Semiconductor Portal

HOME » ブログ » インサイダーズ » 長見晃の海外トピックス

ビジネス最前線、最先端技術の凌ぎ合い −スマホ市場、ISSCC

スマートフォン、アップル対応がやはり大きなビジネスの動きとして見えている一方、第61回を迎えるという「International Solid-State Circuits Conference(ISSCC)2014」のテーマは"SILICON SYSTEMS BRIDGING THE CLOUD"とやはりその先を行く表現となっている。IBMの半導体売却の動きに代表される直近の製造切り離しの流れのなか、Intel、Samsung、TSMCはじめ残るIDM、ファウンドリーの間での最先端技術へのアプローチ、そしてビジネス最前線の対応の動きに注目するこの時期ではある。

≪技術とビジネスの織り成し≫  

スマートフォン半導体の凌ぎ合いという意味合いでは、最も熾烈感のあるQualcommに対抗する台湾・MediaTekのキャンペーン打ち上げである。

◇Analysis: Taiwan's MediaTek sets up backyard brawl with Qualcomm-MediaTek takes the fight to Qualcomm in the U.S. (2月7日付け Reuters)
→中国のスマートフォン向け半導体を大方供給している台湾のMediaTekが、グローバルbrandingキャンペーンの打ち上げ開始、米国、特に競合のQualcommのお膝元、San Diego地域で約150人の採用を計画している旨。
「ここはまさに戦略的な地域、技術パートナーのたくさんがその地域にあり、役立てるようにしたい。」(以前Qualcommで働いていたMediaTekのU.S. corporate marketing、vice president、Kristin Taylor氏)

再生を期すBlackBerryのFoxconnと組んでの動きが、噂として以下のように表わされている。

◇64-Bit Octa-Core BlackBerry Device Planned For 2015 [Rumor]-Report: BlackBerry will offer handset with an 8-core, 64-bit processor next year (2月9日付け Ubergizmo.com)
→BlackBerryとFoxconnが、入手手頃な価格でたくさんのBlackBerry-関連製品を生みだす見込み、しかし、何かもっとハイエンドを期待しているBlackBerry顧客については如何?

Long-Term Evolution(LTE)スマートフォンに向けたBroadcomとMediaTekの相次ぐ動きである。上記にもあるが、MediaTekの米欧市場に向けて食い込む取り組みが目立つところである。

◇Broadcom Aims New LTE Chipsets at Low-Cost Smartphones-Broadcom targets lower-end smartphones with LTE chipsets (2月10日付け eWeek)
→Broadcomが、low-end LTE機器市場攻略で、同社M320 dual-coreプロセッサ およびM340 eight-coreプロセッサを用いたLong-Term Evolution(LTE)スマートフォンチップセットを投入、該チップセットは、LTEおよびvoice-over-LTEに加えて2G, 3G, Bluetooth, near-field communication(NFC)および802.11ac Wi-Fi技術を受け付ける旨。

◇Competing on multiple fronts helps Broadcom, CEO McGregor says-Broadcom CEO sees benefits of strong competition (2月12日付け PCWorld)
→Broadcom社のCEO、Scott McGregor氏。同社は、Long-Term Evolution(LTE)スマートフォンプロセッサ市場でQualcommなどの半導体サプライヤを相手取って、競争力を高めている旨。この月曜10日に、低価格化LTEスマートフォン用半導体を投入の旨。

◇MediaTek's new octa-core processor to compete with Qualcomm over the premium LTE smartphone market-MediaTek takes on U.S. market with octa-core LTE processor (2月11日付け Engadget)
→MediaTekが、Long-Term Evolution(LTE)スマートフォン用eight-coreプロセッサプロバイダーの間の戦いに取り組み、ARMの最新A17設計の4つを含む8つの処理コアを特徴とするMT6595半導体をもって米欧市場に割って入る期待の旨。Mediatekは、新興市場でのbudget Android handsetsでの成功の後、higher-end LTE phonesでの同社半導体組み込みを期待の旨。

またまた、アップルのビジネスポテンシャルのパイを巡る凌ぎ合いの記事である。Samsungにおける生産歩留りの問題が取り沙汰されている。振り返って1980年代の我が国におけるビジネス最前線から似た雰囲気を思い起こしている。

