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Infineon、Cypress買収で旧富士通系も融合させた新マイコンを開発中

Infineonは7月マイコンセミナーを開催、従来のXMCマイコンに加え、買収したCypressのpSoC、それ以前の旧富士通系のFMシリーズマイコンを融合・拡張性を持つ新マイコンを開発していることを明らかにした。全てArm Cortex-MシリーズのCPUコアを備えているため、比較的融合させやすく、3社の特長を集積したものになりそうだ。

図1 Infineonがハイブリッド開催したマイコンセミナーで挨拶する針田靖久コネクテッドセキュアシステムズ事業部長

図1 Infineonがハイブリッド開催したマイコンセミナーで挨拶する針田靖久コネクテッドセキュアシステムズ事業部長


Infineon Technologiesは元々Aurixというブランド名のハイエンドマイコンやOPTIGAマイコン、XMCマイコンを持っているが、ここに旧Cypress SemiconductorのマイコンpSoCに加え、Cypressが買収した旧Spansionのマイコン(旧富士通のマイコン)が加わった。Aurixは車載と産業用のハイエンドマイコンだが、Spansionが持っていたクルマのクラスタ表示向けのTreveoマイコン、そして静電容量型タッチセンサのコントローラでAppleに採用されたことのある小さなマイコンpSoCなど、マイコンの製品ポートフォリオが広がった。

Infineonのマイコンの最大の特長はさまざまなセキュリティ回路が集積されていること。7月に開催された同社のマイコンセミナーでは、pSoCに力点が置かれていた。pSoCはアナログ回路もプログラムできる小さな8ビットマイコンから出発したが、現在では32ビットのArm Cortex-M0〜M4をCPUコアとする性能向上も図っている。これまでの開発ツールやソフトウエアなどが充実しており、同社のマイコンやセンサを使ったさまざまなソリューションを技術商社のマクニカがサポートしている。

今回のマイコンセミナーの中ではpSoCを用いたIoTデバイスの紹介が多かったが、昨年発表したpSoCやXMCシリーズ、FMマイコン(旧富士通系)に続く新しいマイコンを開発中であると述べている(図2)。それは、それぞれを融合させると共に拡張性を備えたマイコンだとしている。旧富士通系のFMマイコンが得意なグラフィック処理機能、元々Infineonの得意なセキュリティ機能、さらにAI(機械学習)機能、ネットワーク接続機能、CPU処理性能などを高めたマイコンだという。近日中にリリースすると述べている。


Infineon MCU new product portfolio to be launched soon !! / Infineon Technologies

図2 開発中のマイコンはInfineon、旧富士通、Cypressを融合したものとなる 出典:Infineon Technologies


開発中マイコンのCPUはマルチコア構成で、一つのコアはArmのCortex-Mxシリーズを継承する。このため3社のマイコンの特長をできる限り集積しやすい。豊富なHMI(ヒューマン-マシンインターフェイス)を揃えたMCUと、工業用の品質を備え、ECC(誤り訂正回路)を搭載したMCUの2種類を開発中だ。

この所、欧州の車載マイコンでは、マルチCPUコアを搭載し、冗長性と性能・電力効率の良さを求めるようになっている。車載マイコンでは、STMicroelectronicsやNXP Semiconductor(参考資料1)などが複数のECU(電子制御ユニット)を制御できるドメインコントローラを発表しており、今回のAI回路搭載マイコンはその狙いがありそうだ。

ドメインコントローラは複数のマイコンを束ねるだけではなく、効率よく動かすための仮想化技術を使うことを前提としており、ハイパーバイザーソフトウエアも用意する必要がある。車載コンピュータを仮想化して複数のアプリケーションで動かすことができれば、これまで増加する一方だったECUを簡素化し、ハイヤーハーネスのような配線数を少なくし、クルマの機能を上げながら軽量化できるようになる。

参考資料
1. 「クルマは走るデータセンターに、仮想化技術を駆使」、セミコンポータル (2022/07/06)

(2022/07/26)

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