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半導体製品の出荷数量が増え始めた、ウェーハ面積が増加に転じる

SEMIのSMG(シリコンメーカーグループ)は、2024年第2四半期におけるシリコンウェーハの出荷面積が前四半期比(QoQ)7.1%増の30億3500万平方インチになったと発表した。シリコンウェーハの面積はチップを製造する半導体メーカーに納入されるため、その出荷面積は半導体チップの出荷数量に反映される。

シリコンウェーハ出荷面積(百万平方インチ) / SEMI SMG

図1 シリコンウェーハの出荷面積の推移 出典:SEMI SMG


シリコンウェーハ市場は、データセンターや生成AI向けの製品需要が強くドライブしている、とSEMI SMGの会長兼GlobalWafersのVPのLee Chungwei氏は言う。特に300mmウェーハの出荷数量がQoQで8%増と最も高い。

これまでの出荷面積の推移を見ていると、2020年第2四半期(2Q)から始まった半導体不足の騒ぎから2022年3Qのピークまでずっと出荷面積は増え続けた。しかし、二重、三重に発注する流通業者や、不当な価格に吊り上げる業者が出てくるなど半導体不足の弊害が見られ、半導体ユーザーが迷惑を被ったことがあった。

22年3Qのピーク以降、ほぼずっと出荷面積は減り続け、半導体ユーザーと流通業者の在庫調整は1年以上も続いてきた。しかし、2024年1Qを底として、ウェーハ面積は増え始めたと思われる。データセンターやHPC(高性能コンピューティング)需要だけではなく、Microsoftの提案するAIパソコン仕様「Copilot+」に準じたAIパソコンがこの秋に立ち上がる見込みであり、それに向けたIntelのLunar Lake CPUが量産されるようになるからだ。加えてQualcommもCopilot+仕様のSnapdragon CPUを出荷している。なんといってもパソコンやスマートフォン時の需要は数量が多いため、ウェーハ面積は増えていく方向になりそうだ。

参考資料
1. 「シリコンウェーハ出荷面積、2024年第1四半期が底か」、セミコンポータル、(2024/05/02)

(2024/08/06)
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