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韓国Samsungの衝撃、台湾UMCの米国との和解、国内はローカル5G相次ぐ

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韓国Samsungの李健熙(イ・ゴンヒ)会長が死去され、台湾UMCが米国当局と和解するというニュースがあった。李健熙会長は現在のSamsungを大きく成長させた人物。UMCは社員が米国技術を盗み中国JHICCに渡したとされる産業スパイの罪で訴えられていた。日本国内では、工場内を5Gネットワークにするローカル5Gが動き出した。

Samsungの李健熙氏は、1987年会長に就任、DRAM事業を開始、現在の世界第2位の地位に育て上げた。スマートフォンビジネスでも世界トップの座を射止めた。SamsungがDRAM事業を始めたころ筆者は訪問した。昼休みに日本語講座の番組が流れ、日本語教育に力を入れていた。早稲田大学に留学していた李健熙会長は、良い製品は米国製、日本製関係なく取り入れた。取材は日本語でできた。その後Lucky Goldstar(現在のLG)を取材した時、反日的だったLGは、半導体製造装置を米国からしか買わないと言明した。取材は英語だった。この後の両社の事業の差は、家電製品も含め大きく開いた。

半導体分野では、Samsungと、LGからカーブアウトしたSK Hynixの差は大きい。知日派のSamsungは、日本のDRAMメーカーから製造ライセンスを得ようと全てのDRAM企業を回ったが、全て断わられた。仕方なくMicronから技術を買い、日本のエンジニアに目を付け、土日のアルバイトとしてエンジニアを臨時採用した、という有名な話につながる。SKは当初、日本企業に接触してこなかったが、後にこの差に気が付き、旧エルピーダやキオクシアに接触するようになったことは記憶に新しい。LGグループのSamsungに対するライバル意識は極めて激しく強いため、今では日本と組んででもSamsungを倒したいという気持ちが強くなっている。LGグループの流れをくむSK HynixがIntelのNANDフラッシュ事業を買収するというニュースでは、セミコンポータルは日経報道よりも1日早く報じた(参考資料1)が、キオクシアを抜くというよりはSamsungに追いつき追い越したいという気持ちが強い。

ファウンドリのUMCはMicronのDRAM技術を中国JHICCに渡したという容疑を認め、米司法省と司法取引が正式に成立すると10月23日の日本経済新聞が報じた。この事件は、2017年にMicronが、UMCに転職した3人の元社員が会社ぐるみでMicronの企業秘密を盗み、JHICCに渡していたと訴えたもの。これを受け米国の連邦大陪審は、産業スパイの罪でUMCとJHICCを起訴した。米国の半導体製造装置メーカーはJHICCへの輸出を止めたため、JHICCの生産はとん挫した。米国政府は、目的は達成されたとしたうえで、台湾の半導体技術の重要性を認識しているため、和解を望んだと台湾のアナリストは見ている。

国内に目を転じると、ローカル5Gが活発化している。5Gのように、4Gよりも高い周波数は到達距離が短くなり、指向性も出てくるため、360度に渡って電波を送受信するには基地局を多数設ける必要があり、Nokiaはローカル5Gに期待している(参考資料2)。

また、リコーとNECはリコーインダストリー東北事業所で2021年4月からローカル5Gの運用を開始すると発表した。リコーが2020年12月を目途にサブロク(6GHz未満) 帯域のローカル5G免許を申請、NECが基地局用ネットワーク機器を提供する。複合機やプロダクションプリンター、インク、トナーカートリッジなどを生産するリコーインダストリー東北事業所にSA(Stand Alone)型のローカル5G環境を構築する。

東京都立産業技術研究センター(都産技研)は、ローカル5Gの基地局を設けた「DX推進センター」をテレコムセンタービル内(江東区青海)に11月2日オープンする、と発表した。東京都がローカル5Gの免許を取得し、都産技研がローカル基地局を整備した。センター内の3カ所に5G基地局を設けた。このセンターにおいて、5Gに関連する社会実装や5G技術の普及啓発を支援していく。ローカル5Gを使ってサービスロボットの社会実装や中小企業のIoT化も支援していくとしている。

JEITA(電子情報技術産業協会)においても「5G利活用型社会デザイン推進コンソーシアム」が発足した。JEITAに事務局を置き、日立製作所やソニー、三菱電機など電機大手に加え、JTBやセコムなどのサービス業者や自治体など160を超える企業・団体が連携し、5Gのサービスの普及に向ける。システム構築や、通信機器の開発、サービス活用など、さまざまな業界が連携するとしている。


参考資料
1. SK HynixがIntelの大連工場を含むNANDフラッシュ事業を90億ドルで買収 (2020/10/20)
2. Nokia、日本のモノづくりに5Gのターゲットを置く (2020/10/21)

(2020/10/26)

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