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華為の次の手は海外市場強化、米中摩擦の行方

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米中貿易戦争の影響を受け、華為科技への輸出許可を米商務省が管理しているが、キオクシアのNANDフラッシュ製品の一部が輸出許可を取得したと12月4日の日本経済新聞が報じた。また華為は新しい活路としてインドネシア政府と覚書を交わした。監視カメラメーカーは輸出が落ちているため国内を強化する。日本ではローカル5Gビジネスに2社が参入した。

キオクシアは、日経の取材に対し、ノーコメントの立場を表明したが、4日の報道に対し、当社から出たニュースではないというニュースリリースを出していないことから、許可されたことは事実に違いない。日経によるとサーバー向けのNANDフラッシュ製品のようだ。国内ではソニーのCMOSイメージセンサに続き、承認された。これまでもIntelはパソコン向けの製品、Qualcommは4Gスマートフォン向け製品が許可されたと言われている。

華為はスマホでは部品調達が難しくなってきており、少なくともローエンドのスマホ製品を手放すことを表明しているが(参考資料1)、5Gインフラ系はスマホほどの数量が必要ないため、9月15日までに華為特需と言われるほどじっくり在庫を貯めてきた。この部品を使って5G通信インフラ機器へと展開していくことになる。その一弾として、インドネシア政府と覚書を交わし、「クラウドや5G関連などデジタル人材10万人の育成に乗り出す。自社の職業訓練のノウハウを活用する」と日経は報じている。通信だけではなく、AI関連の取り組みも進めるのに協力するとしている。5Gを巡ってはEricssonやNokiaも実証実験を始めているが、華為の製品は2〜3割安く、品質も安定しているという。

中国の監視カメラメーカー大手2社の第3四半期(7〜9月期)売上額は、ハイクビジョンが前年同期比12%増の177億元(2800億円)、ダーファテクノロジーが同13%増の63億元となった、と3日の日経が報じた。第1四半期〜第2四半期は新型コロナの影響で売上はマイナスないし一桁成長に留まっていた。ただし、今後は厳しくなりそうだ。両社とも米国政府調達が禁止されており、11月には米国投資家による株式購入も禁止された。

中国は、これまでも見られるように、ビジネスが混とんとしている揺籃期から成長期にかけては自由競争のように誰もビジネスに参入できるようにまるで自由経済のようにしているが、成熟期になって勝者が1社か2社に絞られてくると共産党が支配している。ハイクビジョンや華為は好例で、共産党の肝いり企業となっている。また貸し自転車産業も同様で、大手2社に絞られた。西側諸国から見ると、ここが中国リスクの一つになっている。IntelはこれまでNANDフラッシュの大連工場に関しては注意深く投資してきたが、NANDフラッシュ事業の利益率の悪さや、リスクを認識したこともあり、SK Hynixに売却することを決めた。GlobalFoundriesも成都工場を閉鎖した。

4日の日経では、リスクの一つとして中国企業の財務が悪化しており、社債の債務不履行が相次いでいるとしている。半導体関係では大手の紫光集団の持ち株会社である清華控股は、2018年以降、自己資本広津が3割を下回っているという。同社の連結総資産は6月末時点で4775億元(7兆6114億円)、と関西電力やNTTドコモに匹敵する規模だとしている。

日本国内では、NECがローカル5Gを構築しており、このほど企業や自治体などがローカル5Gを利用可能なサービスを提供すると発表した。ローカル5Gを構築する準備段階に必要な要件定義の支援や電波状況の調査、5G端末の検証などのコンサルティングサービスと、ローカル5G構築支援や無線免許取得支援などのサービスを提供するインテグレーションサービス、そしてローカル5Gの開始以降からの運用や提供する機器や保守のマネージドサービスの3種類を提供する。同社玉川事業所に「ローカル5Gラボ」があり、実際に体験できる。4Gを組み合わせるNSA(Non Stand Alone)方式もSA(Stand Alone)方式も可能になっている。

日立国際電気は10月にローカル5Gの実証実験を行うための「5G協創ラボ」を設立したことを発表したが、1日の日刊工業新聞は建設業、農業などの事業者とサービスの開発を始めたと報じた。ラボを開設した直後から複数の企業が訪れ、通信端末やルータ機器を使った検証を進めているという。

ローカル5Gは、日本の製造業の工場内で、フレキシブルなネットワークを構築できるというメリットがある。製造装置や機械を自由に配置でき、少量多品種でのレイアウトの変更は自由自在となる。ローカル5Gは、製造業以外にも倉庫や流通、港湾等広い敷地を利用する産業に向いており、しかもフレキシブルな変更を必要とする業種に最適なテクノロジーである。


参考資料
1. テレワーク需要の決算結果が顕著に、激しく変わる半導体市場 (2020/11/24)

(2020/12/07)

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