦後、イスラーム教徒の国、パキスタンと、ヒンドゥー教徒が多いインド連邦とに分かれて独立
 →1976年、ベトナム社会主義共和国成立
 →ビルマ(ミャンマー)ではアウン=サン、インドネシアではスカルノ、それぞれ中心に独立へ

40 「モスクワ」と「シベリア」は、実は同じ意味の地名だった?
……→東西冷戦とその後

◇地名の謎40:ロシアの歴史を語るには、外せない「沼沢地」
・ロシアの首都、「モスクワ」
 →「湿地、沼沢地」を意味するモスク(mosk)とフィン語で「水」を意味するワ(va)
 →「沼沢地の水、川」
 →モスクワ川という川がその成長の中心に
・「シベリア」
 →「沼沢地」を意味するモンゴル語のシビル(sibir)に、ラテン語の地名接尾辞イア(ia)
 →モスクワとほぼ同じ意味の地名

◆世界史の展開40:

〓戦後の国際情勢を象徴する冷戦
・1949年、ソ連と東欧諸国は経済相互援助会議(コメコン)を結成
・1949年、アメリカや西欧諸国は、北大西洋条約機構(NATO)を結成、集団安全保障体制を敷く
・1961年、東西対立の最前線に位置するドイツのベルリン
 →東西冷戦の象徴、ベルリンの壁
・キューバ危機はじめ緊張の時期と、戦略兵器制限交渉(SALT)など緩和の時期を繰り返しながら、冷戦は、戦後40年ほど続いていく

〓冷戦の終結と未来の世界
・1985年、ソ連共産党の書記長に就任したゴルバチョフ
 →東西関係の緩和
・1989年、米ソ首脳は、冷戦の終結を宣言
 →1990年、東西ドイツは統一
・ソ連も崩壊、国連安保理事会の常任理事国の地位はロシア連邦が引き継ぐことに
・現在では、国家間、地域間の紛争だけではない新たな問題も浮上
 →環境問題の解決は、全人類の課題

[Column]:ニューヨークからモスクワやローマへは、車で行けるって本当?
・アメリカのアイダホ州にはMoscow、ジョージア州にはRomeという地名が存在
 →そこへならドライブすることも可能
・新大陸、アメリカには、他大陸の実在する地名を拝借している場合が結構多い

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