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QLCを使いこなしたフラッシュアレイのPure Storage社

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NANDフラッシュアレイ製品やソフトウエアをビジネスとしているPure Storage社がQLC(4ビット/セル)方式のフラッシュメモリを採用した製品を発表、ストレージクラスメモリをキャッシュとして用いる選択肢も提示した。「All Flash Arrayを発明して10年経った」と述べる同社戦略部門VPのMatt Kixmoeller氏がこのほど最新状況を紹介した。

図1 Pure Storage社戦略部門VPのMatt Kixmoeller氏

図1 Pure Storage社戦略部門VPのMatt Kixmoeller氏


Pure Storage社は、これまでNANDフラッシュメモリアレイを搭載したフラッシュアレイ製品と同時に、クラウドでの新しいストレージシステムを提案したり(参考資料1)、クラウドでフラッシュアレイを管理するソフトウエアを開発したりするなど、ハードウエアからソフトウエアまで手掛けてきた。データ保存期間を1週間だけではなく3年間も保存してデータ解析可能なソフトウエアも揃えた。

一方、ストレージに保存するデータはますます増加の一途をたどり、データの取り扱いがオンプレミスだけではなくクラウド上でも必須になってきた。そこで、使えるクラウドをこれまでのアマゾンAWSだけからMicrosoftのクラウドAzure上でも扱えるようにした。オンプレ上のデータとクラウド上でのデータを一致させるようなソフトウエアを揃えた。企業はオンプレミスとクラウドの両方のハイブリッドクラウドを使う方向が強まっているからだ。

フラッシュアレイ製品では、信頼性と性能は1ビット/セル方式が最も高いが、価格も最も高い。逆にQLC(4ビット/セル)は信頼性と性能は劣るが、価格は最も安くなる(図2)。QLCのライバルはHDDだとKixmoeller氏は述べる。多ビット/セル方式は1と0の間の電圧差を16/8/4分割して4/3/2ビットで表現するため、電圧のマージンが極めて少なく誤読み込みしやすい。このため誤り訂正回路を駆使して使われてきた。今回QLCではソフトウエアアルゴリズムを駆使し使えるように調整してきたという。


新しいメディアタイプが台頭中

図2 フラッシュメモリが広がった 出典:Pure Storage


フラッシュアレイ製品は、全てNVMeインターフェースを使い、しかもハードウエアを簡素化し、故障数を減らし信頼性を上げたことで、QLCが使えるようになったという。また、キャッシュを用いてレイテンシを最大50%削減し、アプリケーションは2倍高速になったとしている。新製品Flash Array//Cは拡張性に優れ、装置を追加するだけで容量をスケールアップできる。

性能を上げるためにキャッシュにストレージクラスメモリを使う手があり、オプションとして提供するが、自社のアレイでまず性能を評価するために確認していくという。

参考資料
1. ストレージ装置のPure Storage社がクラウドサービスへビジネス展開 (2019/01/09)

(2019/10/11)

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