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Xilinx、FPGAアクセラレータカードでGPUより高速・低消費電力を実証

Xilinxがデータセンター向けのFPGAハードウエアアクセラレータALVEO(図1)に力を入れている。このアクセラレーションカードは、サーバなどのコンピュータに接続してそのまま使える。アクセラレータのコアにはFPGAを使っているためハードワイヤードロジックで高速、しかも再構成できるフレキシビリティを持つ。最新製品ALVEO U280は機械学習を意識してINT8(8ビットの整数演算)で24.5TOPsの性能を持つ。

図1 データセンター向けアクセラレーションカードALVEO 出典:Xilinx

図1 データセンター向けアクセラレーションカードALVEO 出典:Xilinx


ALVEOはアクセラレーションカードであり、CPUの高速PCIeコネクタにそのまま刺して使う。半導体メーカーであるXilinxがアクセラレーションカードをCPUとのコンパニオンカードという形でCPU(コンピュータ)に実装できる形まで仕上げた。これまで機械学習用に手ごろな18.6TOPs(INT8)のALVEO U200とハイエンドの33.3TOPs(INT8)に加えて、今回ミッドレンジの24.5TOPs(INT8)をサンプル出荷した。ミッドレンジといえ、今回初めてHBM2メモリを採用、メモリバンド幅を460GBpsと大きく広げた。このアクセラレータがあれば、AI対応が進んでいないサーバにも機械学習の機能を付けることができる。

本質的にこの製品が使われる応用はデータセンターである。データセンターには3つの役割がある。計算(Compute)とストレージとネットワーキングだ。具体的には、計算処理では、機械学習の推論や、データベース/ビッグデータ、ビデオ伝送、金融サービス、ゲノミ編集、高精度HPC、機械学習などをおこない、ストレージでは圧縮や暗号化、暗号鍵の格納などを行う。演算器をメモリのそばに置く場合にはFPGAは都合が良い。ネットワーキングでも暗号処理を伴うIPsecやセキュリティ、モニタリングなどにFPGAがレイテンシや効率の最適化を図れる。

同社のKen Way氏はデータセンターの鍵となる戦略を3つあるという。一つはシリコンベースのプラットフォーム(この場合はALVEO)を持つこと、次が使い勝手を良くするためのエコシステムを開発すること、3つ目がエンドカスタマやOEM/ODMのパートナーだとしている。

具体例として、スマートシティなどのセキュリティ監視カメラのデータ解析を従来のCPUとGPUで行う場合と、CPUとFPGAで行う場合を比較した(図2)。従来はCPUでH.264デコードとモーション解析を行い、GPUでCNN(畳み込みニューラルネットワーク)処理を行っていたが、CPUとFPGAで行うシステムでは、CPUではH.264処理だけにして、FPGAでCNNとモーション解析を行う方が消費電力も性能も良かった。


図2 セキュリティカメラの画像処理をFPGAの方がGPU方式より高速で低消費電力 出典:Xilinx

図2 セキュリティカメラの画像処理をFPGAの方がGPU方式より高速で低消費電力 出典:Xilinx


図2の例では、FPGAとCPU処理の方が消費電力は75Wに対して50Wと25%削減し、レイテンシは82msに対して26.1msと約4倍高速になった。

どのような計算でも、CPUやGPUでもFPGAでも演算は可能ではあるが、処理時間がFPGAのような専用回路で計算するのが、最も速い。例えば、ゲノム解析の時間がCPUなら1日かかっていたが、FPGAだと20分ですむという。

(2019/03/26)

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