◇Apple iPhone, iPad Shipments May Beat this Year, Says BlueFin; TSM to Gain ‘A’ Chip Share-Analysts: TSMC benefits from Samsung's 20nm chip yield issues (2月12日付け Barron's /Tech Trader Daily blog)
→BlueFin Research Partnersのアナリスト発。Samsung Electronicsが、Austin, Texasの同社ウェーハfab拠点での20-nm features、Appleの新しいA-シリーズプロセッサの生産歩留りの問題に遭っており、TSMCにとってAppleのモバイル機器向け半導体をさらに多く作るチャンスとなる旨。該アナリストは、AppleのiPadおよびiPhoneモデルの売行きが大方のWall Street投資家が考えているより力強いと主張の旨。

最先端技術の突端となるとやはりIntelしかなく、アップル対応に向けてすぐさま10-nmノードに取り組むべき、という論調を感じる以下の内容である。

◇Intel to cut a deal with Apple for Fab 42 ? (2月13日付け DIGITIMES)
→IC Insightsの見方。TSMCおよびGlobalfoundriesが14-nmプロセスノードでのAppleビジネスの1部分を得る見込みである一方、Intelは、Fab 42により10-nmノードでのAppleのapplicationプロセッサビジネスの大部分を獲得できるという羨ましい位置にある旨。

◇Intel must cut deal with Apple-IC Insights: Intel should use Ariz. plant to make chips for Apple (2月13日付け TechEye.net)
→現在は空になっているIntelのChandler, Ariz.工場はApple向け半導体製造のために装備すべき、とIC Insightsの主張。

以上のビジネス最前線の捉え方に続いては、今や遠く懐かしさすら覚える今年も巡ってきた「International Solid-State Circuits Conference(ISSCC)2014」(2月9-13日:San Francisco)から、最先端技術の議論のいくつかである。まずは、Rambus社の創業者としても知られるStanford大のMark Horowitz教授の基調講演、半導体業界の今後について一石を投じている。

◇ISSCC Keynote: No Silicon, Software Silos (2月10日付け EE Times)
→Stanford大のMark Horowitz教授、基調講演。システムの小型化、低コスト化、高速化の期待達成を難しくしているエネルギー効率の立ちはだかる壁を小さくするのに、半導体およびアプリ開発者の間のより密接な協力が必要となる旨。停滞しているクロック周波数および増大する電力消費を打破するために、特化したシリコンおよびアルゴリズム改善の組み合わせを求めた旨。

最近いろいろと話題の多いGoogleであるが、データセンター用半導体のプレゼンの一方で、自前で半導体設計に取り組む動きが取り沙汰されている。

◇Google Cloud Needs Lower Latency (2月10日付け EE Times)
→Googleのdatacenter group、technical lead、Luiz Barroso氏。データセンター用半導体は、センサデータの増大に追いつくようlatenciesを低くする必要がある旨。evening panelにて、ARM, Intel, およびFujitsuから、新しい種類のコンピュータアーキテクチャーおよびセキュリティ技法が、この課題を取り扱うのに出てくると、追加コメントの旨。

◇Google Ramps Up Chip Design (2月12日付け EE Times)
→パネル討議にて、ベテランventure capitalist(VC)、John Doerr氏。
Googleが、自前で半導体を設計する広範で深い活動を立ち上げている様相の旨。

◇Google makes headway in chip design-Google quietly goes about designing its own chips (2月14日付け EE Times India)
→Googleが、自前の半導体のカスタム設計に取り組んでいると思われ、先月、半導体設計プロジェクトに向けてASIC設計者およびCADエンジニアのjob openingsを広告の旨。

今回のISSCCの端的な総括として以下に注目。ソチのオリンピックの最中、世界的に牽引する新技術の出現を一層期待する感じ方が出てくる。

◇米で”半導体五輪”−最新研究成果競う (2月14日付け 日刊工業)
→今回のISSCCは、回路線幅20-nm以降の微細化技術や、ポスト微細化を見据えた3次元(3D)化技術、低消費電力技術などの最新成果が相次いだ旨。国・地域別の論文採択数では北米が3年ぶりに首位へ返り咲いた旨。
 

