セミコンポータル
半導体・FPD・液晶・製造装置・材料・設計のポータルサイト

Intel、第3世代のXeonスケーラブルプロセッサをソリューション提供

Intelは、最大40CPUコアを集積した第3世代のXeonスケーラブルプロセッサを発表した(図1)。クラウドやデータセンター、HPCなどに向けたハイエンドプロセッサだ。前世代のXeonプロセッサと比べて最大1.46倍の性能向上だとしている。やはり1.74倍の推論演算を持つAI(ディープラーニング)専用のプロセッサを集積し、さらにメモリ保護や暗号化アクセラレータを集積、セキュリティを強化したことがチップの特長。

図1 Intelが開発した第3世代のXeonスケーラブルプロセッサとXeon VPのLisa Spelman氏

図1 Intelが開発した第3世代のXeonスケーラブルプロセッサ シリコンウェーハを持っているのはIntel社データプラットフォームグループ Xeon/メモリグループでコーポレートVPのLisa Spelman氏 出典:Intel Corp.


これまでもIntelは、ハイエンドのCPUであるXeonプロセッサをサーバ向けに大量に出荷してきた。このCPUをサーバに搭載したクラウドプロバイダは800社を超えるとしている。CPUコア数で言えば、2013年以来、累計で10億個にも上るという。さらに、チップを並列接続して拡張性を設けられるスケーラブルプロセッサは、累計で5000万個以上出荷してきた。

今回、プロセッサだけではなく、データセンターでのコンピュータシステムに必要なFGPAのAgilex新製品や3種類のメモリ新製品(速度の順から、Optaneパーシステントメモリ200シリーズ、Optane SSDのP5800X、144層QLC NANDフラッシュのストレージSSD)、そして外部との通信インターフェースであるPCIe 4.0で200GbEのイーサネットチップ新製品E810-2CQDA2も、チップセットとして用意し、データセンター向けソリューションとして提供する(図2)。これによって、システムレベルでのソフトウエアを最適化できるとしている。


インテルの最新データセンター・ポートフォリオ/第3世代インテルXeonスケーラブルプロセッサー(開発コード名: Ice Lake)

図2 Intelは新製品Xeonに加えてFPGAとメモリ、ストレージ、通信Ethernetチップもチップセットとしてソリューション提供する 出典:Intel Corp.


この第3世代Xeonスケーラブルプロセッサ(コード名Ice Lake)は、最初の10nmプロセスを改良したものだとしている。ただし、第11世代Coreプロセッサで使われたSuperFinFET技術(参考資料1)は使っていないという。また技術的に性能を上げられたのは、Sunny Coveと名付けられたCPUコアのマイクロアーキテクチャを改良したことによる。例えば、アウトオブオーダー実行命令の範囲を従来の224個から532個に増やしたり、レジスタファイル数を整数と小数点演算で共に増やしたりしたなどがある。

AI専用のプロセッサそのものは、第2世代の8280(コード名Cascade Lace)と比べた性能を発表している。画像認識Mobilenet-v1だとリアルタイム推論で1.59倍、バッチ推論で1.66倍、画像分類のResNet-50-v1.5ではそれぞれ1.52倍、1.56倍、さらに自然言語処理のBERT-largeではそれぞれ1.45倍、1.74倍と処理時間が高速化した(図3)。ただし、内部構造に関しては明らかにしていない。


AI Performance Gains

図3 AI専用プロセッサの性能も上げた 出典:Intel Corp.


3番目の特長であるセキュリティの強化に関しては、3つの技術を導入した。1つは、SGX(ソフトウエアガードエクステンションズ)と呼ぶ機能で、OSやVM(仮想マシン)マネージャーの脆弱性をつかれてもアプリケーションデータを守り、ソフトウエアへの攻撃に対する防御ができる。また、2つ目は、メモリ領域全体を暗号化することで、たとえ攻撃されてもデータを読めなくする保護を設けた。3つ目は暗号化と解読化するためのアクセラレーション演算命令をCPUコアに設けたことだ。512ビットと大きな数の暗号化演算を行う命令や、ベクトルAES(Advanced Encryption Standard)命令と桁上げなしベクトル乗算命令、拡張SHA(Secure Harsh Algorithm)などを追加している。これにより暗号化演算をCPUが実行しやすくなる。

今回発表されたXeonスケーラブルプロセッサのチップセットを使ったサーバを同日、Supermicro Computer社が発表している(参考資料2)。DISHのエッジ基地局向けや大阪大学に納めているという。

参考資料
1. Intelの11世代プロセッサ、微細化よりもFinFETと多層配線に工夫 (2020/09/04)
2. Performance Begins Now X12

(2021/04/08)

月別アーカイブ

セミコンポータルはこんなサービスを提供します