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ルネサス、作田久男オムロン会長を迎え入れる

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先週、ルネサスエレクトロニクスの新人事が発表された。経営トップの会長兼CEOとして作田久男オムロン会長を迎え入れることが決まった。鶴丸哲哉社長は留任し、最高執行責任者(COO)を兼務する。日立製作所、NEC、三菱電機の3社の非メモリ部門が合体してできたルネサスは、しがらみのない作田氏の元で再建していくことになる。

新生ルネサスの大株主は、何度も報道していたように産業革新機構。全株式の2/3を占める。作田氏は産業革新機構が選んだとみられる。この方式は、日本航空に会長兼CEOとして迎え入れられた稲盛和夫京セラ元名誉会長が、はえ抜きの植木義晴代表取締役社長と共に日航を再建させた手法を喚起させる。5月9日にルネサスエレクトロニクスは決算発表を行い、その席で鶴丸社長は、作田氏に来てもらえる喜びを表していた。作田氏はオムロンをリーマンショック後右肩上がりで成長させ続けてきた経営トップだけに、その経営手法を学べることを喜んでいた。

ちなみにオムロンが発表した2012年度の業績は、売り上げが前年度比5%増の6505億円、営業利益が13%増の453億円であった。フリーキャッシュフローは192億円増加の246億円。コアとなる制御機器と電子部品から、車載、社会システム、ヘルスケアといった成長分野へと事業を広げ、確実にモノにしていくという経営姿勢は、ルネサスなどの半導体企業の参考になるだろう。2013年度の経営方針は、成長力、収益力、そして変化対応力を備えた強い企業への変革を成し遂げることだとしている。このためにグローバル化は必須で、社会システム以外の全ての事業において海外戦略を立てている。

ルネサスの決算発表では、2012年度の営業損益が232億円の赤字で、昨年度の567億円よりは圧縮した。任天堂のゲーム機Wii U向けのカスタムLSIで第1四半期(4〜6月)は潤っていた。また、この時点ではルネサスの受注額が増加し始めており、12年度は営業黒字を見込んでいた(参考資料1)。しかし、ゲーム機そのものが失速したため、ルネサスのチップも失速した。加えて、産業革新機構が資本注入を決めた後、ルネサスから改革の声が小さくなっていた。

今年2月、代表取締役に就任した鶴丸哲哉社長は、この2年間を反省し、何をどう間違えて今日の業績に至ったのか、何をどう解決していくべきなのか、を考えている、と語った。ルネサスは、NECエレクトロニクスとの合併を果たし、100日プロジェクトを作成しながらも、黒字回復を果たせなかった。この2年間を指しているようだ。

決算発表では、記者から、いつ作田会長と話し合って今後の方針を決めるのか、あるいは今年度の見通しについて語ってくれ、目標数字を聞かせてくれ、といった質問が飛び出したが、まだ話せる状況ではないと述べた。作田会長のオムロン退任時期は6月末である上に、会長との話し合いで決めているとしても、まだルネサス会長に就任した訳ではない。また、将来見通しを語ることは、株価に大きく影響するため、上場企業は本来なら語れないはず。にもかかわらず、さまざまな記者から将来見通しに関する同様な質問があの手この手で何度も繰り返された。

IT産業の中心ともいえる台湾における2強ブランドのコンピュータメーカーで大きく明暗が分かれた、と5月10日の日本経済新聞が報じた。パソコン中心のエイサーと、タブレットへ拡大中のエイスース(ASUS)の業績が対照的であった。パソコンからタブレットへの流れをうまく捉えたエイスースは、2013年1〜3月期の決算では、パソコン事業の伸びが前年同期12%にとどまったのに対して、タブレットは3.1倍成長したという。エイサーの売り上げに占めるタブレットの割合はまだ8%、エイスースは19%になったという。

モバイルデバイスへの拡大傾向はこれからも続き、インテルがAtomコアを中心とするモバイル向け8コアの「シルバーモント」SoCを発表したと8日の日経産業新聞が報じた。消費電力を下げたチップで、トライゲートの22nmプロセスを使うアプリケーションプロセッサ。スマホやタブレット向けだとしている。

参考資料
1. ルネサスに明るさようやく戻る、受注が着実に増加、年度営業損益は黒字へ (2012/08/03)

(2013/05/13)

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