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デジタルトランスフォーメーションを目指しIoTが社会に浸透

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デジタルトランスフォーメーション(DX)がIT各社や先端企業の中に浸透するにつれ、IoTシステムが再び脚光を浴び始めた。クラウドを利用してIoTのデータ解析を提供するエコシステムである、IoTビジネス共創ラボは、すでに50件以上のIoTシステムを構築した。東芝は、データビジネス子会社の東芝データ(東京・港)を設立し、現在約10社と連携に向けた協議を進めている。DXとはIoTシステムに他ならない。

新会社は東芝内で日々蓄積されるデータを、外部企業のノウハウも活用して消費者に還元する。2月7日の日経産業新聞によると「まず、子会社のPOS(販売時点情報管理)システム大手の東芝テックの電子レシート『スマートレシート』を活用する。店舗のレジでスマートフォンの画面に表示したバーコードを読み込むとレシート情報をスマホに蓄積できる仕組みだ。スマホアプリ開発のグノシーや、エムスリー傘下の医療機関経営支援、シーユーシーそれぞれと連携したサービスを始める」という。

東芝は、今春にはIoTでソフトバンクや京セラが参加する企業連合「ifLINKオープンコミュニティ」を設立する。これは東芝の持つIoTシステム「ifLINK」の技術仕様を公開し、参加企業を呼び込む。シーメンスジャパンから東芝に移籍した島田太郎執行役常務が、東芝データの社長となり、「モノから生まれるデータが爆発的に増える時代が来る。製造業の強みが生かせる」と新たなデータの出現をチャンスと捉えている。DXのコアシステム「LUMADA」を持つ日立が、ITとOT(製造現場)を持つことでDXでは有利に立てると述べていることと同じだ。

東芝のIoTでのエコシステムの構築は、ある意味遅れているともいえる。というのは、2016年にすでにMicrosoftと東京エレクトロンデバイスが主体となって、IoTビジネス共創ラボを設立している(参考資料1)。ユニアデックスやソフトバンク、アクセンチュア、Unisysなどが参加するこのコンソーシアムでは、地方版のIoTビジネス共創ラボもすでに立ち上げており、福島、北海道、中部、川崎、柏の葉、石川・金沢、宮城、長野と8つの地域で活動している。詳細は後日、セミコンポータルで紹介する。

DXに欠かせない基盤がクラウドだ。日経産業新聞が調べた2019年下半期(7〜12月)のスタートアップ企業たちの資金調達額ランキングではSaaS(Software as a Service)をベースとした営業支援ソフトのフロムスクラッチなど、9社のソフト企業が名を連ねた、と6日に報じた。他には、完全自動運転を目指してソフトを開発するティアフォーは80億円を調達、後払いサービスのペイディーやカレンダーアプリのタイムツリーなどもいる。また、リープマインドはドローンなど小型機器向けのAIを開発し、35億円を調達しているという。

DXのデータ解析にはAIを使うことが多くなるが、AI専用チップを開発する米国のスタータップ、Gyrfalcon Technologyの製品を、丸紅情報システムズが代理店として販売する。AIチップはドライブレコーダーやスマートフォン、監視カメラなどへの組み込みを想定。クラウドにデータを送信し処理する方法では実現できなかった、即時処理による新事業や新サービスの創出を支援する。

AIはコンサルティングサービスを基本的なビジネスとすることが多いが、日立製作所もAIの予測や判断結果の根拠を説明し、企業のAI導入や活用を支援するサービスを始めた。日立のサービスはAIの予測や判断に影響を与える重要なデータを抽出し、それぞれの影響度を可視化する。例えば、家電量販店のエアコン購入率に関するAIの予測結果の場合、「前回購入からの年数の影響度が11%で最も高い」などと定量的に根拠を示す。

半導体産業の中で気になるニュースは、ロームが垂直統合の自前主義を転換し、2021年をメドに3割を外注する、と5日の日刊工業新聞が伝えた。市況や顧客からの受注量急増といった変化への対応力強化と、固定費の抑制が目的だとしている。台湾や中国本土などのファウンドリ4社、OSAT11社とすでに協議を始めているという。ただし、自動車向けは内製が基本になりそうだとしている。

参考資料
1. IoTを早くビジネスにするコンソーシアム続出 (2016/02/19)

(2020/02/10)

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