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23年の半導体製造装置市場は前年比22%減の760億ドルとSEMIが下方修正

今年の半導体製造装置市場は前年比22%減と、昨年末のセミコンジャパンで予想した16%減よりも下方修正の760億ドルに低下すると発表した。2022年は980億ドルという販売額で過去最高を示していた。2023年は前年よりも予想以上に悪そうだ。

Fab Equipment Spending (front End) / SEMI

図1 世界半導体製造装置市場(単位は億ドル) 出典:SEMI


2023年の製造装置市場は昨年のセミコンジャパンで予想したときよりも、さらに悪くなっている、とSEMIが予想したもので、特にチップの需要が弱く、消費者向けのパソコンやテレビ、スマートフォンなどの在庫が膨らみすぎたためだとしている。

SEMIの予想では、2024年は前年比21%増で今年減った分をかなり取り返すことで成長すると見ているが、それでも2021年並みにとどまり、2022年の980億ドルには追いつかないようだ。24年には、2023年末までには半導体の在庫が修正され、在庫レベルは適正になると見ている。ただし、ここで適正在庫日数は従来よりも長くなる見込みで、Gartnerによると従来の40日が50日へと延びるだろうとしている。このため、不況からの脱出が早まり、23年末までには回復すると見ている。この見方はOmdiaも同様で、在庫の定義が両調査会社で違うため、日数の絶対値は異なるものの、従来よりも10日程度は伸びることは間違いなさそうだ。

地域別では、2024年における製造装置への投資は台湾がリードして、前年比4.2%増の249億ドルに、2位の韓国は同41.5%増の210億ドルとなり、第3位は中国でほぼ2023年の水準と変わらず、160億ドルを維持することになると見ている。米国は23.9%増の110億ドル、欧州・中東は36%増の82億ドル、日本と、東南アジアはそれぞれ70億ドル、30億ドルに成長するという。

半導体製品別に投資する分野は、ファウンドリ向けが最も高く、2023年には434億ドルに達するが、22年と比べると12.1%減となっている。メモリ工場向けは171億ドルで、44.4%低減すると見ている。それでも24年には282億ドルに増える見込みである。ただし、アナログとパワー半導体向けの投資は、ロジックやメモリとは違い、2023年はわずかながら1.3%増の97億ドルに増えると見ている。

SEMIによると、世界半導体の生産能力は2022年に7.2%上昇し、2023年は4.8%増加すると予想する。生産能力に関しては2024年も続いて5.6%増えるとしている。

SEMIのWorld Fab Forecastレポートは、世界中の半導体工場1470カ所をカバーし、そのうち大量生産工場は142工場で、2023年以降に生産を開始する所も含んでいるという。

(2023/03/23)
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