セミコンポータル
半導体・FPD・液晶・製造装置・材料・設計のポータルサイト

成長の源泉はやはりIoTとクルマ

|

アルプス電気は2015年4〜9月期の連結純利益が前年同期比97%増の255億円になる見通しだ、と9月29日に日本経済新聞が報じた。好調の要因はスマホとクルマ。対照的にPC主体のMicronのDRAMとAMDのプロセッサの不調も伝えられた。もはや利益の源泉はスマホを含めたIoT関係とクルマに見て取れる。

アルプスの好調は、スマホ用カメラの手ぶれ補正モジュールや、クルマ用のセンサやスイッチなどの受注が旺盛であることに裏付けられている。対照的にMicronの2015年6〜8月期の純利益は前年同期比59%減の4億7100万ドル、売り上げも同15%減の36億ドルに落ちた。DRAM市場の中でもモバイルDRAMの世界市場はまだ増加傾向にあるが、PC向けが多いMicronが一人負けの様相を呈している(参考資料1)。また、パソコンやIAサーバ向けのx86アーキテクチャに集中するAMDは、2016年末までに全従業員の5%に相当する500人の削減計画を発表した。AMDの4~6月期の最終損益は1億8100万ドルの赤字で、売り上げは前年同期の35%減の9億4200万ドルとなっていた。

スマホはIoTの一つだが、先週もIoTがらみの記事が相変わらず多い。電子部品メーカーはIoTモジュールに力を入れていると10月1日の日刊工業新聞が報じた。センサ端末としてのIoTデバイスには、センサとアナログ、マイコンに無線通信機などの回路が搭載されているが、IoTデバイスはこれらをモジュールなどで構成する。TDKは3.5mm角と小さな無線通信モジュールを量産化した。TDKの基板内蔵技術はここでも使われている。アルプス電気は農作物管理などに向け防水処理したIoTモジュールを供給し始めたとしている。

GEのIndustrial Internetは、IoTの応用分野の一つだが、GEはビッグデータ解析など顧客のサービスに向けたソフトウエア事業を拡大する。10月1日の日経産業新聞によると、2020年までに15年見通しの3倍の150億ドルをソフトウエア事業で稼ぐとしている。

オムロンは、センサやスイッチなどを含むPLCなどの制御機器に通信インターフェース「IOリンク」規格を搭載していく方針だ。センサで集めたデータを制御機器からメインコンピュータや制御機器へと共有、解析し生産性を上げる。9月30日の日経産業が伝えた。

NTTと日立製作所が提携し、ビッグデータを活用して、観光や交通を効率化するというニュースが10月1日の日経に掲載されたが、これもIoTの応用例だ。人の流れや物流、交通の流れ、エネルギー管理を把握し、効率化し、地方にやってくる旅行者への有益な情報を提供する。地方のエネルギー効率を上げ、無駄を減らすことにもつなげる。

インターネットサービス業者であったGoogleはスマホの新機種を発表し、ハードウエアへの強化を進めている。スマホには最新OS「マシュマロ(Android 6.0)」を搭載、最近の機能を搭載することで、他の端末メーカーのお手本とする。スマホをIoT端末あるいはシステムのセンサとして、ビーコンやWi-Fiなどで検出し、スマホ保持者の行動(ビッグデータ)を解析、商店などのサービスにつなげる。

先週はクルマ関係の部品事業を強化するという記事も相次いだ。まずルネサスは、アナログ・デジタル・パワーの回路を構成できるBCDプロセス製品を拡充する、と10月2日の日刊工業が伝えた。BCDとは、バイポーラ、CMOS、Double-diffused CMOSの略であり、アナログに強いバイポーラとデジタルのCMOS、そしてパワー半導体のドライバとして使うDMOS回路からなる。最小線幅90nmのBCD製品の品ぞろえを拡充するとしている。

三菱電機は発電機(オールタネータ)やスターターに使うモータが得意だが、こういったモータ技術を活かし、従来の産業向けから自動車分野にも力を入れる。自動車では軽量化が必須であることから、巻き線を緻密にして固定子を小型にする。三菱はこの技術にノウハウを持っており、OEM(クルマメーカー)のジャストインタイムにも対応できる「大量多品種」の生産ラインが決め手になるという。

日立製作所は、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)向けのインバータの電力損失を6割削減したと9月30日の日経産業が報じた。しかし、この記事内容は全くあやふやでわからなかったため、記事の元になっていると思われるニュースリリースをみると、両面冷却型のパッケージに入れたSiCフルパワーモジュールを開発したとある。フルSiCモジュールとは、MOSFETと、逆電流を素早く逃がすためのダイオードを共にSiC半導体で構成したもの。並列接続した各SiCパワー半導体のオンオフのタイミングのズレを最小にするようにドライバ回路を工夫し、電流容量を従来の2倍に高め、小型化を図ったとしている。

パナソニックもクルマ事業を強化するためGaNやSiC半導体向けの高耐熱半導体パッケージ用樹脂を開発、10月からサンプル出荷する。これは樹脂のガラス転移点を従来の170〜180℃から210℃に高めたもの。加えて、両面放熱パッケージを用いて光出力4.5Wと高い青紫レーザダイオードも開発した。クルマのヘッドライトやレーザー加工機への応用を狙う。2019年以降の実用化を狙う、と9月30日の日経産業が報じた。

参考資料
1. Micron(旧エルピーダ)、モバイルDRAMでHynixに離される (2015/08/18)

(2015/10/05)

月別アーカイブ

セミコンポータルはこんなサービスを提供します