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2022年世界半導体企業売上高ランキングで日本勢トップ3は16〜18位に

英国に本拠を置く市場調査会社OMDIAは、自社のウエブサイト上で「2022年世界半導体企業の売上高ランキングトップ10」(参考資料12)を発表したが、日本企業は含まれていなかった。トップ15まで枠を広げても日本企業の名は出てこない。そこで、本稿著者が、OMDIAに取材して独自にトップ20まで枠を広げたランキングを入手したところ、やっと日本勢トップ3が団子状態で16〜18位に登場した。(表1)。

2022年半導体企業ランキングトップ20 / OMDIA

表1 2022年世界半導体企業売上高ランキングトップ20 出典:OMDIA, 2023年3月


ルネサス、キオクシア、ソニーが三つ巴で日本勢のトップ争いへ

2021年の日本半導体企業トップは、キオクシア(当時の世界順位13位)だったが、2022年は折からのメモリ不況で、売上額が15%下落してしまい、順位を4つ落として17位に留まった。これとは対照的にルネサスエレクトロニクスは、売上を15%増やしてキオクシアを抜いて日本企業トップとなった。しかし、ルネサスは2021年に17位だった米Analog Devicesに抜かれた結果、順位は16位のまま変わらなかった。Analog Devicesは、前年比24%増で飛躍し、ルネサス、キオクシアを追い抜き、15位につけた。2021年に米国政府の対中半導体輸出規制の影響を受けたソニーセミコンダクタソリューションズは、順位を1つ上げて18位となった。

今回明らかになった11〜20位にランクされた10社のうち、マイナス成長のキオクシアおよび1桁成長のソニーを除いた残りの8社はすべて2桁成長を遂げた躍進企業であることが注目される。ソニーより下位の2社は24%台の急成長で日本勢に迫ってきている。日本勢はうかうかしていると、メガトレンドに乗って急成長する欧米勢に先を越されてしまいそうだ。日本半導体企業は、現状維持ではなく、トップ10入り目指して奮起を期待したい。次の言葉を日本勢に送る;

To Remain static is to lose ground –David Packard
(現状維持は負けと同じだーHewlett-Packard共同創業者のデビッド・パッカードが生前シリコンバレー経営者に送ったことば)

国際技術ジャーナリスト 服部毅

参考資料
1. "Omdia: 2022, a Record Year for Semiconductors that feels Anything But", Omdia, (2023/03/02)
2. 参考資料1に解説記事として 
Omdiaも2022年世界半導体トップ10を発表、Gartnerと比較する」、セミコンポータル (2023/03/08)

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