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半導体製造装置は好調、TSMC積極投資、G450C/SEMATECHへニコン/東レ参加

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半導体製造装置が好調だ。SEAJが発表した5月の受注額・販売額・B/Bレシオを見る限り(参考資料1)、今年は上向きになりそうだ。SEAJは先週、2013〜2015年度の日本製半導体製造装置の見通しを発表、日本経済新聞も7月5日付けでそのニュースを掲載した。先週はニコンが450mm向け装置開発のG450Cに参加するというニュースもあった。

2013年度の日本製半導体製造装置の販売額は10.2%増1兆1328億円になる見通しだとSEAJは発表した。2014年度、2015年度共に増加傾向にある。世界最大のファウンドリ企業のTSMCがスマートフォンやタブレットなどモバイル端末向けの28nmLSIに積極的に投資しているためだ。UMCは投資額を公表していないが、巨大な28nmの新工場建設を進めており(参考資料2)、大規模な設備投資をすることは間違いない。

日経はさらに、「スマホ特需支えるTSMC、(省略)」と題した解説記事を7月5日の日経産業新聞に掲載している。この中で、ファウンドリビジネスはTSMCの一人勝ちになっており、TSMCの受託料金は高めであることを指摘した。このことから、ファウンドリサービス価格がTSMCによって支配され、その顧客であるファブレスもIDMも口を出せない状態になることが懸念される。アップルのアプリケーションプロセッサはこれまでサムスンが製造していたが、TSMCに移るだろうと業界筋はみていた。すでにTSMCに移る契約を済ませたなら、TSMCの設備投資額はさらに押し上げられることになる。

日経産業は、TSMCにアプリケーションプロセッサの製造を握られている状況から、困るのはモバイル端末メーカーであると指摘している。もし日本でファウンドリ企業が生まれたら、モバイル端末メーカーにとっては大きなメリットとなる。国内のIDMがファウンドリビジネスへと進まないのであれば、端末メーカーあるいは通信オペレータが資金を出してファウンドリメーカーを国内に作るべきではないだろうか。韓国では、2年前エルピーダ同様、危機的状況になっていたメモリメーカーのHynixに大きく出資したのは、通信オペレータのSKテレコムだった。今はSK Hynixと名前を変え、このメモリメーカーは復活を遂げた。

「ニコン、次世代半導体装置で先行、米で350億円受注、世界シェア3割狙う」という見出しの記事が4日の日経に掲載されたが、この記事の真偽は不明だ。というのは、米国ニューヨーク州政府が発表した内容とは全く異なるからだ。米国時間7月2日に発表されたプレスリリースによると、ニコンはニューヨーク州立大学CNSE(ナノサイエンス工学部)とパートナーシップを結び、450mmウェーハ用の次世代リソグラフィ技術を開発する。この投資額が3億5000万ドル(350億円)である。ニコンはグローバルコンソシアムG450Cに参加し、450mmウェーハへの移行プロジェクトを進める。少なくともニコンが350億円を受注したとは書かれていない。ただ、ニコンのプレスリリースの題名は、「Global 450 Consortiumから450mmウェーハ対応液浸露光装置を受注」となっている。しかし金額についての記述はない。ただし、ニコンがCNSEで450mmリソ装置を開発することと装置を受注したこととは同じであるが、350億円を受注した訳ではなさそうだ。

ニューヨーク州知事のアンドリュー・クオモ氏は「ニコンがアルバニーのCNSEにあるグローバルコンソシアムに参加することを心から歓迎する」と述べ、世界中からCNSEに参加して技術開発することで同州のハイテク雇用を促進し、新規投資を促し同州経済を成長に導くとしている。ニコンの取締役兼副社長執行役員の牛田一雄氏は次のように述べている。「ニコンがG450Cのアソシエートメンバーになることは名誉である。G450Cは前例のない野心的なプログラムであり、450mmへのスムーズな移行を先導している。G450Cとのこの契約を終え、450mmシステムをニコンが開発することを確信し、誇りに思う」。

5年間で3億5000万ドルの資金は、装置開発、設定、運用、サポート、メンテナンスなどに使われ、ニコンを含む複数の民間企業が出資する。このプログラムには、ニコン、CNSEなど産業界から100人以上のエンジニアが参加する。ニコンは科学者、研究者、技術者をCNSEに派遣、次世代スキャナーを開発しウェーハパターニングサービスを提供する。ニコンは450mmウェーハの早期段階からユーザの要求を知ることができる。

東レは、同じCNSE内にあるSEMATECHの「3次元インターコネクトプログラム」に参加する。5日の日経産業が報じた。TSVを利用してチップ同士を張り合わせる際の「耐熱性仮貼り材料」と「低ストレス感光性再配線材料」を開発する。SEMATECHに参加すると材料を開発するだけでなく、TEGを使って評価できるため、実用時期を早めることができるとしている。


図1 東芝四日市工場 第5製造棟 出典:東芝

図1 東芝四日市工場 第5製造棟 出典:東芝


東芝は四日市工場の第5製造棟を増築すると2日のプレスリリースで発表した。8月末に着工し、竣工は2014年夏になる予定。スマホやタブレット、エンタープライズサーバ向けのSSDなどを中心に需要が増加傾向にあり、中長期的にも市場拡大が見込まれることから建設を決めた。NANDフラッシュの3次元構造品への生産スペースも確保する。この第5製造棟の第2期分の工場はSanDiskも共同で使用するため、SanDiskからも同様な発表があった。

参考資料
1. モバイル端末にけん引され、半導体・FPDとも日本製製造装置は好調 (2013/06/25)
2. 10nmプロセスでIBMと協業するUMC、微細化で製造競争力を強化 (2013/06/14)

(2013/07/08)

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