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NANDフラッシュ、22年1Qは販売額がQoQ3%減るも2Qは10%超成長の期待

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メモリに強い市場調査会社TrendForceによると、直近のNANDフラッシュメモリの売上額ランキングではキオクシアは2位を死守した(参考資料1)。2022年第1四半期におけるNANDフラッシュ市場全体では、前四半期比3%減の179.2億ドルとなったが、2位のキオクシアは不純物混入によるトラブルがあったのにもかかわらず、4.5%減にとどまった。

Table 1: Global NAND Flash Revenue Ranking, 1Q22 (Unit: US$1Million) / TrendForce

図1 2022年第1四半期(1Q)でのNANDフラッシュランキング 出典: TrendForce


3位のSK Hynixグループ(IntelのNANDフラッシュとSSD部門を買収して設立した米国法人Solidigmとの合算)しても10.7%減だったため、キオクシアは2位をキープした。2位のキオクシアは33.85億ドル、3位SK Hynixグループは32.25億ドルできわどかった。企業向けSSDは受注台数が増加したものの、スマートフォン向けのNANDフラッシュのビット需要が増えなかったためだ。

元々の需要が少ない1Q(第1四半期)という季節要因に加え、ロシア-ウクライナ戦争やインフレ気味によりビット需要が弱かったとTrendForceは見ている。ユーザー在庫も増えた。ビット出荷数量は0.5%減少し、単価も2.3%低下したため、全体で3%減少した。中国のスマホ向けは在庫が増えたが、北米の企業向けSSDのクライアントの注文は3月には戻ってきたため、Samsungのビット出荷数量は前四半期比(QoQ)9%増、平均単価は同2%減だったため、3.4%増の63.2億ドルとなった。

中国向けスマホに強い3位のSK Hynixは中国需要が弱かったため、出荷数量は8.4%減となり、平均単価も下がったことで10.7%減の32.3億ドルに落ちた。

キオクシアは、企業向けSSDが増えたが、モバイル向けの落ち込みが他のメーカーよりは少なかったため、ビット出荷数量が前四半期並みで平均単価もそれほど落ちなかったため、落ち込みがSKグループよりも少なかった。しかし円安に行き過ぎ、しかも不純物混入のトラブルがあったため結局、4.5%減の33.8億ドルにとどまった。トラブルがなければもっと売上額は大きかったはずだ。

WDもキオクシア同様、不純物混入問題に遭遇したが、製品価格をむしろ上げたため、平均単価は1%減にとどまった。しかしビット出荷数量はコンタミの問題で抑えられ、店頭需要は14.4%減の22.4億ドルに下がった。

その間隙を縫って、MicronのクライアントSSDの注文は増え、ビット需要が5%高まったが、平均単価を維持できたため、売上額は4.2%増の19.2億ドルに上がった。

ただ、2022年の第2四半期を見ると、戦争やインフレ、ロックダウンによって消費は弱くなり続けるが、北米のデータセンターでの応用へシフトすると、大容量の8TB(テラバイト)のSSDが企業向けSSD需要をけん引し13%成長すると共に、キオクシア工場でのコンタミ問題によって契約単価が6%上がったため、第2四半期全体では10%以上に増加しそうだと見ている。

参考資料
1. "Amid Weakening Consumer Demand and Falling Prices, Total NAND Flash Revenue Declined 3.0% in 1Q22, Says TrendForce", TrendForce (2022/05/25)
2. 「NANDフラッシュの最新ランキング、キオクシアは2位をキープ、3位にWD」、セミコンポータル (2022/02/24)

(2022/05/31)

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