セミコンポータル
半導体・FPD・液晶・製造装置・材料・設計のポータルサイト

モバイル用半導体の上位ランキング、タブレットでIntelが急伸

|

スマートフォンやタブレットなど携帯機器の心臓部となるアプリケーションプロセッサ(APU)とLTE通信モデムチップの世界ランキングが発表された。これは英国の市場調査会社Strategy Analytics社が2014年の第3四半期について発表したもの。

表1 2014年第3四半期におけるAPUとLTEモデムのトップ5ランキング ただし、4位、5位のシェアは明らかにしていない 出典:Strategy Analytics

表1 2014年第3四半期におけるAPUとLTEモデムのトップ5ランキング ただし、4位、5位のシェアは明らかにしていない 出典:Strategy Analytics


同調査会社によると、2014年第3四半期におけるスマートフォン用のAPUの第1位はやはりQualcommで、その市場シェアは過半数を超えた。2位はAppleで同19%、3位MediaTek15%となっている(表1)。さらに4位はSpreadtrum、5位Samsungが続く。前回、同社が発表した2013年の第1四半期では(参考資料1)、1位、2位は変わらないが、3位のSamsungが12%シェアだった。今回のランキングからわかることは、SamsungがMediaTekとSpreadtrumに抜かれて5位に落ち、前回5位のBroadcomが圏外に落ちたということだ。

スマホのAPUでは、1位のQualcommのシェアが前回の49%から2ポイント上げ、2位のAppleも前回の13%から19%に伸ばした。前回4位で12%未満のMediaTekが15%に伸ばした。Strategy Analyticsによると、前年同期比で3桁もの大きな伸びを示したメーカーとして、HiSiliconとIntelを挙げた。HiSiliconは華為技術(ファーウェイ)のLTEスマホ、IntelはASUSのZenFoneスマホで大きく伸ばしたという。

タブレット向けのAPUでは、1位Appleの30%シェア、2位Intelの19%シェア、3位Qualcommの14%シェアとなった。これはタブレットの売上額ともリンクしており、タブレット市場ではやはりAppleのiPadがトップを行く。タブレットのAPUではIntelが大きく伸ばしたといえる。2013年第1四半期の調べでは、Intelのシェアは一桁パーセントで、5位にとどまったが、Texas InstrumentsとnVidiaが今回、圏外に脱落した。

Intelのタブレット用APUの出荷数は2014年第3四半期に前年同期比3倍にも達したとこの調査会社は見ている。Intelは今後もタブレットAPUに力を入れており、中国のファブレス、RockchipおよびSpreadtrumと提携し、共同でIntelブランドの低価格プロセッサSoFIA 3Gの販売に力を注ぐ。これは3Gモデムも集積したAtomベースのマルチコアAPUである。Intelは「アプリケーションプロセッサ」部門をMarvellに売却してしまった『トラウマ』から、APUあるいはアプリケーションプロセッサと言わずにSoCあるいはモバイルプロセッサと呼ぶ。中国のファブレスと組むことで、3Gモデムに加えLTEモデムも集積した低価格APUで攻勢に出るとみられる。Intelはタブレットにx86アーキテクチャを普及させる狙いだ。

LTEモデム市場では、Qualcommが圧倒的に強く64%シェアを確保しており、2位のMediaTekが17%、3位のSpreadtrumは6%しかない。Qualcommのベースバンドチップの50%以上が今やLTEベースバンドだとしている。


参考資料
1. スマホ・タブレット向けアプリケーションプロセッサ企業ランキング (2013/07/11)

(2015/01/28)

月別アーカイブ