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2024年世界半導体市場は14〜20%成長に、2024年2QトップはNvidia

世界の半導体市場は2024年、どうやら前年比で14%〜20%成長になりそうだ。8月23日(金)にセミコンポータルが主催で開催したSPIマーケットセミナー「2024年後半の世界半導体市場、AI需要の高まり」において、Omdiaからも2024年の見通しが出され、最新の成長予想が出揃ったことになる。

Semiconductor Market Forecasts / Semiconductor IntelligenceのグラフにOmdiaの予想を追加

図1 2024年の世界半導体は14%〜20%成長になりそう 出典:Semiconductor Intelligenceの調査会社の予想にOmdiaの予想を加えた


図1は米調査会社のSemiconductor Intelligenceが発表した後半の最新の見通しに、Omdiaの見込みを加えた図である。今年の予想は14〜20%成長という結果になりそうだが、Omdiaのコンサルティングディレクターである杉山和弘氏によれば、Omdiaは今年18%成長と予測する。これまでの調査会社から発表のあった予想範囲の14〜20%内に収まっており、妥当な成長率なのかもしれない。


このような予測は、第2四半期(2Q)の決算が発表されたときに次の3Q見通しを発表する企業もあり、前四半期比(QoQ)で見るとプラス成長の企業が多い(表1)。ただ韓国と日本の企業は次の四半期の見通しを発表しないようだ。しかし、Micron TechnologyはQoQで12%成長と見ていることから、一足先に黒字化したSK hynixやSamsungもその程度かそれ以上だと想像されるので、メモリ企業は2桁成長していると考えられる。


Top Semiconductor companies' Revenue / Semiconductor Intelligence

表1 第2四半期の決算発表から見える半導体ランキング 出典:Semiconductor Intelligence


メモリ以外として、NvidiaとBroadcomの決算発表の時期が少しずれているため、3Q(7〜9月)の見通しは出ていないが、彼らも通常は次の四半期見通しを発表する。幸運なことにNvidiaは、5〜7月期の決算を日本時間8月29日に音声のオンラインで発表した。それによると、当期は280億ドルの予想見込みに対して20億ドル多い300億ドル、次の8〜10月期には325億ドル±2%と見積もっているため、8.3%の伸びになる。

Bloombergによると、アナリストの平均的な次四半期の見積もりが319億ドルで、一部のアナリストが379億ドルと見積もり、その予想よりも低かったために、好調なのにNvidiaの株価が低落したという。だが、この考え方に疑問を呈するアナリストも少なくない。

3Qの伸びが大きいと予想するメーカーではAMDがQoQで15%成長を見込んでおり、Micronもデータセンターなどの強い需要に支えられて12%成長を見込んでいる。一方、伸びが鈍い企業としては、Intel、MediaTek、STMicroelectronicsなどがあり、それぞれ1%、0.5%、0.6%の成長しかないと予想する。

こういった企業の予想が大きく外れることは少ない。というのは上振れならまだしも下振れすると投資家を裏切る形になるからだ。ほぼ予想範囲に収まるところが多い。ただし、急激な需要が来る場合は、例えばNvidiaの今期と前期のように予想よりも上振れするケースもある。今期の予想280億ドルから大きく外れ、300億ドルの売り上げになったため、7%の伸びになったが、予想値は±2%程度と見ているため、大きく上振れしたと表現してもよいだろう。

参考資料
1. 「直近の世界半導体ランキングでは、Nvidiaがダントツのトップ」、セミコンポータル、(2024/05/24)

(2024/08/30)
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