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GlobalFoundries、10年間のfinFET開発を経て14nmプロセスで実現へ

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「これまでプロセス世代は2年間の開発期間を経てきたが、20nmから14nmへは1年で到達できそうだ」。こう語るのは、グローバルファウンドリーズ(GlobalFoundries)のグローバルセールス兼マーケティング担当上級バイスプレジデントであるMike Noonen氏。アジア各地でメディアとのロードショーを行い、最終地の台北と東京との間で電話会見を行った。

図1 GlobalFoundriesのグローバルセールス兼マーケティング担当上級バイスプレジデントであるMike Noonen氏

図1 GlobalFoundriesのグローバルセールス兼マーケティング担当上級バイスプレジデントであるMike Noonen氏


これまで、グローバルファウンドリーズは130nmから90nm、さらに65nm、45/40nm、28nm、20nmへと各世代へ移行するのに2年を要した(図2)。14nmプロセスには初めてfinFETトランジスタを導入するが、グローバルファウンドリーズはそれを10年前から開発してきたため、導入はかえって早まると見ている。特に、IBMとのコラボレーションにより、finFET単体の開発とシステムレベルのSoC設計を活用できたことが大きいとしている。


図2 14nmプロセスの導入は早まる 出典:GlobalFoundries

図2 14nmプロセスの導入は早まる 出典:GlobalFoundries


14nmプロセスでは、finFETトランジスタ部分の最小寸法は14nmだが、トランジスタ以外の部分は20nmのLPMプロセスを組み合わせる。さらに、これまでのプレーナトランジスタからfinFETトランジスタへの移行にはFFM(Fin-Friendly Migration)と呼ぶ独自のルールを作り、スムーズな移行を可能にしている。

この独自のルールは、20nmプロセスを開発する時に、14nmのfinFETプロセスを意識してモジュラー化を図ったものだとしている。移行するために必要なルールは当初7000もあったが、20nmプロセス開発と共にこのルールの数を70に減らしたという。同社が持つさまざまなセルライブラリにFFMルールを当てはめ、特性評価も行った。さらに、配置・配線のルールは20nmプロセスをベースにしており、ライブラリのセル内はコンパクトな配線にし、セル-セル間の配線経路も最小になるようにした。このようにして、20nmから14nmプロセスへの移行を容易にした。この結果、RTLやネットリストのレベルでも容易にプロセスを移行できるようになった。

同社は28nmプロセスでHKMG(High-k Metal Gate)ゲートファースト構造を使い、20nmプロセスではゲートラスト構造に移行をするとしていた。HKMGプロセスのゲートファーストはメタル材料に制約があるものの、従来のポリシリコンプロセスの延長線にあるため28nmプロセスは比較的やりやすかった。グローバルファウンドリーズは「これまでに40万個生産してきた実績がある」とNoonen氏は言う。ゲートラストで28nmプロセスをやっていた半導体メーカーはずいぶん苦労していたと言われている。では、グローバルファウンドリーズにとって20nmで初めてゲートラストを経験することになる訳だが、昨年はすでにこのゲートラストプロセスの開発で随分苦労してきたらしい。しかし、HKMGのノウハウを貯めてきたため20nmプロセスの欠陥は最近少なくなってきたとしている。

14nmプロセスでのリソグラフィにはダブルパターニング技術を使うが、「重要なことはダブルパターニングを使う工程をできるだけ少なくしたことだ」とNoonen氏は述べる。「だから、20nmプロセスと組み合わせる」のである。マスク数はできる限り減らしたいため、28nmプロセスの時と同様、まず配線総数を想定し、その後どうやってマスク数を減らすかを考えながらプロセス設計を行っているという。

20nmから14nmへの移行はわずか1年だが、20nmをスキップする訳ではない。顧客によって20nmプロセスを続けることを望む所もあり、加えて14nmの客もあり、しばらく生産ラインを並列に走らせることになりそうだ。

14nmプロセスを使った最初のテープアウトは2013年末になる見込みで、その量産時期が14年になることから、2014年に14nmというロードマップを描いている。最初の顧客に向けた製品はインテルと競合する製品となろうという。

(2012/10/02)

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