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ルネサスの国内初の開発者会議、産業界に大きなインパクト

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9月2日、ルネサスエレクトロニクスが国内半導体メーカーとして初めての大規模な開発者会議「Renesas DevCon Japan 2014」を開催、翌日の株価が大きく上がり、ストップ高にまで達した。3日の日刊工業新聞は、リストラから成長軌道へ、と報じた。また、電気自動車(EV)のTesla Motorsの新工場、新製品のニュースもあった。

東京証券取引所1部に上場しているルネサスの株価は、6月から8月25日くらいまで800円前後で推移していた。それが9月1日に850円、2日870年、3日には1000円を突破してストップ高となった。その後、4,5日、本日の8日は950〜960円前後と安定してきた。ここ数ヵ月間800円前後で推移していたことを考慮すると、DevConによってルネサスの持つ、未来に向けた技術が産業界、株主などに評価されたといえるだろう。

日刊工業は、2012年3月期末には約4万3000人いた従業員が約2万7000人まで減り、この2年間で固定費を1000億円削減したと報じた。DevConのキーノートでスピーチした、作田久男会長兼CEOをはじめとする経営陣の言葉を引用し、成長へ踏み出している姿を、経営再建のフェーズは移ったと伝えている。

日本経済新聞はルネサスが提案する自動運転システムを報じ、日経産業新聞と日刊工業は産業機器向けのマイクロコントローラR-INの開発エコシステムとなる「R-INコンソーシアム」を設立したことをニュースとして採り上げた。これらのニュースは全て「ルネサス、独自イベントDevConを開催、実力を示す」(参考資料1)に掲載している。

自動運転車向けの技術開発には半導体が必須で、DevCon直前に発表されたSoCの「R-Car V2H」(参考資料2)は、DevConでは「統合コックピット」用の頭脳としてデモンストレーションされた。コックピットでは、アイコンが並ぶカーコンピュータの画面、バックミラーとしての液晶画面(参考資料3)、さらに速度メータやガソリンメータなどダッシュボード情報の液晶画面などを備えている。R-Car V2Hは、クルマの周囲360度に渡って見える歩行者、バイク、自転車などを、走行中に検出するだけではなく、駐車する場合のサラウンドビューモニターとしても機能する。このチップでは画像認識、画像合成、視点変換、グラフィックス描画を同時にリアルタイム処理する。

Teslaは、1回の充電による航続距離が最大500km以上というスポーツカー「モデルS」を日本で販売することを発表した。同時に、パナソニックと共同で建設する大規模な電池工場が米国ネバダ州リノ近郊に決まったというニュースも5日の日経産業に掲載された。本社のあるシリコンバレーではもはや工場そのものが少なくなっており、工場を米国内の別の州に設置する動きが出ている。日経産業によると、今回の工場に対しても、ネバダ州、カリフォルニア州だけではなく、テキサス州やニューメキシコ州、アリゾナ州などでも工場誘致に向け、税制優遇や認可期間の短縮などを提案していたようだ。

Teslaは、この新工場で50GWhというエネルギー規模のバッテリを2020年までに製造する計画で、50万台のクルマに相当するという。ネバダ州のブライアン・サンドバール知事は大規模バッテリ工場の経済波及効果は、今後の20年間で1000億ドルになると見積もっている。

Teslaのスポーツカーは、ノートパソコンに使っている電池をベースにしてズラリと大量に並べた構造のバッテリシステムを基本としている。そのバッテリシステムを床とした構造にしているため、インバータやモータの設置場所の自由度が広い。内燃エンジンだと、そもそもの体積・重量が限られているため、デザイン上の自由度は少ない。クルマの設計者は、EVの魅力はデザイン自由度の広さだという。Teslaのクルマは日産自動車のリーフよりも電池を大量に並べているため航続距離が長いが、その分価格も高い。


参考資料
1. ルネサス、独自イベントDevConを開催、実力を示す (2014/09/03)
2. 走行中も周囲の歩行者を映し出す、ルネサスのサラウンドビューLSI (2014/08/29)
3. 「クルマのドアミラーはもう要らない」 (2014/05/22)

(2014/09/08)

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