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2021年の世界半導体販売額は11月予測よりも多い5559億ドル

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SIA(米半導体工業会)は2021年の世界半導体販売額は前年比26.2%増の5559億ドル(約63.9兆円)になったと発表した。11月のWSTSの見積もりでは同25.8%増の5530億ドルだった。出荷された半導体チップの数は1.15兆個に達した。半導体不足の中で生産量を増やしたことで数量も金額も過去最高となった。

世界半導体販売額の前年同月差/比 出典: WSTSのデータを元にセミコンポータルが算出

図1 世界半導体販売額の前年差(青いバー)と前年比(赤い折れ線) 出典: WSTSのデータを元にセミコンポータルが算出


2021年12月の販売額は、3カ月の移動平均で前年同月比28.3%増の509億ドルとなった。第4四半期の販売額は同28.3%増の1526億ドルとなった。SIAは毎月の数字をWSTS(世界半導体市場統計)の数字をベースに組み入れている。ただし3カ月の移動平均値で表しているため、最新値でも過去のデータに引きずられるという欠点がある。

そこで12月を単月の数字で表してみる。第4四半期の数字と、10月、11月単月のWSTSの発表済み数字から12月単月での数字を見積もってみると、542.5億ドルとなった。このことから、前年比と前年差のグラフを描いたのが図1である。9月と10月で半導体不足がピークアウトしたかに見えたが11月、12月で再び大きく成長した。このことからも半導体不足のピークは越えたとはとても言えない状況となっている。

「2021年は、進行中の半導体不足に見舞われて半導体メーカーは生産量を増強した結果、数量が増え販売額の最高記録を塗り替えた」とSIAのプレジデント兼CEOのJohn Neuffer氏は語っている。年間の販売額の成長率を地域別にみると、米国が27.4%増、欧州が27.3%増、中国が27.1%増、アジア/その他が25.9%増、そして日本が19.8%増となっている。

また製品別では、アナログが最も高く33.1%増の740億ドル、ロジックは30.8%増で、1548億ドル、メモリが30.9%増の1538億ドルとなった。マイクロプロセサやマイクロコントローラなどのマイクロICは15.1%増の802億ドルとなり、ロジックが最大の販売額となった。ただし、WSTSではロジック製品としてスマートフォンやタブレットなどのアプリケーションプロセッサ(モバイルプロセッサ)を含めている。

応用として伸びが大きいのは車載用で、前年比34.3%増の264億ドルと過去最高額となった。アナログは車載用から民生用、コンピュータ用まで幅広く、いろいろな応用で使われたと言えそうだ。

参考資料
1. 当分半導体不足解消はない! ASMLの光学部品工場が火事に、セミコンポータル (2022/01/06)

(2022/02/16)

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