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ライブストリーミング市場に期待するXilinx、ビデオサーバー装置を発表

Xilinxは、FPGAを集積したSoCの使い勝手を改善するため、アクセラレータに特化したモジュールAlveoシリーズを出荷しているが、このほどライブストリーミングサーバー業者と協力し、その性能を確認した。その結果、これまで5台のサーバーが必要だったのが、Alveoカードを8枚搭載したサーバー1台で済むことがわかった(図1)。

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図1 FPGAカードを8枚使うことで1Uサイズのサーバー1台で1080p120の高解像度映像をライブストリーミングで提供できる 出典:Xilinx


今やデータ量が加速して大きくなり、世界中のデータ量は一日当たり、テラバイトの百万倍のエクサバイト(Exa-Byte)の領域にまで増加している。そしてその90%がビデオだと言われている。多くのビデオデータは、高解像度になればなるほどデータ量がさらに増えてくる。

高解像度のビデオをリアルタイムで転送する場合にはかなりのコンピューティングパワーを消費する。テレビの生中継や、遠隔医療、eスポーツやゲーム実況、ライブコンサートのストリーミングビデオなどでは、いろいろなフォーマットの圧縮コーディングを別の圧縮方式に変換しなければならない。H.264からH.265(HVEC)へとか、あるいはその逆などの作業が入る。YouTubeビデオゲームや、Netflixの映画など、動画コンテンツを配信する企業が増えたこともある。

エンコードするデータ量が多ければコストが増えるため、出来れば少ないデータ量で圧縮し、その分少ないデータ速度で転送する方がコストは安くなる。このために高画質の転送には、強い圧縮をかけてもとに戻す場合には弱い圧縮に変換する作業が必要となる。このトランスコーディング作業の演算にコンピューテンング作業が必要になるため、FPGAによるトランスコーディング専用回路を設けたという訳だ。制御用のCPUはもちろん必要だが、トランスコーディングには演算専用のFPGAでアクセラレート(加速する)ことになる。

FPGAベンダーのXilinxは制御用と少し演算も行うためのCPUとしてArmプロセッサを用いていたSoCとしてZynqチップを製品に持っているが、CPUはソフトウエアでプログラミングし、FPGAはハードウエアをプログラミングしなければならない。かなりの面倒を伴うため、Zynq SoCではなく、それを電源回路も組み込んだボードとして作製し、プログラミングの負担を減らしている。AlveoはC言語でソフトウエアプログラミングするためのツールVivadoも提供しているが、今回は目的がストリーミングビデオの転送と、明確になっているため、機器メーカーと協力して装置(アプライアンス)として提供する。

ただし、XilinxはFPGA半導体メーカーであるためアプライアンス機器そのものは販売せず、パートナーであるHPE(Hewlett-Packard Enterprise)社をはじめWistron社、Hypertec社、Boston社が1Uラックサイズにサーバーとして販売する。それぞれの機器内にAlveoカードを8枚あるいは17枚(ただし2Uサイズ)を搭載している。


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図2 Alveo U50とAlveo U30の特長 出典Xilinx


今回、Alveoの新シリーズとしてAlveo U30もリリースした。従来のAlveo U50はコーディングを変換するためのビットレートの最適化に向き、Alveo U30は大量のチャンネル数の転送に向くとしている(図2)。

Xilinxは今後もライブストリーミング市場は伸びると見て、力を入れていく。2019年の市場規模は世界で260億ドルだが、2026年には940億ドルに達するとみている。

(2020/06/17)

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