セミコンポータル
半導体・FPD・液晶・製造装置・材料・設計のポータルサイト

Cypress、Bluetooth LE通信のIoTを簡単に設計できるICとツールを提供

|

Cypress Semiconductorは、IoT応用を狙い、Bluetooth Low Energyチップを2種類(PSoC 4 BLEとPRoC BLE)とそれらの開発ツールを提供し始めた。いずれもCypressがPSoC(programmable SoC)と呼ぶ、アナログ搭載のマイクロコントローラをベースにしたチップである。

図1 Bluetooth Low Energy搭載のIoTを設計できるPSoC 4 BLE(左)とPRoC BLE(右) 出典:Cypress Semiconductor

図1 Bluetooth Low Energy搭載のIoTを設計できるPSoC 4 BLE(左)とPRoC BLE(右) 出典:Cypress Semiconductor


ただし、従来のPSoCは無料の8ビットCPUコア8051をベースにしていたが、さすがに8ビットでは使用メモリ範囲が少なすぎるため、今回のチップではARMの32ビットマイコン用コアCortex-M0をベースにしている。Cortex-M0をコントローラとして使い、Bluetooth Low Energy回路や256KBのフラッシュメモリ、32KBのSRAM、アナログ回路ブロック、各種I/Oポートや周辺回路などを集積している(図1)。Bluetooth Low Energy通信機能とアナログを集積した32ビットマイコンという位置づけになる。

それだけではない。Cypressがこれまで進めてきたスマートフォン用のタッチパネルに使う静電容量型タッチセンサ制御回路CapSenseもPSoC 4 BLEに集積されているため、ディスプレイ上でタッチスクリーン機能も組み込むことができる。加えて、Bluetooth LEを使う以上、低消費電力技術も使うため、スリープモード、ディープスリープ、ハイバネート、ストップという四つの待機モードを使えるようになっている。回路がほぼ止まっているストップ状態からのウェークアップ時間(レイテンシ)は2msと速い。


Cypressが狙う民生用IoT(Internet of Things)では、ホームオートメーションやヘルスケア、スポーツ管理用品、フィットネスモニターなどのウェアラブル端末などとスマートフォンとをBluetooth Low Energyでつなぐ。Cypressのチップと開発システムを使えば、センサ出力からBluetooth通信までIoTシステムを設計できる。


図2 PSoC Creatorを使えば設計が楽 出典:Cypress Semiconductor

図2 PSoC Creatorを使えば設計が楽 出典:Cypress Semiconductor


Cypressは従来のPSoCから提供してきた開発ツールPSoC Creatorに、Bluetooth LE仕様の回路も設計するためのツールBLE Componentも組み込めるようにしている(図2)。PSoC Creatorには75個以上のコンポーネントライブラリを含んでおり、それらをドラッグ&ドロップしてシステムを設計する。Bluetooth LEの部分は、BLE Componentツールを使って設計する。BLE ComponentはBluetooth 4.1仕様に準拠しており、そのプロトコルスタックとプロファイルを簡単に設定できる。

アンテナと直結するAMN(Antenna Matching Network)のRF設計も統合しており、Cypressが提供するAMNにはバランも内蔵しているため、外部部品はLとCの2個で済むとしている。

例えば、心拍数モニターを開発する例では、人体からの2本の電極からのセンサ信号を増幅、フィルタをかけてA-D変換し、デジタル信号処理へとつなぐ(図3)。出力はLCDドライブにつながり、心拍データ入力とタッチセンサ制御、加速度計入力も集積されている。


図3 心拍数モニターを設計した例 出典:Cypress Semiconductor

図3 心拍数モニターを設計した例 出典:Cypress Semiconductor


Cypressによれば、PRoC BLEのチップはもともと、無線マウスやリモコンなどに使う独自仕様の無線回路を主体としたチップにBluetooth LE機能も集積したもの。コントローラには同様にARM Cortex-M0を使うようになったため、ICチップの回路ブロックはPSoCと似ている。

(2014/11/19)

月別アーカイブ