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セミコンジャパン、出展者数・来場者数とも増加

セミコンジャパンが始まると、半導体製造装置関係のニュースが増えてきた。半導体産業は2014年久しぶりに9%増という大きな成長率が見込まれ、半導体メーカーの投資も活発になり、製造装置は2014年19.3%増という伸びを示すとSEMIが発表した。セミコンジャパンの参加者は昨年よりも2.3%多い6万211名に増えた。

12月4日に日刊工業新聞が報じたように、今年のセミコンジャパンには半導体製造装置や関連部材の展示だけではなく、IoT(Internet of Things)という将来技術の展示も集めた。ウェアラブル端末は、間接的とはいえインターネットにつながるため、IoTの一つとみなされており、工場や巨大なシステムに設置するセンサもIoTといえる。測定すべき振動や温度などをデジタル変換して送信機でデータを、ゲートウェイを通してインターネットに送る。出展者は昨年より54社多い725もの企業・団体。

セミコンジャパンの主催者であるSEMIは、2014年の製造装置の販売額は19.3%増の380億ドルに達し、2015年も15.2%増の438億ドルになる、と予想した。2014年を牽引したのは、前工程の装置ではなくパッケージング・組み立ての後工程の装置。30.6%増の30億ドルに達した。元々、装置単体の価格が高い前工程の売り上げに対して、後工程の装置の売り上げは1/10程度であったが、これが大きく伸びたことは半導体チップの数量が伸びた、ということの裏返しであろう。

日本経済新聞は、東京エレクトロンのMRAM向けの成膜装置や、ディスコのウェーハ裏面を研磨する装置などを紹介していた。さらに、ニコンの子会社ニコンエンジニアリングのMEMSやLED、パワー半導体向けの150mm/200mm対応のミニステッパを報道している。日刊工業は、荏原製作所のCMP装置を紹介、洗浄ユニット数を従来の1台から複数台に増やしスループットを上げたとしている。

現在の半導体産業の好調を牽引するのは、IoTやウェアラブルではなくスマートフォン。スマホ向けの半導体や電子部品が好調で、東京証券取引所でそれら関連の銘柄が買われ、東京エレクトロンや京セラの株価が年初以来の高値を更新した、と2日の日経が報じた。米国でも半導体株価指数は、ダウ平均に比べて高い上昇率を示しているという。

半導体メーカーの投資意欲は高まり、例えばソニーは積層型CMOSセンサの長崎テクノロジーセンターと熊本テクノロジーセンターの月産能力1割拡大を決め、15年度までに合計350億円を投資する、と1日の日経は伝えた。TDKも投資規模を100億円増やし900億円を14年度に投資する。スマホ向けにリチウムポリマー電池の生産能力を高める方針だとしている。

また、富士通セミコンダクターの製造部門がファウンドリサービス会社として業務を開始したと発表した。300mmを主体とする三重工場は、三重富士通セミコンダクター株式会社、会津若松工場は、150mmを主体とする会津富士通セミコンダクターウェハーソリューション株式会社、200mmを主体とする会津富士通セミコンダクターマニュファクチャリング株式会社という3工場がそれぞれファウンドリ専門会社となった。この内、会津の二つの会社を統括する会津富士通セミコンダクター株式会社も設立された。三重富士通セミコンダクターには14年度中にUMCが9.3%、会津富士通セミコンダクターにはON Semiconductorが10%それぞれ出資する予定となっている。

(2014/12/08)
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