シリコンウェーハ出荷面積、2024年第1四半期が底か
シリコンウェーハの出荷面積の減少がまだ止まらない。SEMIのSMG(Silicon Manufacturers Group)が発表した 2024年第1四半期におけるシリコンウェーハの出荷面積は、前年同期比13.2%減、前四半期比でも5.4%減の28億3400万平方インチに減少した。ただし、これが底かもしれない。

図1 シリコンウェーハの出荷面積 出典:SEMIの発表データを基にセミコンポータルがグラフ化
このデータは、ポリッシュ(研磨)ウェーハだけではなくエピタキシャル層を形成したウェーハや研磨していないウェーハも含んでいる。ポリッシュウェーハにはテスト用もバージンウェーハも含んでいる。
今回の出荷面積の減少についてSEMI SMGのグループ長であり、GlovbalWafers社のVP兼主席監査役(Chief Auditor)であるChungwei Lee氏は、「ICプロセス工場の稼働率が依然として下がっており、まだ在庫調整しているため、ポリッシュウェーハ出荷面積の減少はエピウェーハよりも大きい。ただし、ウェーハプロセスの稼働率は2023年第4四半期に底を迎えた工場もあり、AIチップへの需要が立ち上がっているためデータセンター向けに先端プロセスのロジックとメモリの需要が増えている」と見ている。
先週のルネサスエレクトロニクスの決算発表の例では、8インチラインの稼働率は2023年第4四半期を底として上がり始めている。12インチ(300mm)ラインの稼働率は、39%まで低下した23年第3四半期を底にして上がり始め、第4四半期に1~2%上がったが、24年第1四半期になるとさら15%程度上昇している。とはいえ、2022年第2四半期に工場全体で平均90%を超す稼働率だったが、2024年第1四半期でも上昇傾向とはいえ、まだ60%に達したばかりだ。また、ルネサスは自動車向けと産業機器・IoTをビジネスの対象としているため、ICの出荷数量はパソコンとスマートフォン向けほどは出ていない。
また、データセンター向けのメモリとしてSK hynixの例では、この3月からHBM(High Bandwidth Memory)3EおよびHBM4の量産を開始したとしている。このため、シリコンウェーハ面積が増えるのは次の第2四半期であろう。NANDフラッシュはまだ動きが鈍いようだ。