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USB Type-Cはテレビ端子にも使われるか

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ビデオプロジェクタを使ってプレゼンする場合などにVGA端子やHDMI端子などに悩まなくて済むようになりそうだ。ここにもUSB Type-Cが使われるようになり、このType-CだけでほぼすべてのPCインターフェースを賄えるようになれば、PCもスマホもテレビも全てつながる。このようなICを開発しているファブレスがAnalogix社だ。

図1 USB Type-Cは成長する 出典:Analogix with Strategy Analytics, TSR

図1 USB Type-Cは成長する 出典:Analogix with Strategy Analytics, TSR


Strategy AnalyticsやTSRなどの市場調査会社は、2015年の見込みから2019年までにずっとプラス成長で伸びていくと見ている(図1)。USB Type-CはUSB-Cと略して表記することもあるが、テレビやカーナビにつなぐ規格として、HDMIかDisplayPortかという議論にも終止符を打ち、USB Type-C1本でいくようになる。テレビやプロジェクタとスマートフォンやパソコンとも相性はますます良くなっていく。DisplayPortさらにモバイル用のSlimPortを推進してきたAnalogix社は2016年にはUSB-Cを搭載したテレビが登場すると見ている。

USB-Cは、iPhone 5以降のスマホに使われているリバーシブル(上下を逆にしてもつながる)であり、使いやすい。その上、その配線は、電源とデータ、ビデオの3つを受け持つ。

Analogixは最近、USBとSlimPort TxからUSB-Cに変換するチップANX7418をリリースした(図2)。アプリケーションプロセッサAPからのUSB出力を変換、同社のANX7816と共に2チップ構成でスマホの出力をUSB-Cとすることができるようになる。これによって、従来は5チップ必要だった変換回路を2チップ構成にチップ数を削減できる。これによって低コスト化を図ることができるようになる。5チップだと4ドルのシステムが、2チップでは2ドルになる。


図2 スマホのインターフェースもUSB-Cに 出典:Analogix

図2 スマホのインターフェースもUSB-Cに 出典:Analogix


今年の年末までには、さらにANX7688によって1チップソリューションで、モバイルのシステムコストは1ドルに低減する予定だ。このチップは10月にシリコンが出来上がったばかりで、現在評価中だという。

Analogixはさらにノートパソコン用の端子もUSB-Cにするための1チップANX7428も製品化している。TIやCypress、NXPなどの競合製品と同じだが、Appleのノートパソコンに使われているようで、DisplayPortとUSB3.1、I2CをUSB-Cに変換する。この製品は、Intelのx86アーキテクチャをサポートし、5V@3Aの電源も供給する。

Apple向けだけではない。ハイエンドのAndroid端末向けにANX76xx製品も準備している。これは、16nm Fin FETプロセスを使ったQualcommの最新APであるSnapdragon 820と共に使えるように、USB3.1とHDMI2.0、I2CをUSB-Cに変換する。モバイルレベルで、4K 60HzのDisplayPort Alternateモードを持つ。

(2015/11/17)

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