シリコンの出荷面積、2四半期連続でマイナスに
2023年第1四半期(1Q)におけるシリコンウェーハの出荷面積が前四半期比9.0%減の32億6500万平方インチになったとSEMIが発表した。前年同期比では11.3%減となる。これはSEMIのSMG(Silicon Manufacturers Group)が発表したもの。SMGは、シリコン結晶ウェーハの製造者たちの集まり。
図1 シリコンウェーハの出荷面積の推移 2四半期連続でマイナスに
SEMI SMGの会長兼OkmeticのCCO(Chief Commercial Officer)であるAnna-Riikka Vuorikari-Antikainen氏は「シリコンウェーハの出荷量が減少したということは、今年初めの半導体需要が軟調になっていることを示している。特にメモリと民生機器の需要落ち込みが激しい。ただし自動車と産業向けの機器はもっと安定している」と述べている。
図1のグラフから言えるのは、2022年3Qをピークに4Q、2023年1Qと連続して落ちてきていることだ。今回大きく落ち込んだのは、半導体不足が表面化してきた2020年4Qのレベルとほぼ同じ。2017年、18年とメモリバブルでメモリの売り上げが大きく伸びた反動で、2019年は落ち込み、2020年から少しずつ回復していた。回復と半導体不足が急速に表面化し始めた時期であった。
半導体不足は2022年の前半まで続き、後半から急速に在庫が膨らみすぎた影響と、新型コロナ需要が一服した時期がやってきて、現在は在庫調整して適正な生産量になるまで生産量を絞る時期になっている。在庫がはけると再び半導体需要が盛り上がることは間違いない。半導体なしで新しいシステムは作れなくなってきたからだ。
ここでのウェーハには、研磨されたポリッシュウェーハとエピタキシャルウェーハ、初期のテスト用バージンウェーハ、そして研磨しないウェーハを含んでいる。
参考資料
1. 「2022年のシリコン出荷面積、売上額とも過去最高を記録」、セミコンポータル (2023/02/09)