≪市場実態PickUp≫   

憶測を否応なく呼んでいるIBMの半導体事業売却であるが、Globalfoundriesが買い手として浮上したり、合弁パートナーの可能性も取り沙汰されている現時点である。

【IBMの半導体売却】

◇Report: IBM hires firm to explore sale of semiconductor business (2月7日付け Poughkeepsie Journal)

◇IBM Said to Focus on Chip Joint Venture Amid Dim Sale Prospects (2月8日付け Bloomberg)
→本件事情通2人発。IBM社が、同社半導体製造部門の買い手引きつけが出来なかった後は、合弁パートナーを見つけるのに重点化する旨。

◇Taking a closer look at IBM's semicon business (2月11日付け EE Times India)
→最近のFinancial Times記事では、IBMが"半導体事業の買い手の可能性の意向を打診するために"Goldman Sachsを雇用、しかしながら、IBMは本件については依然口をつぐんでいる旨。IC市場の低迷サイクルごとに、IBMの半導体事業の売却の可能性の話が浮上しており、近年では、Globalfoundriesを可能性のある買い手として憶測が強まってきている旨。

Intelの"Haswell"プロセッサ在庫が元々とされているようであるが、"Broadwell"プロセッサの出荷後倒し、そしてHaswell Refreshおよび9-シリーズチップセットの打ち上げが前倒しされている。

【Intelの時期変更】

◇Intel postpones Broadwell availability to 4Q14-Sources: Intel delays "Broadwell" processors (2月12日付け DIGITIMES)
→Intelが、同社14-nm、"Broadwell"プロセッサの初期出荷を第四四半期に、量産を来年の第一四半期に遅らせる旨。この遅れの1つには、市場での"Haswell"プロセッサ在庫の消化の鈍さ焚きつけがある旨。

◇Intel to launch Haswell Refresh 1 month early (2月14日付け DIGITIMES)
→台湾のDIYマザーボードメーカー発。Intelは、Haswell Refreshおよび9-シリーズチップセットの打ち上げを5月に予定していたが、4月に前倒し変更の旨。

今なお市場に敏感に反応し続けているDRAM価格。2013年第四四半期のグローバルDRAM業界全体では上昇して5四半期連続の金額の伸びとなる一方、モバイルDRAMが1月では下げる流れとなっている。

【DRAM価格】

◇Mobile DRAM contract prices fall on oversupply, says DRAMeXchange-Mobile DRAM oversupply causes contract prices to slip, firm says (2月11日付け DIGITIMES)
→DRAMeXchange発。市場の供給過剰を反映、モバイルDRAMメモリの契約価格が1月に5-10%低下の旨。

◇Global DRAM output value grows for fifth consecutive quarter, says DRAMeXchange (2月12日付け DIGITIMES)
→2013年第四四半期のグローバルDRAM業界全体output valueが$9.75 billion、前四半期比4.8%増、5四半期連続の伸びとなる旨。
SK Hynixの中国fab火災が2013年第四四半期のグローバルDRAM output減少につながったが、メモリ価格が上昇している旨。

AppleのiPhone向けで注目する指紋センサ。欧州ではCEA-Letiがさらに今後に向けた技術高度化を図る一方で、現実のビジネス対応として、TSMCが8-インチウェーハ処理に切り換える事態が見られている。

【指紋センサ】

◇CEA-Leti announces the launch of PIEZOMAT (2月11日付け ELECTROIQ)
→CEA-Letiが本日、European Commission(EC)が出資するリサーチ・プロジェクト、PIEZOMATを打ち上げ、人間の指紋の最小featuresの超高解像reconstructionを可能にする指紋センサの新技術を設計、実行する旨。

◇TSMC shifts to 8-inch processing to produce fingerprint sensors for next-generation iPhone (2月11日付け DIGITIMES)
→業界筋発。TSMCが、Appleの次世代iPhone向け指紋センサの生産について、12-インチwafer-level packaging(WLP)の歩留りの懸念から、12-インチの代わりに8-インチ処理を用いる旨。

知的財産、特許の扱いについて、米国での注目の動き2件である。SIAのIP懸念、そして議会の取るに足らない特許侵害訴訟を抑制する法案と、ともに今後の推移を見守って我が国としてもあるべきスタンスを考える必要があると思う。

