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受注も販売額も大きくへこんだ景気後退期が続く半導体製造装置市場

日本半導体製造装置市場における9月の受注額、販売実績が日本半導体製造装置協会(SEAJ)から発表された。受注額は3カ月移動平均値で457億円、販売額は710億円で、B/Bレシオ(販売額に対する受注額の割合)は0.75と、前月の0.83から下がった。これは、日本製の製造装置と外国製製造装置の日本国内市場へ納めた実績と受注見通しを示したもの。B/Bレシオは3月に0.69までへこんだものの、4月0.98、5月0.97、6月1.12と市況回復の兆しを見せていたが、7月に0.79と再び落ち込み、低迷状態を示している。

半導体製造装置 日本市場


日本市場における9月の販売額は、前年の59%しかない。日本市場は5月に前年の93%だったものが、6月から急激に落ち込み71%、7月78%、8月41%とへこんだ。特にこの8~9月の落ち込みは大きく、昨今の景気後退に伴う設備投資引き締めの影響が出ているといえる。


半導体製造装置 日本市場 販売高合計


日本製造装置メーカーの落ち込みは、世界的に見てどう位置づけられるか。SEAJのこの発表の前に発表された世界の半導体製造装置販売統計によると、全世界の9月の販売額は23億7815億ドルで前年の39億6564億ドルから40%も減少している。この落ち込みは日本市場よりも長く続き、前年比で3月に95%、4月76%、5月72%、6月66%、7月62%、8月61%と大きな落ち込みは4月から始まっている。つまり、日本市場の落ち込みはまだましなようだ。


半導体製造装置 月別売上推移


地域別にみると台湾市場での落ち込みが最も大きく、4月から9月までの半年間でみると前年の38%しか売り上げがない。次に落ち込みの大きいのが中国で前年の50%、3番目が北米で73%、4番目が韓国で80.8%、日本は5番目の81.3%となっている。つまり累計では日本はまだましなようだ。


半導体製造装置 販売統計(世界規模)市場別合計


今後の指標となる受注額を見ると、日本市場では7月から対前年同期比が半分近くにまで落ち込む状態が3カ月連続で続いている。それも4月は前年比で94%だったが、5月には83%、6月77%とじわじわ落ちてきたが、7月には54%と急落、それ以降8月は56%、9月52%と低迷が続いている。


半導体製造装置 日本市場 受注高合計


こういった状況からここ3~4カ月の下落と将来への見通しが悪く、世界的な金融危機から端を発した世界同時不況に半導体の設備投資産業も巻き込まれたと判断してよいだろう。


(2008/11/19 セミコンポータル編集室)

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