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グローバルファウンドリーズ、世界中の拠点と28/22nmなど先端技術で差別化

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米グローバルファウンドリーズ(GlobalFoundries)社の将来に向けた戦略が次第に明確になってきた。昨年の4月にAMDからスピンオフしてファウンドリ企業として独立、その後シンガポールのチャータードセミコンダクターも買収して、プロセスのポートフォリオを広げた。2010年1月に統合が完了して5カ月になろうとしている。

グローバルファウンドリーズのグロースCEO

グローバルファウンドリーズのグロースCEO


このほど来日したグローバルファウンドリーズのダグラス・グロース(Douglas Grose)CEOは、米国、ドイツ、シンガポールを生産拠点とする文字通りグローバルな3極体制を組み地政学的なリスクの少なさを有利な点としながら、並行して複数の先端技術を開発し、さらに高い稼働率を維持しながらシンガポールの65nm、さらには45nm技術をドイツのドレスデンにスムースに移転していくことを2010年の戦略に据えた。

同社はチャータードセミも傘下に収めたことから、45nm/40nmの先端技術だけではなく、根強い需要のある0.13μm、0.35μmのプロセスの手も緩めない。これらのラフパターンの製品は高耐圧デバイス、不揮発性メモリー、RF回路などのオプションがあり、200mmウェーハ事業として年間220面枚の規模に達している。ファブレスとIDMを合わせて150社もの顧客を獲得している。

先端の300mmファブには、ドイツドレスデンのFab 1、シンガポールのFab 7、ニューヨーク州のFab 8がある。Fab 1とFab 7はそれぞれ月産6万枚、5万枚を量産している。ニューヨークのFab 8は現在、工場を建設中で20%の建物が完成した。2012年には28nmプロセスで生産を始め、2013年には3極合計で年産160万枚に達するという。


最先端の300mmファブは世界3極体制

最先端の300mmファブは世界3極体制


32nmからは、High-kメタルゲートのプロセスを使うが、ゲートファースト手法を使うとしている。現在の計画では、32nmプロセスはSOI CMOSでしか使わないが、顧客が1社しかなく、多くの顧客は28nmへのシフトを要望しているため、グローバルファウンドリーズは32nmのCMOSバルクではなく、28nmのCMOSバルクプロセスへ注力している。


テクノロジーと高付加価値ソリューション


今後のロードマップ

今後のロードマップ


その先はどうか。22〜20nmはおそらく、液浸リソグラフィを使いダブルパターニング技術でいけると見ている。現在、EUVのリソグラフィも検討しているが、装置とレジスト、マスクなどについて研究開発チームは深く検討しているという。マスクについてはドレスデンにあるマスクメーカーと共同で研究開発しており、すでに60枚以上のマスクを出荷してきたという。総合的な感触として、EUVが使われるようになるのは20nm以下からだろうと見ている。

こういった先端技術だけではない。グローバルファウンドリーズは「開発期間(time to market)の短さもビジネスモデルとして重視している。かつて45nmの量産立ち上げでは競合ファウンドリと比べ、わずか3四半期でゼロから2万5000枚/月まで立ち上げ、他社を圧倒したと、市場調査会社のInternational Business Strategies社が示している。これは高集積のAMDのx86系CPUを立ち上げた実績から来るという。

(2010/05/27)

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