【米国での特許対応】

◇SIA Highlights IP Concerns in Key Markets (2月10日付け SIA Press Release)
→SIAが最近、Office of the U.S. Trade Representative(USTR)が発行した年次レポート、2014 Special 301 Reviewについての書面コメントを提出、本レポートは米国通商パートナーの知的所有権の保護および施行について妥当性および実効性を取り上げている旨。SIAのIP prioritiesは半導体メーカーがビジネスを行うすべての地域にわたるが、SIAのSpecial 301 submissionは特に4つの市場、中国、インド、ロシアおよびブラジルにおけるIP懸念への注意を喚起している旨。これらの地域でのSIAのトップIP懸念として、半導体模造, 通商秘密保護, 特許保護, utilityモデル特許, 強制的licensing, および歪める国内IP優先がある旨。この書面提出を通してSIAは、各政府がこれらIP問題にさらに重点化するよう急がせている旨。

◇Patent Suit Bills Found Wanting (2月11日付け EE Times)
→米国議会が、取るに足らない特許侵害訴訟を抑制する法案をまもなく通す見込み、しかしながらexpertsは、現状の法制化原案はhardデータの不足から動きを妨げられ、意図的でない結果をもたらす可能性、と警告の旨。


≪グローバル雑学王−293≫

プロテスタント、ローマ・カトリック教会から分離した人びとであるピューリタン(清教徒)たちがアメリカをめざし、そうしてつくられたアメリカ合衆国の行動原理というものを、

 『世界は宗教で動いてる』  
  (橋爪 大三郎 著:光文社新書) …2013年6月20日 初版1刷発行

より、2回に分けてみていく。政治面、経済面、そして社会面で自分なりに捉えているアメリカ観を改めて考えさせられている。


第二講義 宗教改革とアメリカの行動原理−ウオール街の"強欲"をどう考えるのか

クエスチョン1 宗教改革とはなにか

◆宗教改革はキリスト教の特徴
・宗教改革が起こったのは、キリスト教ならではのこと
 →ユダヤ教にも宗教改革のようなことが起きた可能性がなくはないが、イスラム教に同様なことは不可能
・「神の子」が生まれたというキリスト教の考え方を、クルアーン(コーラン)は手厳しく批判
・宗教改革とは、一神教の原則に立ち戻って、信仰共同体の現状を改めること
・イスラムの人びとは、このままいつまでもイスラム法に従って生きていくのが正しい、ということに

◆宗教改革はなぜ西側で起きたのか
・東方教会(ギリシャ正教)に、宗教改革は起こらなかった。起こる余地がなかった。
 →ローマ帝国の東西分裂(395年)後、西ローマ帝国はたちまち衰微したのに対し、東ローマ帝国は長く強力な帝国であり続けた
・政治権力と教会の権威が連携する東方教会のシステム
 →マルクス=レーニン主義に受け継がれ、共産党の支配を内側から批判することは、極めて困難
・ルターが現れた当時のドイツ
 →政治権力が分裂、宗教改革のような運動が広がる余地

◆改革とはなにか
・ルターはカトリック教会を、聖書を根拠に批判
 →聖書に書かれていないことがらは認めることはできない、と主張
・カトリック教会が用いていたのは、ラテン語の聖書。5世紀初めのヒエロニムスによるウルガータ訳で、翻訳には問題
・カトリック教会は、典礼(ミサなどのこと)でラテン語を用いる、という原則を固守
 →カトリック教会の一体性を保証、信徒にとってちんぷんかんぷんな言葉を使うことに
・聖書そのものよりも、教会で聖職者が語る説教や問答が重要視されてきた面
 →カトリック教会では説教や問答のもとになる教義を整理、「カテキズム(公教要理)」というものにまとめた
 →問題は聖書と、このカテキズムが、一致しないこと
・カトリック教会を破門されたルターは、いわばお尋ね者状態に
 →支持者の領主にかくまわれ、10年をかけて聖書のドイツ語訳を完成
 →当時の最新技術、印刷術によってどんどん印刷された
 →人びとの聖書に対する知識は飛躍的に高まり、宗教改革は、いよいよ後戻りできない段階に

