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ルネサス、SH-Naviシリーズのパートナー増強により市場拡大を図る

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SoCビジネスは、1社で何もかも開発すべきデバイスではない。カスタマやサプライヤーとの協力は欠かせない。このほど、ルネサステクノロジは、同社の持つ32ビットプロセッサコアSHシリーズを使った自動車用SoCを開発するため協力パートナー組織であるSH-Naviコンソシアムの会員が2008年度の54社から2009年度には71社と増えた、と発表した。

SH-Naviコンソシアム 参加メンバ社数推移


このコンソシアムに参加するメンバー71社はミドルウエア開発企業が17社と最も多く、次にシステムインテグレータの12社、アプリケーションソフトウエア開発9社と続く。SHコアを使ったSoCの開発には今やソフトウエアの力が欠かせない。メンバー数は毎年増え続けている。これは最近開かれた、SH-Naviコンソシアムにおいて発表されたもの。

ルネサスは、パートナー企業と一緒に組み、新しいSoCと応用を開発した事例として、SH-Navi3と名付けられたSoC、SH7776上で動作する、グラフィックスのエフェクトSpinPlusおよびFlash互換プレーヤーのMachBlueをデモした。SpinPlusはグラフィックスソフトウエアを開発したヤッパ、MachBlueは図研エルミックが提供した組込用のFlashPlayerである。グラフィックスエンジンには英イマジネーションテクノロジのグラフィックIPのPowerVR SGXをSH7776に組み込んでいる。


これらのハードとソフトをSH7776に組み込むことでビジュアルなグラフィックインターフェースを表示できる。開発者は、作りたいエフェクトに必要なAPIを呼びだすだけで17種類のエフェクトをGUIやアプリケーションに実装できる。MachBlueでは例えばアーティスト順に並べられた楽曲のタイトルすべてをスクロールして素早く閲覧できる。携帯機器やカーナビ設計者にとって、自分自身のGUIを簡単に作ることができる。


MachBlue


もう一つの事例として、カーナビの地図を作る業者に向いたソフトウエアを組み込んだSoC、SH-NaviJシリーズがある。ここではエレクトロビット日本が提供するナビエンジンStreet directorと、日立アドバンストデジタルが提供するGPSテストシステムを組み込んでいる。Street directorを使えば欧州や北米、中国など向けにカーナビを作ることができ、GPSテストシステムを使えば、GPSデータを取得してデータベース化するためフィールドテストを再現できる。海外の現地で作成した移動情報を元に、カーナビの動作テストを行うことができる。カーナビで海外進出を図ろうとする企業には打ってつけといえる。


Street director

(2009/10/23)

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