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日本製半導体製造装置、24年に4兆円台に、その先も伸びるとSEAJが発表

2024年における日本製半導体製造装置は、前年比27%の4兆348億円になる。このような予測をSEAJ(日本半導体製造装置協会)が発表した(図1)。実現できれば日本製製造装置が4兆円を超すのは初めてとなる。そして25年にはさらに12%伸びて4兆4383億円になると予想している。

2024年1月 半導体及びFPD製造装置 需要予測 / SEAJ

図1 日本製半導体製造装置の市場予測 出典:SEAJ


SEAJ会長であり、東京エレクトロンの代表取締役社長でもある河合利樹氏は、「2023年は(半導体不況に見舞われたものの)半導体産業のさらなる成長を感じた年だった」と語っている。特に生成AIにはもっと高性能な半導体(AIチップ)が強く求められているからだ。もちろん、生成AIの高度化だけではなく、適切な量のソフトウエアで創薬開発や金融など狙う分野別に応用しようと考えているのが、最初にAIコンピュータ「Watson」を開発したIBMだ。OpenAIのように高度化まっしぐらに走る企業は、もっと高性能なAIチップが欲しいと望むが、実は市場はもっとリーズナブルな価格でユーザーの目的とする用途に向けたいというAI企業もあるのだ。


日本市場販売高予測 / SEAJ

図2 日本市場における半導体製造装置は25年に30%増で伸びる 出典:SEAJ


また外国製の半導体製造装置も含めた日本市場における製造装置(図2)は25年に特に同30%増と大きく伸びそうだ。これはNANDフラッシュなどのメモリが日本でも大きく伸びると予想していることに基づく。

また、通信基地局ビジネスでビッグスリーの一角であるNokiaが半導体チップ設計やソフトウエアに約4億ドルを投資するというニュースも出てきた。Nokiaはかつて携帯電話で世界を席巻したNokiaを再構築し、通信基地局向けの機器に特化してきた。今や、Ericssonと華為と並ぶ3大通信機器メーカーの1社である。半導体の機会はますます増える。

製造装置メーカーは半導体成長の機会をこれまで世界に求めてきたが、日本でもラピダスやファウンドリビジネスが登場してきたこと、成長の機会がますます増えていくことになる。SEAJの見方は世界の流れに沿っているようだ。

参考資料
1. 「23年の世界半導体製造装置市場、上方修正で落ち込み減少するも24年は安定に」、セミコンポータル (2023/12/13)
2. 「日本製製造装置販売額、短い底を脱出、少しずつ回復に向かっている」、セミコンポータル (2023/11/29)

(2024/01/19)
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