◆なぜルターは改革に成功したのか
・なぜドイツの封建領主は、ルターを助けたのか?
 →ドイツは、統一が遅れ、中小の諸侯が乱立している状態
 →カトリック教会の言うことを聞かなくてもいいというルターの説は、財政負担が削減できる、おあつらえの学説
・ルターはどのように聖書の翻訳に取り組んだのか?
 →原文から訳すことが大事。ヘブライ語とギリシャ語ができなければ、話にならない。
・1453年に東ローマ帝国が滅亡
 →大勢の学者が逃れてきて、ギリシャ・ローマの古典も伝えられた
 →人文主義(キリスト教と関係がなくても、ギリシャ語やラテン語の書物を読もうという運動)の盛り上がり
・イスラム世界からの影響も、大
 →キリスト教徒は生徒のようになって、イスラムの学者から哲学や神学を学んだ
・宗教改革の結果、多くの人びとが聖書を読むように
 →大きな変化

クエスチョン2 宗教的寛容とはなにか

◆宗教改革がもたらしたもの
・カトリックからすると、ローマ教皇の権威を認めないプロテスタントは敵視することに
・プロテスタントにしてみれば、人間のつとめは神のみに従うこと。聖書を重視。
 →神の計画に反対する悪魔かもしれないということで、カトリックを敵視することに
・気がついてみたら、100年以上にもわたって、宗教を理由とする殺し合いに
 →フランスのプロテスタントは「ユグノー」と呼ばれ、少数派。1572年の「サン・バルテルミの虐殺」は有名。
・極めつき、全ヨーロッパを巻き込んだ、いわゆる「30年戦争」
 →歴史上初めて、多国間の条約(ウエストファリア条約)が結ばれて決着
 →カトリックとプロテスタントが同等の権利をもつことが、規定
・フランスでは内戦の結果、多くのユグノー(プロテスタント)が、国外への移住を余儀なく
・イングランドのヘンリー八世がカトリック教会と絶縁、英国国教会をつくったとき
 →国民は改宗を強要された
・新大陸に自由な信仰の共同体をつくればよいのでは
 →ピューリタン(清教徒)たちがアメリカをめざした動機
 →アメリカ合衆国がつくられた端緒
・ピューリタンは、プロテスタント、ローマ・カトリック教会から分離した人びと
 →ルター派、カルヴァン派、再洗礼派などいくつもの教派
 →イングランドのカルヴァン派のさまざまなグループを総称して、ピューリタン
・アメリカの理想が成り立つためには
 →政教分離
 →信教の自由

◆アメリカとピューリタン
・英国国教会の改革を唱えたものの、弾圧
 →100人あまりがメイフラワー号に乗って、1620年、新大陸へ
 →アメリカの始祖、ピルグリム・ファーザーズ
  (注)実際には、ヴァージニア植民地が1607年に拓かれている
・イスラエルは先住民(パレスチナ人)を押しのけて、周辺のアラブ諸国から存在を認められず
 →建国の正当性に疑問があるところが、アメリカのよう
・現在、世界中で最もイスラエルを支援している国がアメリカ
 →アメリカの建国の事情と通じるところ
・ピューリタンは、カルヴァン派で、「救済予定説(predestination)」の考え方
 →神は全知全能、誰を救済し誰を救済しないか、あらかじめ決まっている
・この考えからくるいくつかの帰結
 →第一:徹底した個人主義
  第二:徹底した人間不信
 →心から信頼できる共同体を作れず、せいぜい条件つきの機能集団(association)
 →アメリカは法の支配する国。弁護士が大勢いて、裁判だらけ。
・共同体がいいか、アメリカみたいな個人主義がいいと考えるか、個人の生き方の問題
・入植当初に散在した宗教共同体は、次第に当たり前の教会に
・アメリカでは、州により信仰に対する態度が微妙に異なる
 →クウェーカーの指導者、ウィリアム・ペン(1644〜1718年)がつくったペンシルバニア州
 →宗教的動機で最後にできたユタ州。モルモン教徒が集まる。モルモン教は、キリスト教ではないことになっている。
・キリスト教は、まず不寛容があり、それの裏返しとして、寛容をやっと成立させた
 →ここに至るまでにはあまりにも多くの流血

ご意見・ご感想