GlobalFoundriesが28nm/22nmのFab2ラインの起工式を7月24日に行う
米GlobalFoundries社がニューヨーク州サラトガ郡に建設する300mmプライムウェーハ工場Fab2の起工式を7月24日に行うことを明らかにした。かつてアプライドマテリアルズ社やLSIロジックに在籍していたことのある、Fab2の責任者Norm Armour氏がセミコンウェスト2009において、「装置メーカーにとってのグッドニュースは米国に最先端の工場を戻したこと」と述べ、拍手喝采を浴びた。
同社バイスプレジデント兼ジェネラルマネジャーであるArmour氏は、Fab2の計画を語り、2010年はじめに建屋が完成し、2010年後半にFabラインが完成、そして2011年後半に稼働開始するとしている。
同社がこれまでのファウンドリのビジネスモデルとの大きく違うことを同氏は強調する。まずオースチン、ニューヨーク州、シリコンバレーとファブが分散していること、IBMとのコラボレーションによるプロセスの標準化をしていること、さらに世界中のエンジニアを活用できること、そしてカスタムデザインによるプロセス構築ができること、を挙げている。従来なら国や地域に限定したファブラインやそこにおける開発、地域にしかいないエンジニアなどの違いがあったとしている。特に、PDK(プロセス設計キット)を提供し、顧客とのコラボレーションがやりやすいことも強調する。
「最先端ファウンドリのスキルを米国に戻し、米国の製造業の競争力を付けられる重要な位置に来た」と述べた。このために、ニューヨーク州の官民の投資が最も大きく、42億ドル(4000億円)の規模に達すると見積もっている。これによって1400名の直接雇用を生み、間接的には5000名の雇用を生むと見ている。ニューヨーク州での技術クラスタのインパクトは大きく、レンセラー工科大学などの教育機関やニューヨークという経済の街、そして最先端ファブというエコシステムが出来上がるとする。
300mmウェーハを使うFab2では、当初28nmプロセスからはじめ、22nmプロセスも品質認定していく。ラインが立ち上がると3万5000枚/月の生産能力を持ち、ドイツのドレスデンでの経験をテコに世界クラスの効率と歩留りを達成できると述べる。そのためにドレスデンの40nmラインで使っているAPM(automated precision manufacturing)の次世代版を採用し、ラインすべてに渡りリーンプロセスを基本とするとしている。さらに、グローバルなファブのネットワークを集積し、相互に使えるような技術を開発する。
このファウンドリがあると顧客に自信を与え、最先端技術の能力を広げることができ、部品供給の要求にうまく合わせていくことができるとしている。
Fab2の仕様として、ファブ全体が883,000平方フィート、そのうち、クラス100のクリーンルームは300,000平方フィート、事務所が220,000平方フィートなど、総計1,327,420平方フィートに上る。予備の建物が33,699平方フィートある。当初の生産能力は35,000枚/月だが、少しずつ6万枚/月に上げられるようになっているという。
これまで、SOI向けのFab1 モジュール1ライン、バルクCMOS向けのFab1 モジュール2ラインと合わせて、45nm/32nm/28nm/22nmプロセスのハイkメタルゲート、液浸リソ/EUVなどのプロセスのポートフォリオができる。