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今後の成長が期待されるフリーの CPUコアRISC-V、専用プロセッサを射程に

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RISC-Vアーキテクチャが注目されている。キオクシアの製造パートナーであるWestern DigitalはフラッシュコントローラにRISC-Vコアを使うため、主要メンバーに最初から参加している。RISC-V Internationalというコンソーシアムの会員数は100社を超えている。それを加工して実際のMPUに実装するため、マルチコアへの対応やパイプラインの増強など並列処理を加えたりするスタートアップも登場している。その一つ、米SiFive(サイファイブ)社が日本事務所を開設、日本でも使えるようにサービスを提供し始めている。

2022年11月29日開催SPIフォーラム「フリーのCPUコアRISC-Vの現状と可能性」

図 SPIフォーラム「フリーのCPUコアRISC-Vの現状と可能性」


欧州からもユーザーがコンピュータシステムや組み込みシステムにもっと自由にカスタマイズできるようにするための開発ツールを提供する企業が日本でもオフィスを構えるようになった。Codasip(コーダシップ)社である。

これからのCPUコアとしてRISC-Vを日本でも普及させるための活動も始まっている。RISC-V協会の理事に、かつて日立製作所でSHマイコンと呼ばれるヒットを飛ばした河崎俊平氏が就任、米国との橋渡しを行っている。

基本ソフトの一つLinuxは、携帯電話やスマートフォン向けのAndroid OSやコンピュータ用途として大きな発展を見せてきた。CPUでもLinux同様、RISC-Vコアは無料のCPUコアとして、これから大きく発展しようとしている。すでに市場規模も拡大し始めている。

これまでCPUはパソコン向けにIntelのx86アーキテクチャが開発され、さらにデータセンターやHPC(高性能コンピューティング)向けに発展してきたが、内容を公開していないため誰でも使うことはできない。ArmのCPUコアは低消費電力化を売りにモバイル応用で大きく発展してきた。

しかし、共に性能を上げようとして様々な機能を追加したり、また過去のソフトウエアが使えるようにしたりするため、後位互換性を重視しており、命令セットが増加の一途をたどってきた。例えばIntelのCISC(Complex Instruction Set Computer)アーキテクチャでは1500命令もあり、Armでさえ後位互換性を保つため500命令もあるといわれている。

これに対してRISC-Vコアにはわずか47命令しかない。残りはユーザーが自由にカスタマイズできるように拡張できるアーキテクチャとなっている。これからは、IntelやArmのような汎用プロセッサではなく、ドメインコントローラなど専用的なプロセッサが求められている。専用プロセッサとしてのRISC-Vが注目されているのだ。

セミコンポータルでは、RISC-Vコアの現状とこれからの発展を見据えたセミナー、SPIフォーラム「フリーのCPUコアRISC-Vの現状と可能性」を11月29日13:30から開催する。これからの主流の一つになる可能性を秘めたRISC-Vの基本的なことが全てわかるセミナー構成となっている。会員だけではなく一般参加も可能なオープンシステムのSPIフォーラムである。

(2022/11/18)

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