半導体製造装置は好調を維持、FPD製造装置は要注意
日本製導体製造装置は好調を持続している。SEAJ(日本半導体製造装置協会)が発表した2016年8月の日本製半導体製造装置の受注額、販売額、B/Bレシオはそれぞれ、前月比1.0%増の1348億7400万円、同5.9%増の1142億4700万円、1.18となった。
図1 日本製半導体製造装置の受注額・販売額・B/Bレシオ 出典:SEAJ
これらは3ヵ月間の移動平均の値であるが、受注額、販売額とも増加傾向にあり、B/Bレシオも1.0を超えている。特に受注額はわずかながらずっと1200億円レベルを維持しており、販売額はその需要を見ながら推移している。健全な状態が続いていると見てよい。B/Bレシオがこの3ヵ月下降傾向があるが、気にするレベルではない。需要からそれほどかけ離れていない。3月決算期の駆け込み需要で販売金額が3、4、5月と移動平均のため高止まりしていたが、ようやく需要に追い付いてきた格好だ。
日本製FPD製造装置はやや黄色信号というところか。受注額が減少しているからだ。受注額は前月比9.7%減の433億300万円、販売額は同16.3%増の473億9500円で、B/Bレシオは0.91となり1.0を切った。要注意かもしれない。
図2 日本製FPD製造装置の受注額・販売額・B/Bレシオ 出典:SEAJ
FPDの需要は、有機ELディスプレイに投資が活発のはずだが、5月までの過度な需要は中国からの液晶製造装置の発注によるもので、低コスト化が進んだ液晶への投資がバブル的な色彩を帯びていた。ようやく実需に追いついた感があるが、有機ELへの投資だと問題ないが、液晶への過剰な需要であれば要注意だ。リオのオリンピック/パラリンピックが終わり、需要を喚起する要素が少ないからだ。
参考資料
1. 7月の製造装置の受注額・販売額は引き続き順調 (2016/08/19)