Nvidiaの最新四半期決算売上額は年率73%増の681億ドル(10兆円)
先週のビッグニュースはやはり、Nvidiaの決算発表だろう。2025年11月〜26年1月期(同社2026年度第4四半期)における売上額はGAAPベース(米国会計基準)で、前年同期比(YoY)73%増の681.27億ドル(約10.5兆円)、営業利益は売上額の65%に相当する442.99億ドルと絶好調である(図1)。半導体企業に適した非GAAPベースではYoYで67.7%増の461.07億ドルにもなる。売上額は3カ月前の決算発表では今期の売上額を650億ドルプラスマイナス2%と見ていたため、これまでの発表と同様、上方修正された格好だ。
図1 Nvidiaの四半期ごとの売上額推移 2024年度第2四半期(2023年5〜7月期)から急速に伸びている。 出典:同社の決算資料からセミコンポータルがグラフ化
2026年度(2025年2月〜26年1月)では、2159.38億ドル(33兆4700億円)になり、YoYで65%成長である。営業利益率はGAAPベースで60.4%にもなる。2025年の世界半導体ランキング(/archive/editorial/market/260227-2025topranking.html参考資料1)では、世界の半導体企業の決算を1〜12月に換算して掲載しているが、Nvidiaの数字はこの2129.38億ドルを用いている。1〜12月の数字を公開していないため、その期間に最も近い数字を使った。
2023年5〜7月期はNvidia以外の半導体企業は2021〜22年の半導体不足の後の低迷期にいた頃だが、Nvidiaはこの時から急成長を遂げてきた。この四半期ごとの決算発表では、次四半期の予想を必ず見積もっていたが、次四半期の実績では全て予想を上回ってきた。にも拘わらず、株価は決算発表後に必ず下がっていた。投資家やアナリストは、Nvidiaという無名の企業が急に株価を上げてきたため、その内下がるだろう、との思いがあったためだ。
しかし、同社は2016年のGTC(GPU Technology Conference)で、AI企業に生まれ変わったことを実質的に宣言していた。日本のAIモデル開発会社のプリファード・ネットワークスと共同開発してきた様子を見せており、PyTorchやプリファードのAIライブラリ「チェイナー」を利用したプレゼンも見せていた。つまり、AIへ会社の舵を切り替え始めたころからAI応用の実績を積んできた。これがNvidiaの最大の強みとなっている。
2012年、カナダトロント大学のヒントン教授(2024年ノーベル物理学賞受賞)の学生がニューラルネットワークモデルで自動認識技術の精度を格段に上げた発表の後、GoogleやMicrosoft、Metaなどのハイパースケーラがそのディープラーニング技術を追試した結果、さらに高精度の(誤認識率が一桁)自動認識ができることが判明しAIブームを作った。NvidiaはハイパースケーラにGPUとソフトウエアCUDAを提供しAI需要を確実につかんでいた。
Nvidiaの2026年4Qでの売上構成を見ると、4つの部門(データセンター、ゲーム、企業向け可視化技術、自動車、その他)別では、データセンター部門の売上額が全体の91.5%に当たる623億ドルとなり、AIデータセンターの伸びが著しい。この売上額はYoYで75%成長、前四半期比(QoQ)で22%増とやはり急成長している。
さらにデータセンター部門の売上比率が大きすぎるため、それをコンピュート部門とネットワーク部門に分けた発表もしている。GPUやCPUなどのコンピュート部門の売上額は513億ドルと最大で、ネットワーキング部門のそれは110億ドルとなっている。ただし、伸び率はネットワーク部門の方が大きく、YoYで3.67倍(267%増)と、コンピュートの1.57倍(57%増)よりも伸びている。単体のGPUやCPUを買ったからと言ってそれらをつなぐNVLinkインターフェイスと、ネットワークプロセッサがなければ、並列動作の性能を上げられない。このためネットワークプロセッサもNvidiaから購入する必要があるのだ。このネットワークプロセッサ市場には、NvidiaやBroadcomに加え、ネットワーク機器のCisco Systemsも独自チップ市場に参入した。
従来のゲームとAI PC分野は、YoY47%増の37億ドルだが、QoQでは13%減となっている。ただし、これは、第3四半期にピークが来る季節要因(クリスマス商戦に向けた需要)によるもので、1年前も同様の傾向であった。この分野ではAI PC向けのLLM(大規模言語モデル)推論動作で35%性能向上させている。
企業向け可視化技術(Professional Visualization)はYoY159%増、QoQでも74%増の13億ドルとなった。この三つの部門では、最新製品のBlackwellというGPUが大きく寄与している。
自動車とロボット部門の売上額はまだ小さく、YoYで6%増、QoQでも2%増の6.04億ドルに留まっている。この部門は自動運転向けのチップだけではなく、ソフトウエアや開発ツールなどを含む開発環境も提供する。例えば、自動運転向けのオープンなAIモデルやシミュレーションツール、データセットなどからなるNvidia Alpamayoファミリを発表、次世代の自動運転向けに、安全で理由付けのしっかりしたAV(自動運転車)開発を推進する。Mercedes-Benzをはじめとするさまざまな自動車のOEMや、ティア1サプライヤ、CAD/CAM/PLMソフトウエアベンダーともパートナーシップを組みAI搭載のAVやロボットの開発を推進している。売り上げに貢献するにはまだ時間がかかりそうだ。
Nvidiaは次期四半期(2027年度第1四半期:2026年2〜4月)の見通しについても発表している。売上額は780億ドルプラスマイナス2%と予想するが、ここには中国向けデータセンターコンピュート部門の売上は含んでいない。
参考資料
1. 「2025年の世界半導体企業トップ20社ランキング、Nvidiaダントツ」、セミコンポータル、(2026/02/27)


