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スマホ・タブレット向けアプリケーションプロセッサ企業ランキング

スマートフォンやタブレットに使われるアプリケーションプロセッサの世界市場シェア(金額ベース)を、米国市場調査会社のStrategy Analytics(ストラテジーアナリティクス)社が発表した。それによると、スマホのトップ企業は昨年よりもシェアを広げたQualcommで、49%だった。だが、タブレットではQualcommはトップ5社には入っていない。

表1 スマホ/タブレット用アプリケーションプロセッサの最新売上シェアランキング
2013年第1四半期のデータ 出典:Strategy Analytics

表1 スマホ/タブレット用アプリケーションプロセッサの最新売上シェアランキング


Strategy 社が発表した最新レポートによれば、2013年第1四半期におけるアプリケーションプロセッサ(APU)の世界売り上げは前年同期比50%増の36億ドルに達した。売り上げベースのシェアではQualcommが49%でトップ、続いてAppleの13%、3番目にSamsungの12%が続く。4位はMediaTek、5位がBroadcomという順であった。

Qualcommのシェアはむしろ広がり、2013年第1四半期は、新製品Snapdragon 600(APQ8064T)の出荷が伸びたことがシェア拡大の要因だとしている。特にHTC OneやGoogleのNexus(ネクサス)4、LGのOptimus(オプティマス)G、SamsungのGalaxy(ギャラクシー) S4、ソニーのXperia(エクスペリア)Zなど最新のスマホに搭載されたことが大きい。

トップ5にはまだ入っていないが、注目されるメーカーは中国のSpreadtrum(スプレッドトラム)である。EDGE規格および中国独自規格のTD-SCDMAモデムを集積したプロセッサが伸びたという。低価格のチップを特長としており、中国国内のTD-SCDMAチップのシェアが半分あると言われている。

タブレット用のアプリケーションプロセッサの売り上げは、前年同期比52%増の7億4000万ドルとなった。売り上げシェアトップはAppleの40%、2位はTexas Instruments(TI)の13%、そして3位がSamsungの10%という順である。このトップ3社で63%のシェアを獲得している。特にSamsungが飛躍し、社内市場にいるSamsung Mobilのおかげで前年同期比5倍という伸び率を示した。最近、IntelとMarvellがSamsung Mobileからデザインウィンを勝ち取ったため、Samsungの半導体部門は厳しい立場に置かれるだろう。

また注目すべき動きは中国だ。数量ベースでみると、中国のSpreadtrum社と台湾のMediaTek(メディアテック)のアプリケーションプロセッサを合計したときの出荷数のシェアは、29%も占める。MediaTekが最近、Acer(エイサー)とASUS(エイスース)、Lenovo(レノボ)から受注したため、2013年全体ではiPadを除くタブレット市場で2桁のシェアを取るだろうと見られている。

(2013/07/11)
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