セミコンポータル
半導体・FPD・液晶・製造装置・材料・設計のポータルサイト

U-blox、GNSSとLTE内蔵の通信モジュールを出荷

|

GPS受信モジュールで定評のある、スイスのu-blox社は先日、IoT用のトランシーバ規格LTE Cat1に準拠したチップに、GNSS測位エンジンを搭載したモジュール新製品LARA-R3(図1)を発表、このほどその詳細を明らかにした。

図1 GNSS測位計とLTE通信回路を内蔵したモジュールLARA-R3 出典:u-blox

図1 GNSS測位計とLTE通信回路を内蔵したモジュールLARA-R3 出典:u-blox


最近、測位サービスを含めたアプリケーションがスマートフォンの「ポケモンGO」をはじめとするゲームソフトやGoogle Mapsなどに利用され、衛星測位サービスGPS/GNSSとセルラーネットワークとの連動サービスが増えている。ドライブレコーダにも測位計とセルラーネットワークはセットで入っている。

LTE Cat1(カテゴリ1)は、通話やデータサービス中心のスマホに使われる150Mbpsの規格とは違い、データレートはアップリンク(上り)が5Mbps、ダウンリンク(下り)が10Mbpsとさほど速くない。むしろIoT(Internet of Things)として、データレートの速い規格がCat1だ。もっと遅いLTE規格も準備されている。Cat M1は上り・下りとも1Mbps、NB-IoTは上り62kbps・下り26kbpsともっと遅い。

今回u-bloxが発表した通信モジュールは、データレートは中途半端に見えるが、実はM2M通信モジュールをドローンやクルマのような移動体で使う場合には威力を発揮する。特にセルから隣接セルへと移動するときのデータハンドオーバー可能であり、さらに建機やタクシーなどのアセットトラッキングなどにも向く。

LGA(リードグリッドアレイ)パッケージに入っており、セルラーネットワークはGSM(2G)やUMTS、CDMAモジュールからの置き換えを容易にしている。ピン配置は従来製品とできるだけ互換性を持たせており、以下のような応用製品を想定している;テレマティックス、ドライブレコーダ、スマートエネルギーゲートウェイ、監視カメラ、支払いシステム(POS)、デジタルサイネージなど。

同社の通信モジュールを実装する基板設計についてもピン配置などのデザインガイド(図2)を提供している。GSMから3G、LTEへ通信方式が変わり、モジュールの中身が変わっても設計変更することなく、そのまま置き換えられるようにしている。周波数によってコンデンサやインダクタの容量を変えるが、回路基板は変えずに済む。


図2 チップを変えてもIC基板の設計はほとんど変わらない 出典:u-blox

図2 チップを変えてもIC基板の設計はほとんど変わらない 出典:u-blox


LARA-R3モジュールは、ハードウエアとしてはUBX-R3001モデムチップとUBX-R0010のRFチップを集積しており、ソフトウエア部品は図3のようにモデムとしてのATコマンドインタフェースやLTEプロトコルスタックなどを内蔵している。RFチップにはパワーアンプも集積している。さらにGNSSの測位の誤差は、半径2メートル以内と小さく、精度が高い。


図3 LARA-R3通信モジュールのハードとソフト 出典:u-blox

図3 LARA-R3通信モジュールのハードとソフト 出典:u-blox


通信モジュール内にはアンテナパッドが2本あるが、これはLTE用のダイバーシティアンテナに対応する。GNSS用のアンテナはパッケージに内蔵している。クルマや工業向けに85℃までの動作に対応し、85℃以上になると電源が自動的に切れる自動シャットダウン機能を内蔵している。パッケージサイズは、24×26×2.6mmで、ピン数は100ピン。

(2016/12/07)

月別アーカイブ